子どもも睡眠時無呼吸症候群になるの?原因や症状、治療方法は?
子どもが毎晩のように大きないびきをかいていると、「もしかして睡眠時無呼吸症候群なのかな?」と心配になることもあるかもしれません。そこでこの記事では睡眠時無呼吸症候群について、そもそも子どもがなるのかや原因、症状、治療法をご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群とは?子どももなるの?
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり浅くなったりする病気です。大人の病気のイメージが強いかもしれませんが、子どもにも起こることがあります。
子どもが睡眠時無呼吸症候群と診断されるには、以下の2つの条件のいずれも満たすことが目安となります。
1. 日常生活でみられる症状(1つ以上)
- 習慣的にいびきをかく
- 寝ているときに呼吸がしづらい様子や、胸とお腹の動きが逆になることがある
- 日中に眠気や多動(落ち着きがない)、学習面でのトラブルなどが起きている
2. 専門的な検査で見られる症状(1つ以上)
- 睡眠1時間あたり1回以上、呼吸が止まったり浅くなったりするされる
- 睡眠中の呼吸で二酸化炭素が増えている時間が全体の4分の1以上あり、さらに、いびき、呼吸の流れが弱くなる、胸とお腹の動きが逆になるなどの症状がみられる
子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因は?
睡眠時無呼吸症候群には主に、空気の通り道がふさがる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」と、脳の呼吸の指令がうまく働かない「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)」の2種類があります。子どもの場合は閉塞性(OSAS)であるケースがほとんどです。
まず、子どもの閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の原因は次のようなものがあります。
アデノイド・扁桃の肥大
子どもの成長の一環として、鼻の奥にある「アデノイド」や喉の奥の左右にある「扁桃」が大人よりも大きくなります。この大きくなったアデノイドや扁桃が気道を圧迫すると就寝中に空気の通り道が狭くなるため、無呼吸や低呼吸、いびきなどの呼吸障害を引き起こすことがあります。
子どもによって違いはありますが、アデノイドは2〜6歳頃、扁桃は3〜7歳頃に大きくなりやすいです。そのため6〜7歳を過ぎると多くの場合、睡眠時無呼吸症候群の症状は自然と減っていきます。ただし、ほかの原因がある場合は症状が続くこともあります。
鼻づまり
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などによって鼻づまりの症状が強いと、鼻呼吸ができず口呼吸になりやすいです。仰向けに寝ている状態で口呼吸になると重力で舌が喉の奥に落ち込んで気道を塞いでしまい、空気の通り道が狭くなるため、睡眠中の無呼吸を引き起こすことがあります。
肥満
肥満によって首のまわりや喉、舌の付け根などに脂肪が蓄積すると、睡眠中に気道が狭くなったり塞がったりして、呼吸が浅くなることがあります。
顎の骨の問題
顎が小さかったり上顎に対して下顎(したあご)が後方にずれていたりすると、寝ている間に舌が喉に押し込まれて気道を狭め、空気の通りが悪くなることがあります。
次に、中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)の主な原因は以下のとおりです。ただし前述の通り、子どものCSASはOSASに比べると稀です。
呼吸中枢が発達途中
脳が呼吸の指令を出せなくなり、睡眠中に呼吸が止まってしまうことがあります。特に早産で小さく生まれた赤ちゃん(低出生体重児)は呼吸リズムを調節することが難しいため、無呼吸発作を起こしやすいです。
キアリ奇形
キアリ奇形とは、脳の一部が、本来の場所である頭蓋骨から背骨側へ落ち込んでしまった状態です。脱出した脳組織や合併する病気によって1~4型に分けられますが、1型の場合、いびきや中枢性睡眠時無呼吸症候群の原因になることがあります。
子どもの睡眠時無呼吸症候群の症状は?
