とびひのときはお風呂に入ってもいいの?お風呂で気をつけることは?

子どもの病気


子どもがとびひになると、お風呂に入っても良いのか、お風呂で他の家族にうつることはないのかなど気になるかと思います。こちらの記事では、とびひになったらお風呂に入っても良いのか、入るときに気をつけることなどをご紹介します。

とびひって何?症状は?

とびひとは正式名称を「伝染性膿痂疹」といい、あせもや虫刺され、湿疹などを引っ掻いてできた傷や転んでできた傷に、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの細菌が感染することで起こる皮膚の病気です。
発疹が全身に火事の飛び火のようにすばやく広がることから、「とびひ」と呼ばれています。

とびひには下記の2種類があります。

水疱性膿痂疹

黄色ブドウ球菌に感染することで起こります。
水ぶくれができて周りが赤くなった後、水ぶくれが破けて皮膚が剥けます。水ぶくれの中から出た液体や、皮膚が剥けて染み出してくる液体によって、症状が広がります。
子どもに多く、初夏から真夏にかけて多発します。

痂皮性膿痂疹

溶血性連鎖球菌に感染することで起こります。
赤く腫れたところに膿が溜まり、破けたところに厚いかさぶたができます。強い痛みを伴い、発熱やリンパの腫れなどが起こることもあります。子どもよりも大人に起こることが多いです。

とびひのときはお風呂に入ってもいいの?

とびひになっていても、お風呂には入ってかまいません。むしろ発熱などの症状がない限り、患部を清潔に保つために毎日お風呂に入るようにしてください
ただし湯船に浸かると雑菌が繁殖して症状が悪化するおそれがあるため、治るまではシャワーで体を洗い流すだけにするのが良いでしょう。

お風呂のお湯を介してでとびひがうつることはありませんが、一緒にお風呂に入ると体が接触してとびひがうつる可能性が高くなるため、きょうだいがいる場合は一緒にお風呂に入るのは避けるようにしましょう。

とびひでお風呂に入るときに気をつけることは?

ここからはとびひでお風呂に入る際に気をつけることをご紹介します。

患部を優しく洗う

とびひは患部を清潔に保つことが大切です。しっかり泡立てた石鹸で患部を刺激しないよう優しく洗い、そっと丁寧に洗い流すようにしてください。

入浴後は患部を保護する

入浴後はしっかり水分を拭き取った後に、患部から出た液体が体の別の場所や他の人に接触しないようにしましょう。軟膏を塗って、触らないようにガーゼなどで覆っておくのが良いですよ。
このとき、密封性の高い絆創膏などは避けたほうが良いでしょう。ガーゼで覆うか、長袖長ズボンなどで患部が外に出ないようにしましょう。

他の人とタオルを共用しない

とびひの症状がある人と同じタオルを使うと、とびひがうつるおそれがあります。家族間でもタオルは共用せず、それぞれ専用のものを使うようにしましょう。

とびひのホームケアで悩んだらチャットで相談

とびひは全身に広がりやすく、他の人にも感染しやすいため、ホームケアで悩むこともあるかもしれませんね。そんなときは子どもの医療アプリ「キッズドクター」が便利です。オンラインで看護師にホームケアについて質問して、アドバイスをもらうことが可能です。チャット形式なので、ケアの際に後から見返すことができますよ。困ったときは利用を検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア