泣きいりひきつけ(憤怒けいれん)って何?原因と対応、予防法ガイド
「泣きいりひきつけ」をご存じでしょうか。熱性けいれんなどに比べて耳慣れないかもしれませんが、赤ちゃんや小さな子どもに起こることがあります。この記事では、泣きいりひきつけについて、原因や発作が起きたときの対応・対処法、また予防法などをご紹介します。
泣きいりひきつけ(憤怒けいれん)って何?原因は?
泣きいりひきつけは正式には「憤怒(ふんぬ)けいれん」といい、乳幼児期に起こる「反射性けいれん」(特定の刺激や状況に「反射」して起こるけいれん)の一種です。生後6ヶ月から2〜3歳頃までの約4〜5%にみられ、決して珍しいことではありません。特に生後6ヶ月から1歳頃の時期に多くみられますが、成長とともに自然になくなり、後遺症も残りません。
泣きいりひきつけは、顔が青色になる「チアノーゼ型」と白色になる「蒼白型」の2タイプがあり、それぞれ原因が異なります。
チアノーゼ型の原因
不満や怒りによって激しく泣くことが原因で起こります。激しく泣いた後に息を強く吐きすぎたり、反射的に息をこらえたりして呼吸が一時的に止まった結果、体内の酸素濃度が低下することで起こります。
蒼白型の原因
突然の驚きや恐怖、痛みが原因で起こります。迷走神経が刺激されることによって一時的に心拍が遅くなり、脳への血流が減って意識を失います。
一般的に蒼白型よりチアノーゼ型の方が多くみられます。
泣きいりひきつけの症状は?
泣きいりひきつけの症状はチアノーゼ型か蒼白型によって異なり、それぞれ以下のような流れであらわれます。ただし個人差があるため、必ずしも下記の症状がみられるとは限りません。
チアノーゼ型の症状
- 激しく泣いた後、急に呼吸が止まる
- 顔色が青紫色になり、唇も青くなる
- 体が硬直する、意識がぼんやりする(一瞬、意識を失うこともある) 、短時間のけいれんが起こる など
蒼白型の症状
- 驚きや痛みが起こる
- 一時的に心拍が遅くなることがある
- 顔色が真っ白になる
- ほとんど泣くこともなく急に意識を失う
- 全身の力が抜けてぐったりする、6けいれんが起こることがある など
どちらの型でも発作は一過性で、1分〜数分以内におさまります。
泣きいりひきつけと熱性けいれんの違い
前述の通り、泣きいりひきつけは「反射性けいれん」の一種です。乳幼児期のけいれんというと「熱性けいれん」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、泣きいりひきつけと熱性けいれんは原因が違います。
泣きいりひきつけは激しく泣くことや突然の驚きや痛みが原因で起こるのに対し、熱性けいれんは一般的に38℃以上の発熱に伴って起こります。また熱性けいれんでは次のような症状があらわれます。
熱性けいれんの症状
- 突然意識がなくなり白目をむく
- 体が反り返ってビクビクする
- 手足をガクガクふるわせる
- 顔色が悪くなる
- 名前を呼んでも反応がない
- よだれを垂らす など
顔色が悪くなるなど、一部は泣きいりひきつけの症状と似ていますが、突然意識がなくなり白目をむいたり体をビクビクさせたりするのは、熱性けいれん特有の症状といえます。
泣きいりひきつけの対処法と事後の対応方法
泣きいりひきつけの発作が起きたら、まず次のような対処をしましょう。
発作が起きたときの対処法
慌てずに冷静になる
子どもが突然顔色が悪くなったりけいれんしたりすると不安になるものですが、発作はすぐにおさまります。適切な対処をするために、まずは周りにいる人が気持ちを落ち着かせましょう。
安全で平らな場所に寝かせる
座っているときや立っているるときに発作が起きた場合は、床や布団など安全で平らな場所に寝かせてください。硬直やけいれんの症状があらわれたときや倒れたときに、体を床や家具にぶつけないよう十分に注意しましょう。
体と顔を横向きにして寝かせる
