離乳食でも食中毒に注意!予防のポイントや気をつけたい症状、受診の目安は?

食中毒が流行する季節になると、離乳食でも食中毒が起こるのか気になるのではないでしょうか。この記事では、離乳食でも食中毒になるのかや予防するためのポイント、赤ちゃんに食中毒の症状がみられたときの受診目安などをご紹介します。
離乳食でも食中毒になるの?
赤ちゃんは大人と比べて体の抵抗力がまだ十分ではないため、細菌やウイルスによる食中毒にかかりやすいです。また離乳食は水分が多めなので痛みやすい傾向があります。
そのため離乳食の時期は食中毒に十分に気をつけることが大切です。
食中毒を予防する離乳食作りのポイント8選
食中毒を予防するために、離乳食を作るときは次のポイントに注意しましょう。
しっかりと手を洗う
調理前に薬用のハンドソープや石鹸で手を洗いましょう。指先や爪の間、手のひらや甲のしわ、手首までしっかりと洗うことが大切です。洗い終わったら、清潔なタオルやペーパータオルで拭きます。調理中に生肉や魚に触れたときも、その都度、手を洗うようにしましょう。
手指に傷がないか確認する
手指の傷口には、食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌が増殖している可能性があります。その菌が食材に付着するのを防ぐために、手指に傷があるときは絆創膏を貼り、使い捨ての手袋などをしてから調理すると安心です。
調理器具や食器は清潔なものを使う
包丁やまな板、ボウル、鍋などの調理用具や離乳食を盛りつける食器は、常に清潔に保つようにしましょう。包丁やまな板などは、できれば肉用・魚用・野菜用など食材別に使い分けてください。
離乳食用の調理器具や食器は小さくて隅まで洗いにくいものもあるので、定期的にキッチン用の塩素系漂白剤や熱湯で消毒しましょう。
新鮮な食材を使用する
肉や魚、卵、乳製品などは消費期限、野菜や果物などは鮮度を確認し、新鮮なものを使用しましょう。消費期限内であっても、できるだけ早く使い切ることが大切です。
食材の保存方法に気をつける
食中毒菌は10〜50℃の温度帯で増殖しやすくなるため、食品を室温で長時間放置しないようにしてください。要冷蔵・要冷凍の食品は、購入後すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れて保存するようにしましょう。
しっかりと加熱する
基本的にどの食材も加熱するようにしましょう。特に肉や魚はしっかりと加熱してください。食材の中心部分が75度以上の状態で1分以上加熱するのが目安です。中まで十分に火が通っていることを確認してから食べさせましょう。
生食用のものであっても、離乳食のうちは必ず火を通してから食べさせることがポイントです。
作ったものはすぐに食べさせる
離乳食を作ったら、できるだけ早めに食べさせるようにしましょう。また一度赤ちゃんが口をつけた食べ残しは菌が繁殖しやすくなるため、保存せずに廃棄するようにしましょう。
作り置きとして保存する場合は、清潔な容器に入れて粗熱をとったらすぐに冷凍庫に入れましょう。冷凍保存したものもなるべく早く使い切るようにしてください。
作り置きしたものは再加熱する
作り置きをして冷凍保存した離乳食を食べさせるときは、自然解凍ではなく再加熱します。自然解凍をすると、解凍している間に菌が増えやすくなります。必ず電子レンジや鍋などでしっかりと再加熱してから食べさせましょう。熱が全体にいきわたっているか確認してから食べさせることも大切です。
ママやパパに症状があるときは調理を控える
ママやパパに食中毒が疑われる症状(嘔吐や下痢など)があるときは、家庭内感染を広げないために赤ちゃんが食べる食品に直接触れないようにしてください。回復するまで調理は控え、その間はレトルトや作り置きの離乳食を与えるようにしましょう。
離乳食期に特に気をつけたい食材は?
離乳食作りのポイントをしっかり守っていれば家庭での食中毒は予防できることがほとんどですが、次のような食材やメニューには特に注意が必要です。
刺身
前述のように、生食用の食材も離乳食期は必ず加熱してください。生魚を食べると、海水中に生息している腸炎ビブリオ菌やアニサキスなどの寄生虫による食中毒のリスクが高まります。
大人が食べて問題がなくても抵抗力の弱い赤ちゃんは食中毒になる可能性もあるため、ある程度体力がついてくる2〜3歳頃までは刺身は食べさせないようにしましょう。
生野菜
個人差はありますが、離乳食後期になるとトマトやきゅうりなどは生でも食べられるようになります。ただし食中毒の観点でいうと、野菜も加熱したほうが安心です。どうしても生で食べさせたいときは、新鮮な野菜を選び、よく洗ってから与えるようにしましょう。
手づかみで食べるもの
生後9ヶ月頃になると手づかみ食べを始める赤ちゃんもいます。食べ物の固さや温度などがわかる、自分でつかんで口へ運ぶことでスプーンやフォークを使う練習になる、などさまざまなメリットがありますが、汚れた手で食べると食中毒のリスクが高まります。先にお伝えしたように、手には黄色ブドウ球菌がついていることがあり、食中毒の原因になることがあるからです。
手づかみ食べをさせるときは、赤ちゃんの手を洗ったり拭いたりして清潔な状態にしてくださいね。
食中毒の症状や病院受診の目安は?
食中毒の症状は原因菌によって異なりますが、一般的によくあらわれる症状は次のようなものです。
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
これらの症状が同時にあらわれたら食中毒が疑われます。赤ちゃんや小さな子どもはお腹が痛くても訴えることができないため、下痢や嘔吐、発熱の症状から食中毒の疑いをチェックするようにしましょう。
食中毒によってひどい下痢や嘔吐が続くと脱水状態になりやすいため、繰り返す嘔吐や下痢、激しい腹痛などの症状があらわれたら、できるだけすぐに病院を受診しましょう。夜間や休日は救急病院を利用しましょう。
食中毒の原因となる食品に思い当たるものがあれば、病院で伝えてください。
離乳食の相談はオンラインでも
赤ちゃんは抵抗力が弱く自分の症状をうまく伝えることもできないため、食中毒になると心配ですよね。病院を受診した後も、ホームケアの方法やいつから通常の離乳食に戻していいのか迷うことがあるかもしれません。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。看護師と個別チャットで相談できるほか、ケア方法や離乳食再開の目安についてもアドバイスがもらえます。スマホで医師のオンライン診療も受けられるので、困ったときにはぜひ活用してみてくださいね。
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