子どもの睡眠時無呼吸症候群の症状はさまざまで、寝ているときだけでなく起床時や日中にも特有の症状がみられることが多いです。
睡眠中の主な症状
- 毎晩のように激しいいびきを繰り返す
- 呼吸が数秒間止まる
- 眠りが浅く、夜中に何度も起きる
- 呼吸とともに胸がへこむ
- 首を反らせて苦しそうに寝る、うつ伏せで寝る
- 寝返りを頻繁にうつ
- 寝汗をたくさんかく
- おねしょをする
- 突然起き上がる
- 咳込む
起床時の主な症状
- 寝起きが悪い、不機嫌
- 頭痛がする
- 口が渇いている
- 口臭がきつい
日中の主な症状
- 鼻が常に詰まっている
- 口呼吸をしている
- 眠気や疲れがみられる
- 落ち着きがない
- すぐにイライラしたり怒ったりする
- 集中力や学力の低下がみられる
睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状に大きないびきがありますが、子どもがいびきをしているからといって必ずしも睡眠時無呼吸症候群であるとは限りません。以下のようないびきの場合は、睡眠時無呼吸症候群ではなく一時的ないびきであると考えられます。
- 日中の遊びや運動で疲れた状態で寝て、いびきをかいている
- 寝付いたばかりの眠りが浅いときに、いびきをかいている
- 風邪や感染症、アレルギーの症状が出ているときに、いびきをかいている
子どもの睡眠時無呼吸症候群で受診する目安
子どもが睡眠時無呼吸症候群になると、深い睡眠がとれず成長ホルモンの分泌が低下したり、日中に眠くなって集中力が落ちたりすることがあるため、早期の発見と治療が大切です。前述の睡眠時無呼吸症候群であらわれる症状がいくつかみられたときは、できるだけ早く受診するようにしてください。
まずは、かかりつけの小児科または耳鼻咽喉科で診てもらうといいでしょう。症状によっては睡眠外来や総合病院の耳鼻科などを紹介されることもあります。普段から、睡眠時・起床時・日中の子どもの様子をよく観察しておくと診察がスムーズに進みます。
症状が一時的ないびきだけであれば睡眠時無呼吸症候群の可能性は低いため、そのまま様子をみて問題ありません。
子どもの睡眠時無呼吸症候群の治療方法
子どもの睡眠時無呼吸症候群の治療は、原因や程度によって違います。ここでは、閉塞性の場合の治療法を原因別にご紹介します。
アデノイド・扁桃の肥大が原因の場合
アデノイド切除や扁桃摘出術が行われます。1週間ほどの入院が必要で、術後に喉の痛みなどがありますが、ほとんどの場合、無呼吸症状は改善します。
アレルギー性鼻炎が原因の場合
アレルギー反応や炎症を抑える薬が処方されます。適切な治療を行うことによって鼻づまりや炎症が改善して呼吸しやすくなります。
肥満が原因の場合
体重を減らすことが基本となります。ただし成長期に極端な減量をすると、身長が伸びなくなったり骨や筋肉の発達が妨げられたりするため、1日3食栄養バランスの整った食事を適量食べる、毎日適度に体を動かすといったことが推奨されます。
顎の骨の問題が原因の場合
顎の骨が小さいことが原因であれば、寝ている間にマウスピースを装着し、下顎を前に出すことで、舌が喉の奥に下がって気道をふさぐのを防ぎ、呼吸しやすくします。ただし年齢や歯の生え方によっては使用できない場合もあります。
睡眠時無呼吸症候群の症状が重く、マウスピースで改善が難しい場合は、顎の骨の位置を整える手術が行われることもあります。入院や全身麻酔が必要になることがありますが、症状の改善が期待できます。
子どもの睡眠トラブルの相談はオンラインでも
子どもの睡眠時無呼吸症候群になると日常生活や体の成長・発達に大きな影響を及ぼします。ただ普段から子どもの様子をよく観察していても、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるのかどうか、すぐに受診するべきかなどの判断が難しいこともあるかもしれません。
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