まれに、けいれんしながら吐くこともあります。吐しゃ物やよだれで喉が詰まらないように、体と顔を横に向けて寝かせましょう。
衣服やパジャマを緩める
けいれんを起こすと呼吸が浅くなるため、息がしやすいように着ている服のボタンやファスナーを緩めて、できる限り体を楽にさせてください。
発作がおさまったら、次のような対応をしましょう。
発作がおさまったあとの対応
ゆっくりと休ませる
眠っているようであれば、そのまま寝かせてあげましょう。目を覚ましたら水分補給をして、しばらくゆっくり休ませてください。
安心させる
発作は本人にとっても怖いものです。「大丈夫だよ」「ママやパパが近くにいるよ」などと声がけをして安心させましょう。起きていて抱っこを求められたら、そっと抱いてあげてください。
「泣かせないように」と神経質になりすぎない
一度泣きいりひきつけを起こすと「泣かせないように」と過度に気にしてしまうかもしれませんが、神経質になりすぎるとママやパパの変化を子どもが感じとって不安になることもあります。今まで通り接するようにしてください。
必要に応じて受診する
泣きいりひきつけが頻繁に起こる、けいれんや意識を失う時間が長いといった場合は、かかりつけの小児科や小児神経専門医がいる医療機関を受診してください。基本的に診療時間内の受診で問題ありませんが、発作の程度が重かったり、いつもの泣きいりひきつけと症状が違ったりするときは、早急に受診しましょう。夜間や休日は救急外来を利用してください。
発作が一度きりであっても心配なときは受診すると安心です。
泣きいり引きつけが起きたときにやってはいけないこと
ここでは、泣きいり引きつけが起こったときにやってはいけないことをご紹介します。
体を揺さぶるのはNG
意識を戻そうと体を揺さぶったり、けいれんを落ち着かせようと押さえつけたりすることはしないでください。発作が長引いたり、かえって悪化したりすることがあります。特に強く体を揺さぶると頭蓋内出血(揺さぶられっ子症候群)を起こすこともあるので注意してください。
口の中にものを入れるのはNG
けいれんの症状があらわれたときに舌を噛むことを心配して口の中にものを入れないようにしてください。赤ちゃんや子どもが間違って飲み込んだり息ができなくなったりするおそれがあります。けいれんによって強く舌を噛むことは基本的にないので、そのまま落ち着くまで待ちましょう。
きつく抱きしめるのはNG
心配で抱きしめたくなるかもしれませんが、けいれん時は呼吸が浅くなりやすいため、きつく抱きしめて苦しくならないように注意しましょう。抱きしめること自体は問題ないので、やさしく抱きしめてくださいね。
泣きいりひきつけは予防できる?
泣きいりひきつけは成長とともに自然に消失するため、必ずしも予防しなければいけないわけではありません。
ただし泣き入りひきつけの30〜60%に鉄欠乏性貧血があるという報告もあるので、頻繁に起こる場合は受診して貧血が隠れていないかを確認すると良いでしょう。貧血があることが分かったら、鉄剤の処方を受けて内服することで、泣き入りひきつけの頻度が減る可能性があります。
また激しく泣き始めたときに早めに抱っこしたりあやしたりして気を紛らわすと、発作を予防できることもあります。
泣きいりひきつけの相談はオンラインでも
泣きいりひきつけの発作があらわれると、とても不安になりますよね。発作が落ち着いても自宅での過ごし方やホームケアの方法に悩むこともあるかもしれません。また受診するべきか迷うママ・パパも多いかと思います。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。自宅にいながらスマホで医師の診察を受けることができ、泣きいりひきつけのホームケアや予防についての相談も可能です。困ったときにはぜひ活用してみてくださいね。
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