子どものイネ科花粉の特徴、対策、治療方法

子どもの病気


スギやヒノキの花粉シーズンが落ち着く頃になっても子どもに花粉症の症状が見られたら、イネ科の植物による花粉症かもしれません。この記事では子どものイネ科花粉症について、特徴や対策、治療方法など基本情報をご紹介します。

子どもの花粉症が増えています

花粉症とは、体内に花粉が入ってきたときに、体が花粉を有害なものと勘違いして強い反応を起こすアレルギーのことです。

一般的に、花粉症は花粉を吸い込んだ年月が長いほど発症しやすくなります。そのため年齢を重ねるにつれて発症率が高くなるのが特徴で、花粉にさらされる機会が増える小学生頃から、花粉症の症状があらわれる子どもが増えます。
ただし最近は発症年齢が低年齢化していて、乳幼児期(1〜2歳頃)から発症するケースもあります

子どものイネ科花粉症の症状は?

花粉症というと春のスギやヒノキのイメージが強いかもしれませんが、イネ科の花粉によって症状が出る子どももいます

イネ科の花粉症の症状は、基本的にスギやヒノキ花粉症と同じです。

イネ科花粉症の症状

  • 鼻水、鼻づまり
  • くしゃみ
  • 目のかゆみ、充血
  • 喉のかゆみや不快感
  • 肌荒れ など


個人差はありますが、スギやヒノキ花粉症に比べて目の症状が強く出やすいといわれています。

イネ科花粉の特徴は?

イネ科花粉症の原因となる主な植物は、カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなどの雑草です。河川敷や空き地、道路沿い、家の庭などに生息していて、子どもがよく遊ぶような場所にも多く見られます。イネ科というと米がとれる稲のイメージが強いかもしれませんが、稲が花粉症の原因になることはほとんどありません。

春の花粉症の原因となるスギやヒノキは花粉が風によって遠くまで運ばれるため広い範囲に飛散しますが、イネ科の花粉の飛散範囲は数十メートルほどで、スギやヒノキに比べると狭いのが特徴です。

イネ科花粉の飛散時期

イネ科花粉は1年を通して日本全国で飛散していますが、一般的に5月前後が特に飛散量が多いとされています。年によって前後しますが、地域別の飛散のピークは次のとおりです。

  • 九州:4月中旬〜6月中旬、8月下旬〜9月初旬、10月初旬
  • 関西:4月下旬〜5月末、8月中旬〜9月上旬、10月上旬
  • 関東:4月中旬〜7月上旬、7月下旬〜10月中旬
  • 東北:5月初旬〜6月中旬、8月初旬〜9月末
  • 北海道:6月中旬〜6月末

子どものイネ科花粉の受診目安と治療方法

子どもにイネ科花粉症と思われる症状があらわれても、症状が軽度で本人がつらそうでなければ、しばらく様子を見てもいいでしょう。薬剤師に相談して、子どもの年齢や症状に合った市販薬を用法用量を守って使用するのも一つの方法です。

ただし症状がひどく日常生活に影響を及ぼすような場合は、早めに病院を受診してください。受診する際は、小児科または耳鼻科がおすすめです。イネ科の植物による花粉症なのか他の病気なのかの見分けがつきにくいときは、全身を幅広い観点で診察できる小児科を受診するのが良いでしょう。

イネ科花粉症の治療では主に次のようなことが行われます。なお、春のスギ花粉やダニのアレルギー治療で行われる「舌下免疫療法」は、現在のところイネ科花粉は対象外となっています。

薬物療法

内服薬や点眼薬、点鼻薬などで症状を緩和する方法で、最も一般的な治療法です。イネ科花粉の飛散が始まる数週間前から始めると効果が期待できるとされているので、前年もイネ科植物による花粉症の症状があらわれた場合は、飛散前に早めに病院で相談してみてください。

手術療法

イネ科花粉症で鼻づまりの症状がひどい場合には、鼻の粘膜の表面をレーザーで焼いて凝固させる手術療法をすすめられることもあります。レーザー手術は子どもへの負担が比較的少なくて済みますが、症状が再発するケースもあるため、医師とよく相談するといいでしょう。

家庭で取り組みたい、子どものイネ科花粉対策

子どもがイネ科花粉症になったら、飛散時期は日頃から以下のような対策やケアを心がけましょう。

イネ科の植物が生えている場所に近づかない

イネ科の植物は春の花粉に比べて飛散距離が狭いため、先にご紹介したようなイネ科植物が生えている場所(河川敷や空き地、道路沿いなど)に近づかないことが根本的な対策になります。
イネ科花粉症の原因となる植物は背が低く、子どもの目や鼻の高さで花粉が飛びやすいので、草むらに駆け込まないように注意してください。よく遊ぶ場所や通園・通学路などにイネ科の植物が生えていないか確認しておくと対策が取りやすくなります。

雑草駆除をする

前述の通りイネ科の植物の多くは雑草として生い茂っているため、家の庭に生えていることも珍しくありません。自宅の庭にカモガヤなどを見つけたときは、花が咲く前に除去することで花粉症対策につながります。

外出するときはマスクやメガネをする

イネ科花粉の飛散時期に外出する際はマスクを着用しましょう。マスクは小さい粒子がすり抜けにくいものや、フィルター性能が高い不織布マスクがおすすめです。ただし子どもが2歳未満の場合や嫌がるときはマスクを着用させないようにしてください。

目の症状が強い場合はメガネをかけるようにしましょう。子ども用の花粉対策メガネもあるのでチェックしてみてくださいね。

花粉を室内に入れないようにする

家の中に花粉が持ち込まれると体内にも花粉が入りやすくなります。イネ科花粉の飛散量が多い日は子どもだけでなく同居する家族も以下のことに気をつけて、できる限り花粉を室内に入れないようにしましょう。

  • 洗濯物は部屋干しにする
  • 窓やドアを開けての換気は最小限にする
  • 外から帰ってきたら家に入る前に花粉を払い落とす
  • 帰宅後はすぐに手や顔を洗い、可能であればうがいもする


加湿する

空気が乾燥していると鼻の粘膜のバリア機能が低下するため、花粉症の子どもは症状がひどくなりやすいです。
加湿器を使う、洗濯物を部屋干しにする、マスクを装着するなどして、鼻の粘膜の乾燥を防ぐようにしましょう。

空気清浄機を使う

空気清浄機は、室内の空気中の花粉飛散量を抑える効果が期待できます。ただ、床に落ちた花粉は空気清浄機では取り切れないため、濡れた雑巾やウェットシートでこまめに床掃除を行うとより効果的です。

子どものイネ科花粉治療はオンラインでも

イネ科花粉症が疑われる症状があらわれたら早めの対策や受診が大切です。ただ、イネ科花粉の飛散時期は地域によって違いが大きく、「こんな時期に花粉症になるの?」と思って受診をするべきか迷うこともあるかもしれません。
そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。自宅にいながらスマホで医師の診察を受けることができ、イネ科花粉症についての相談も可能です。医師が必要と判断した場合には薬も処方されるので、困ったときにはぜひ活用してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア