節分の豆は5歳以下には与えないで!子どもと安全に楽しむ節分の過ごし方

子どもの事故


立春の前日、邪気払いのために行われる「節分」の行事。子どもも楽しめるイベントではありますが、節分の豆まきで使われる豆によって、子どもの窒息・誤嚥事故が起こっています。そこで今回は、子どもがいる家庭での節分の注意点をご紹介します。

節分豆は5歳以下の子どもには食べさせない!

節分の豆は、5歳以下の子どもには食べさせてはいけません。「歳の数だけ節分豆を食べると健康になる」という風習がありますが、たとえ数粒であっても食べさせないでください。喉や気管に詰まることによる窒息や誤嚥、肺炎、気管支炎などを引き起こすリスクが高く、とても危険です。最悪の場合、死に至ることもあります。

節分豆だけでなく、ピーナッツや枝豆、炒り豆、アーモンドなど、固くて噛み砕く必要のある豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないようにしてください。

この「5歳以下の子どもには節分豆を食べさせない」というものは、消費者庁からの注意喚起です。

これまで、節分の豆を食べさせないのは「3歳頃まで」とされていましたが、2020年に4歳の子どもが節分豆による窒息で亡くなったことをうけ、節分豆を食べない基準の年齢を「5歳以下」と設定し直しました。

大人が想像している以上に、小さな子どもにとってナッツ類は危険です。5歳以下の子どもには、節分の豆は食べさせてはいけません

5歳以下の子どもがいる家庭での節分の豆まきの注意点

イベントとして節分を楽しむこと自体は、悪いことではありません。ただし誤って豆を食べてしまわないように、これからご紹介するポイントに注意して楽しんでください。

豆まきは「個包装の豆」or「代用品」で

豆まきをするときは、豆の粒をひとつずつ投げるのではなく、個包装のものをそのまま投げるようにしましょう。子どもが後から食べられるように、個包装のボーロやクッキーを使うのもおすすめです。

食べ物にこだわらず、折り紙や新聞紙などを丸めて豆に見立てたり、柔らかいボールを使ったりするのもいいですね。

豆まき後は後片付けを徹底する

たとえ個包装の豆を使ったとしても、豆まき後はしっかりと片付けをし、床に豆を放置しないようにしてください。床に落ちていると、うっかり食べてしまうこともあります。豆まき後はすぐに拾って片付けるようにしましょう。

兄弟がいる家庭では、お兄ちゃん・お姉ちゃんにも注意する

6歳以上の兄弟がいる家庭では、お兄ちゃん・お姉ちゃんにも「下の子に食べさせてはいけない」ということを徹底して伝えてください。上の子が食べている様子を見て下の子が欲しがりそうな場合は、別の部屋で食べさせるなどの工夫も大切です。

またたとえ6歳以上であっても、食べるときはしっかりと噛むように伝えてください。豆を口の中に入れたまま喋る、走る、寝転がるなどの動作は危険です。静かに座って、集中して食べさせるようにしてください。

豆が喉に詰まったときの対処法

万が一、豆が喉に詰まってしまったときは、すぐに救急車を呼んでください。救急車の到着を待ちながら、子どもをうつぶせにして肩甲骨の間あたりを叩く「背部叩打法」や、仰向けで胸骨を圧迫する「胸部突き上げ法」などを行います。ただしこれは「万が一」の対処法です。そもそも喉に詰まらせないように、5歳以下の子どもには節分豆を食べさせないようにしてください。

監修者について

監修者 | 看護師 森 真也香
小児救急受け入れ可能な救命救急センターにて勤務し、命の重さと向き合いながら、トリアージや小児救急の大切さ、家族看護を学ぶ。BLS,ICLS 取得。その後緩和ケア病棟にて命の尊さを強く感じ、徹底的に寄り添い看護を実施する。現在はキッズドクターオペレーションマネージャーとして、安全でより良い医療を提供できるようスタッフに寄り添い対応を伝えている。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

予防