子どもが発熱したときの看病のポイント

子どもの病気


子どもが発熱したときは、できるだけ早くよくなるように看病してあげたいものですが、どんなことに気をつけたらいいのか気になりますよね。そこでこの記事では、子どもが熱を出したときの看病のポイントをご紹介します。

子どもが発熱しやすいのはなぜ?

子どもは免疫力が低いため、大人よりも頻繁に熱を出します。また体温調節機能が未熟で温度変化の影響を受けやすく、高温の場所で過ごしたり厚着しすぎたりすると発熱することがあります。熱が出たからといって重い病気というわけではないので、落ち着いて看病をすることがポイントです。

発熱した子どもの看病のポイント9選

ここでは、子どもが熱を出したときの看病のポイントをご紹介します。

安静にさせる

発熱するといつもより体力を消耗しやすくなるため、まずは安静にさせましょう。ふだん以上にしっかり睡眠をとって、なるべく静かに過ごせる環境を整えることが大切です。回復してきても熱がぶり返すこともあるので、しばらくは激しい運動や外出は控えて様子をみてくださいね。

こまめに水分補給を行う

熱が出て汗をかくと体の水分が奪われます。脱水を防ぐために、こまめに水分補給をしましょう。水や白湯、麦茶、子ども用のイオン飲料などは、咳や鼻づまりなどの症状を伴うときでも飲みやすいのでおすすめです。赤ちゃんはミルクや母乳でも水分補給ができますよ。

熱が出始めたら体を温める

熱の出始めは血管が収縮するため、手足が冷えたり悪寒で体が震えたりします。寒がることが多いので、手足をさする、上着を羽織らせる、寝るときは掛け布団を1枚足すなどして体を温めてあげましょう

熱が上がりきったら熱を逃す

熱が上がりきると顔が赤くなり手足も熱くなることが多いので、普段と同じ服装か1枚薄着にして熱を逃がしやすくします。寝ているときは、掛け布団を1枚減らしたり薄手の布団に変えたりしてくださいね。

子どもが嫌がらなければ、首や脇の下、足のつけ根など太い血管が通っている部分を冷やしてあげると、体が楽になることもあります。汗をかいて熱が下がってきたら、汗を拭いてこまめに着替えさせて体が冷えないようにしましょう

食欲がないときは無理に食べさせない

発熱すると、胃腸のはたらきが弱まって食欲がなくなることがあります。熱が下がれば食欲も戻ることがほとんどなので、水分をしっかり摂れていれば無理に食べさせる必要はありません

ただし長い時間何も食べない状態が続くと胃腸の機能が低下して回復が遅れることがあるため、子どもが食べたがるものや消化がよいものを食べられそうなタイミングで与えるといいでしょう。脂っこいものや繊維質の多いものは胃腸に負担がかかるため避けると安心です。

温度・湿度を適切に保つ

発熱している子どもが少しでも快適に過ごせるように、夏場は25~28℃、冬場は23~25℃くらいを目安に室温を調整しましょう

発熱とともに咳や喉の痛みがあるときは、空気が乾燥していると症状が悪化しやすくなります。加湿器を使ったり洗濯物や濡れタオルを室内に干したりして、湿度を40~60%くらいに保てるといいですね

食べていなくても口の中は清潔に

発熱の原因が感染症の場合、咳や痰、喉の腫れなどによって口内のウイルスが活発になることがあります。あまり食べられないときでも歯磨きをして口の中を清潔に保ちましょう。起き上がるのもつらそうなときは、水で濡らしたガーゼで口の中を拭ってあげてくださいね。

お風呂は無理に入らせない

発熱していて元気がないときは、無理にお風呂に入らせないようにしてください。汗をかいたりして体の汚れが気になるときは、かたく絞った蒸しタオルで体を拭くなどするといいでしょう。

元気があればお風呂に入らせてもかまいませんが、発熱時は脱水状態になりやすいため、ぬるめのお湯に浸かり短時間で済ませましょう。また、お風呂から出た後に湯冷めしないように気をつけてくださいね。

市販の解熱剤は自己判断で使わない

発熱はウイルスや細菌から体を守るための防御反応なので、基本的には無理に下げる必要はないとされています。とはいえ発熱のせいでぐったりしているときや、眠れないときなどは、解熱剤で一時的につらさを和らげてあげるのもひとつの方法です。ただし自己判断で市販の解熱剤を使用するのは避け、医師から処方されたものを用法用量を守って使いましょう

子どもの熱で受診する目安は?

発熱しても38℃以下で熱以外の症状はなく、食欲や機嫌が普段どおりであれば、しばらく様子をみてかまいません。

以下のような場合は診療時間内に受診をしましょう。

  • 急に高熱が出た
  • 熱が3〜4日以上続いている
  • 咳や嘔吐などほかの症状がみられる
  • 一度受診したが熱が下がらない
  • 発疹が出ている


次のような症状がみられるときは、早急に受診する必要があります。夜間や休日は救急外来を受診してください。

  • 水分がとれず尿が半日以上出ていない
  • 呼びかけに反応せず、ぐったりしている
  • 顔や唇の色が悪い
  • けいれんを起こした
  • 呼吸が早く、息苦しそう
  • 嘔吐を繰り返している
  • 呼吸が浅く、小鼻がぴくぴくしている
  • 生後3ヶ月未満で発熱をしている

子どもの発熱はオンライン診療が便利

子どもはよく発熱するので、その度に病院へ連れて行くのは大変ですよね。熱がそれほど高くなかったり、発熱以外の症状がなかったりするときは、わざわざ病院へ行くべきか悩むこともあるかもしれません。そんなときは、子どもの医療アプリ「キッズドクター」のオンライン診療がおすすめです。自宅にいながらスマホのビデオ通話で医師の診察を受けることができ、発熱時の看病のポイントも教えてもらえます。困ったときはぜひ利用を検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 黒川 剛史
日本外科学会認定外科専門医、日本救急医学会認定救急科専門医。2001年神戸大学医学部卒業。西神戸医療センターにて初期研修を修了。兵庫県災害医療センターにて3次救急に従事後2018年よりシンガポールでの日系クリニック勤務。シンガポール国立大学総合診療卒後教育コースにて総合診療研修を行い、現在子供から大人まで初期診療に従事中。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

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