【子どものあかぎれ】対処法と予防法

子どもの病気


空気が乾燥する冬によくみられる「あかぎれ」。子どももあかぎれになることがあるのでしょうか。この記事では、子どものあかぎれの対処法や予防法、受診の目安などをご紹介します。

あかぎれとは?子どももなるの?

あかぎれとは、乾燥によって皮膚の水分や油分が失われ、皮膚の深い部分まで亀裂が入る肌トラブルです。急に起こるのではなく、皮膚が乾燥して硬くなった状態が続いたときに、以下のような段階を経て起こります。

  1. 皮膚がカサカサする、粉をふく
  2. 皮膚の表面に細かく亀裂が入る(ひび割れ)
  3. 皮膚の深い部分まで亀裂が入る(あかぎれ)


大人に多くみられる印象があるかもしれませんが、皮膚が薄くバリア機能が発達途中の子どももあかぎれになることがあります。

子どものあかぎれの原因は?

前述の通り、あかぎれは皮膚が乾燥して硬くなることで起こります。子どもの場合、皮膚の乾燥は主に下記のようなことがきっかけで引き起こされることが多く、これらがあかぎれの原因になります。

  • 空気が乾燥している
  • 石鹸やアルコールの消毒剤を頻繁に使っている
  • 手が濡れたままになっている など

子どものあかぎれの症状は?

あかぎれになると、皮膚の深い部分まで亀裂が入って赤くなり、強い痒みや痛みがあらわれます。ひどくなると亀裂から血が滲むこともあります。手の指先や関節まわりなど、皮膚がよく動く部分にできることが多いので、一度あかぎれになると治りにくく再発しやすい傾向があります。

さらに悪化すると、アルコールの消毒剤などの刺激でかぶれて湿疹ができたり、亀裂部分から細菌が入って腫れや膿などの症状があらわれたりすることもあります。

子どものあかぎれへの対処法は?

あかぎれの症状が軽ければ、ホームケアで対処できる場合もあります。軽症のあかぎれは下記の方法でケアしましょう。

患部を清潔に保つ

化膿を防ぐため、まずは患部を清潔に保ちます。泡立てた石けんで優しく洗い、水やぬるま湯で流しましょう。皮膚を刺激しないよう、ゴシゴシこするのは避けてくださいね。皮脂がとれすぎるので、熱いお湯を使うのもやめましょう。

肌を保湿する

皮膚の乾燥が進まないよう保湿することも大切です。ただし亀裂が深く痛みがある、血が出ている、炎症があるといった場合は、保湿剤の成分がしみて悪化につながることもあります。ワセリンのような低刺激のものや、病院で処方された保湿剤を使いましょう。

患部を保護する

亀裂が深かったり、子どもが気になって触ってしまったりする場合は、絆創膏などを貼って患部を保護してください。傷口を適度に湿らせておくことで治りが早くなるとされているので、創傷被覆材を貼るのもいいでしょう。

子どものあかぎれで受診する目安

軽いあかぎれであれば、前述のホームケアをしながら自宅で様子をみてもかまいません。ただし下記の項目に当てはまる場合は、早めに皮膚科や小児科を受診しましょう。

  • 痛みや痒みが強い
  • 出血している
  • 患部が赤く腫れている
  • 膿が出ている
  • 掻きこわしてジュクジュクしている
  • ホームケアで改善しない


上記の症状がみられなくても気になることがある場合は受診してくださいね。

子どものあかぎれを予防するには?

ここからは子どものあかぎれを予防する方法をご紹介します。

肌をこまめに保湿する

肌の乾燥を防ぐため、こまめに保湿剤を塗りましょう。手洗い後やアルコール消毒剤の使用後、お風呂上がりは特に乾燥しやすいので、できるだけ早く保湿剤を塗ることが大切です。保湿剤はワセリンやヘパリン類似物質など低刺激のものを選び、肌が清潔な状態のときに塗るようにしてくださいね。

寝る前にたっぷりと保湿クリームを塗り、手袋をして寝ることもおすすめです。手袋は綿のものがよいでしょう。

手洗い後は水気をしっかり拭き取る

手に水気がついたままだと、蒸発するときに皮膚の水分も失われてしまいます。手を洗った後に手を振って自然乾燥させようとすることもあるかもしれませんが、ハンカチやタオルでしっかり水気を拭き取るようにしましょう。

お湯の温度を高くしすぎない

お風呂や手洗いの際に熱いお湯を使うと、必要な皮脂まで洗い流されてしまい乾燥しやすくなります。お湯の温度はぬるめにし、湯船に浸かる際は長湯しすぎないようにしましょう。

冬場は外出時に手袋を着用する

冬場の冷たく乾燥した空気は皮膚への刺激になります。外出するときは手袋を着用し、できるだけ手を露出しないようにしましょう。

部屋を加湿する

空気が乾燥していると肌の水分も失われやすくなります。エアコン使用時は特に空気が乾燥するので、部屋の湿度を50%くらいに保てるように加湿器を併用する、洗濯物を室内に干すといった対策をとりましょう。

バランスのよい食事をとる

肌の乾燥を改善するために、栄養バランスのよい食事を取ることも大切です。特に下記の栄養素を豊富に含む食品は皮膚の健康を保つ効果が期待できるので、毎日の食事にバランスよく取り入れるといいでしょう。

  • タンパク質:肉、魚、乳製品、大豆製品 など
  • ビタミンA:カボチャ、ニンジン、ホウレン草、うなぎ など
  • ビタミンB群:レバー、赤身肉、鶏ささみ、カツオ、マグロ、納豆、きのこ など
  • ビタミンC:ブロッコリー、ピーマン、イチゴ、キウイ、柑橘類 など
  • ビタミンE:アボカド、アーモンド、カボチャ など
  • 亜鉛:牡蠣、うなぎ、牛赤身肉、油揚げ、卵、牛乳、納豆、もめん豆腐、精白米 など

肌トラブルの相談はオンラインでも

あかぎれに限らず、子どもは肌トラブルが起こりやすいです。症状が軽く病院に行くほどではなくても、家庭でどう対応すればよいか迷うケースなどもあるかと思います。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリキッズドクターが便利です。看護師と個別チャットでやりとりでき、ケア方法や受診の目安などアドバイスをもらえます。自宅にいながらスマホで医師のオンライン診療を受診することもできるので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

ホームケア