【子どものスギ花粉】対策や治療の方法は?基本情報まとめ

子どもの病気


1月下旬頃から春にかけて子どもに鼻水や鼻づまり、くしゃみといった症状がみられたら、スギ花粉症かもしれません。この記事では子どものスギ花粉症について対策や治療方法など基本情報をご紹介します。

子どもの花粉症が増えています

花粉症とは、体内に花粉が入ったときに、体が花粉を有害なものと誤認識して強い反応を起こすアレルギーのことです。花粉症に悩む大人は多いですが、子どもの花粉症も年々、増加傾向にあります

花粉症は年齢を重ねるにつれて発症率が高まります。花粉を吸い込んだ年月が長ければ長いほど体が敏感になり、アレルギーを発症しやすくなるからです。そのため小学生頃から花粉症の症状が出る子どもが多いですが、最近は発症年齢が低年齢化していて、乳幼児期(1〜2歳頃)から発症するケースもあります。

アレルギー性鼻炎ガイド(2021年版)によると、スギ花粉症をもっている子どもの割合は、0〜4歳で3.8%、5〜9歳で30.1%、10〜19歳で49.5%です。なかでも5〜9歳の有症率の増加が著しく、2008年から2019年の約10年間で2倍以上増えています。

スギ花粉の特徴は?

花粉にはさまざまな種類がありますが、花粉症の約70%はスギ花粉症だと推測されています。その理由として、日本の国土にスギ林が占める面積が大きいことが考えられます。

またスギは高さ30〜40メートルほどまでに成長するのが特徴で、花粉が風によって遠くまで運ばれ、非常に広い範囲に飛散します。そのため飛散距離が短い花粉(ブタクサやヨモギなど)に比べて避けるのが難しく、多くの人に症状が現れやすいとされています。

スギ花粉の飛散量のピークは地域ごとに違います。一般的に、九州・関西・東海・関東の山間部では2〜3月、関東の都市部・東北では3〜4月、北海道は4〜5月です。ただし、年によって飛散時期は前後します。また北海道はスギが少なく、飛散量は他の地域に比べて少ないです。

スギ花粉が多い年と少ない年があるのは、前年夏の気象状況が翌春に飛ぶ花粉の量に大きく関係しているからです。日差しが強くて降水量が少ないと、翌春のスギ花粉の生産量が多くなりやすいとされています。また、スギの雄花の生産量が少ない年の翌年には、雄花の生産量が増える傾向があります。

子どものスギ花粉の治療方法は?

子どもにスギ花粉症と思われる症状がみられても、症状が軽く本人がつらそうでなければ、そのまましばらく様子を見てもいいでしょう。薬剤師に相談し、年齢や症状に合った市販薬を用法用量を守って使うのも一つの方法です。

ただし症状がひどくて日常生活に影響が出るような場合は、早めに病院を受診してください。受診する際は、小児科または耳鼻科へ行くことがおすすめです。スギ花粉症なのか他の病気なのかの見分けがつきにくいときは、全身を幅広い観点で診察してもらえる小児科を受診するのが良いでしょう。

スギの花粉症の治療では、主に次のようなことが行われます。

薬物療法

スギ花粉症の治療は、内服薬や点眼薬、点鼻薬などで症状を緩和する薬物療法が基本です。スギ花粉の飛散が始まる数週間前から薬物療法を始めると効果が期待できるとされているので、前年もスギ花粉症の症状がみられた場合は飛散前に早めに病院で相談するといいでしょう。

アレルゲン免疫療法

スギ花粉から抽出したエキスを体内に取り込み、体質を根本から改善する治療法です。舌下免疫療法は現在、5歳から受けられます。花粉症を完治させる可能性が高いとされていますが、効果には個人差があります。また治療期間が3年ほどと長いため、根気よく続けなくてはなりません。

手術療法

スギ花粉症で鼻づまりがひどい子どもには、鼻の粘膜を部分的に切除する手術療法が行われる場合もあります。レーザー手術は入院の必要がなく出血もないので比較的負担が少ないですが、症状が再びあらわれるケースもあります。

家庭で取り組みたい、子どものスギ花粉対策

子どもがスギ花粉症になったら、花粉シーズンは日頃から以下のような対策やケアをするといいでしょう。

外出時は花粉を避ける

スギ花粉症の症状を和らげるためには、体内に入る花粉をできるだけ少なくすることが大切です。晴れの日や風が強い日、雨の翌日などスギ花粉の飛散量が多くなりそうな日は、外出は控えるか短い時間にとどめるのがおすすめです。

外出時はできるだけマスクやメガネを着用し、ツルツルとした生地など花粉が付着しにくい服を選ぶといった対策も行うと、さらに良いでしょう。

花粉を室内に入れない

外出を控えていても、スギ花粉が家の中に持ち込まれると体内にも入りやすくなってしまいます。特にスギ花粉の飛散量が多い日は家族全員で次のことに気をつけて、花粉をできるだけ室内に入れないようにしてください。

  • 外出先から帰ってきたら、家に入る前に上着や帽子などの花粉を払い落とす
  • 帰宅後はすぐに手や顔を洗い、目や鼻の周りの花粉を落とす(できれば、うがいもする)
  • 洗濯物は部屋干しにして外に干さない
  • 窓やドアを開けての換気は必要最低限にする


加湿して乾燥を防ぐ

室内の空気が乾燥していると鼻の粘膜のバリア機能が低下しやすく、スギ花粉症の子どもは症状が悪化することがあります。加湿器を使用する、濡れタオルを干す、マスクを着用するなどして鼻の粘膜の乾燥を防ぎましょう。鼻の中にワセリンを塗るのもおすすめです。

空気清浄機を使う

空気清浄機を適切に使うことで、室内に漂うスギ花粉を除去することができるとされています。ただ床に落ちた花粉は空気清浄機では取り除けないので、ウェットシートや濡れた雑巾などで定期的に床掃除を行うとより効果が高まります

子どものスギ花粉治療はオンラインでも

子どもの花粉症は増えていて、特にスギ花粉症は多いので、子どもに疑われる症状がみられたら早めのケアや受診が大切です。ただ、どのタイミングで受診したらいいのか迷ったり、花粉が多く飛んでいる日に子どもを連れて病院へ行くのが大変だったりすることもありますよね。
そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。自宅にいながらスマホで医師の診察を受けることができ、スギ花粉症についての相談も可能です。医師が必要と判断した場合には薬も処方されるので、困ったときにはぜひ活用してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア