発熱した子どものホームケアは何をすればいい?

子どもの病気


子どもが発熱すると自宅でのケアや過ごし方に悩むこともありますよね。そこでこの記事では、子どもが発熱したときのホームケアについてご紹介します。

子どもは熱を出しやすい!

子どもは免疫力が低いため、大人に比べて熱を出しやすいです。発熱は体がウイルスや細菌などの病原体と闘うための反応なので、基本的には無理に下げる必要はありません。

また乳幼児は平熱が高い傾向があり、37.5℃以上からが発熱とされています。熱があるからといって重い病気というわけではないので、慌てずに落ち着いて対処することが大切です。

発熱した子どものホームケアの方法10選

子どもが発熱したら、次にご紹介するような方法でホームケアを行いましょう。

安静にさせる

発熱すると体力を消耗しやすくなるため、まずは安静にして過ごすことが大切です。いつも以上にしっかり睡眠をとり、なるべく静かに過ごしましょう。回復してきて元気になっても熱がぶり返すことがあるので、しばらくは外出や激しい運動は控えて様子をみてくださいね。

こまめに水分補給を行う

熱が出て汗をかくと体の水分が奪われます。脱水を防ぐために、こまめに水分補給をしましょう。水や麦茶、子ども用のイオン飲料などは、咳や鼻づまりなどの症状を伴うときも飲みやすいのでおすすめです。赤ちゃんはミルクや母乳でも水分補給ができますよ。

熱が出始めたら体を温める

熱が出始めると、血管が収縮して手足が冷えたり悪寒で体が震えたりします。寒がることが多いため、手足をさする、上着を羽織らせる、寝るときは掛け布団を1枚足すなどして体を温めてあげましょう

熱が上がりきったら熱を逃す

熱が上がり切ると体がほてって暑がることが多いので、普段と同じ服装か1枚薄着にして熱を逃がしやすくしましょう。寝ているときは、掛け布団を1枚減らしたり薄手の布団に変えたりしてくださいね。

熱が下がり始めたら体を冷やす

熱が下がり始めると、手足が熱く顔が赤くなり汗ばんできます。子どもが嫌がらなければ、首や脇の下、足のつけ根など太い血管が通っている部分を冷やしてあげると、体が楽になることもあります。汗をかいたときは、こまめに着替えさせてあげましょう

食欲がないときは無理に食べさせない

熱が出ると、胃腸のはたらきが弱まって食欲がなくなることがあります。熱が下がれば食欲も戻る場合がほとんどなので、水分補給ができていれば無理に食べさせる必要はありません

ただし長時間何も食べない状態が続くと胃腸の機能が低下して回復が遅れることもあるため、子どもが食べたがるものや消化がよいものを食べられそうなタイミングで与えるといいでしょう。脂っこいものや繊維質の多いものは胃腸に負担がかかるため避けた方が安心です。

お風呂は無理に入らせない

発熱していて元気がないときや嫌がるときは、無理にお風呂に入る必要はありません。体が汚れたままだとウイルスや細菌が増殖しやすくなるので、かたく絞った蒸しタオルで体を拭くなどして、できるだけ清潔な状態を保つようにしましょう。

子どもが嫌がらず元気であればお風呂に入ってもかまいませんが、発熱時は脱水状態になりやすいため、ぬるめのお湯に短時間つかるようにしましょう。また、お風呂から出た後に湯冷めしないように気をつけてくださいね。

温度・湿度を適切に保つ

発熱している子どもが快適に過ごせるように、夏場は25~28℃、冬場は20~25℃くらいを目安に室温を調整しましょう

発熱とともに咳や喉の痛みがあるときは、空気が乾燥していると症状が悪化することがあります。加湿器を使用したり洗濯物や濡れタオルを室内に干したりして、湿度を40~60%くらいに保つようにしてください

食べていなくても口の中は清潔に

感染症によって発熱しているときは、咳や痰、喉の腫れなどによって口内のウイルスが活発になりやすいです。食事をしていないときでも歯磨きをして口の中を清潔に保つようにしましょう。起き上がるのがつらそうなときは、水で濡らしたガーゼで口の中を拭ってあげてくださいね。

解熱剤は正しく使う

解熱剤を使う場合は、できるだけ医師から処方されたものを正しく使うようにしましょう。市販の解熱剤を使用するときは必ず医師や薬剤師に確認してください。

子どもに解熱剤を使用するのは、体温が38~38.5℃以上で、ぐったりしている、機嫌が悪い、水分が摂れないなどの症状があるときです。また薬によって違いはありますが、一般的に服用間隔は5〜6時間以上、使用回数は1日2〜3回までとされています。熱が下がらないからといって自己判断で追加せず、添付文書などをよく読み、容量用法を守って服用しましょう

こんなときは受診しよう

熱があっても38℃以下で、発熱以外の症状はなく食欲があり、機嫌がよければ、しばらく様子をみてかまいません。

以下のような場合は診療時間内に受診をしてください。

  • 急に高熱が出た
  • 熱が3〜4日以上続いている
  • 咳や嘔吐などほかの症状がみられる
  • 一度受診したが熱が下がらない
  • 発疹が出ている


次のような症状がみられるときは、早急に受診する必要があります。夜間や休日は救急外来を受診しましょう。

  • 水分がとれず尿が半日以上出ていない
  • 呼びかけに反応せず、ぐったりしている
  • 顔や唇の色が悪い
  • けいれんを起こした
  • 呼吸が早く、息苦しそう
  • 嘔吐を繰り返している
  • 呼吸が浅く、小鼻がぴくぴくしている
  • 生後3ヶ月未満で発熱をしている

子どもの発熱はオンライン診療が便利

子どもはよく熱を出すので、その度に病院へ連れて行くのは大変ですよね。また発熱以外に目立った症状がないと、そもそも病院へ行くべきか迷うこともあるかと思います。そんなときは、小児に特化した医療アプリ「キッズドクター」のオンライン診療が便利です。自宅にいながらスマホのビデオ通話で医師の診察を受けることができ、症状に応じたホームケアの方法も教えてもらえます。困ったときはぜひ利用を検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 倉田悟子
日本小児科学会認定小児科専門医。2008年鹿児島大学医学部卒業。久留米大学病院で初期臨床研修終了後、2010年から久留米大学小児科学教室に所属。一般小児科(感染症他・予防接種・乳幼児健診)、小児の腎臓病・泌尿器疾患を専門に診療を行う。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

ホームケア