子どもも注意!秋の花粉症!時期や症状、対処法まとめ

子どもの病気


一般的に花粉症は冬の終わりから春にかけてがピークというイメージがありますが、秋にも症状が出ることがあります。秋に子どもに花粉症の症状が出た場合、どうすればよいのでしょうか。この記事では、子どもの秋の花粉症の時期や症状、対処法などをご紹介します。

花粉症とは?子どももなるの?

花粉症とは、花粉が体内に入ってきたときに、体が花粉を有害なものと勘違いして強い反応を起こしてしまうアレルギーのことです。子どもも花粉症になることがあり、その数は年々増えているといわれています。

一般的に、花粉症は年齢を重ねるほど発症の可能性が高まります。これは、花粉を吸い込んだ期間が長くなるほど体が敏感になり、アレルギーを起こしやすい状態になるからです。そのため子どもの花粉症は、花粉にさらされる機会が多くなる小学生頃から特に増えてきます

ただし近年は花粉症の発症年齢が低年齢化しており、1歳や2歳といった乳幼児期に発症するケースもあります

秋の花粉症はいつからいつまで?

花粉が飛ぶ時期は毎年変わるため違いはありますが、秋の花粉症は8月下旬から11月頃に起こりやすいとされています。どの花粉に反応するかや子どもの体質によっても、症状が出る時期は変わってきます。

花粉症シーズンが近づくとWebサイトやテレビの天気予報などで飛散予想が公開されるため、確認してみてくださいね。

秋の花粉症の原因は?

秋に飛散のピークを迎える花粉にはブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどがあり、主にこれらが秋の花粉症の原因となります。また春に大量に飛散するスギやヒノキが10〜11月にわずかに飛散し、軽い症状を引き起こすこともあります。

秋の花粉症の症状は?

秋の花粉症の症状は基本的に春の花粉症と同じで、次のようなものがあります。

  • 鼻水、鼻づまり
  • くしゃみ
  • 目のかゆみ、充血
  • 喉のかゆみや不快感
  • 肌荒れ など


前述のブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどは春の花粉と比べて粒子が小さく、気道まで入りやすい傾向があります。気管支に入り込むと、喘息のような症状を引き起こすこともあるため注意が必要です。

秋の花粉症の受診目安と治療方法

子どもに秋の花粉症を疑う症状が出ても、症状が軽ければしばらく様子を見たり、薬剤師に相談して年齢に合った市販薬を使ったりしてもかまいません。

ただし症状のせいで遊びや勉強に集中できない場合や夜なかなか寝付けない場合など、日常生活に支障をきたすときは、病院を受診するのがいいでしょう。花粉症を放置すると中耳炎や副鼻腔炎を合併することもあるため、早めの受診が大切です。

子どもの花粉症で病院に行くときは、まずは小児科を受診するのがおすすめです。子どもは症状をうまく伝えられないため、本当に花粉症なのか他の病気なのかが見分けにくいことがありますが、小児科なら幅広い観点で診察してもらえます。

秋の花粉症の治療法は基本的に春の花粉症と同じで、次のようなものがあります。

薬物療法

一般的に子どもの花粉症では、まず内服薬や点眼薬、点鼻薬などで症状を緩和する薬物療法を行います。花粉の飛散が始まる2週間ほど前から薬物療法を開始すると特に効果が期待できるとされています。

なお花粉症の治療には、原因物質を皮下や舌下から少しずつ体内に入れてアレルギー反応を弱めていくアレルゲン免疫療法(舌下治療)もありますが、日本で現在行えるのはスギ花粉とダニに限られています。秋の花粉に対する免疫療法は日本では未承認のため、秋の花粉症治療はは薬物療法が中心となります。

手術療法

花粉症による鼻づまりがひどい子どもには、鼻の粘膜を部分的に切除する手術療法が行われます。レーザー手術は出血がなく入院の必要もないため比較的簡単に行えますが、症状が再発することもあります

子どもにできる秋の花粉症対策

花粉症は治療を受けても症状をすべて抑えるのは難しいことも多いので、花粉シーズンは日頃から次のような対策やケアをすることも大切です。

花粉を避けて外出する

花粉症の症状を和らげるためには、体の中に入る花粉を少なくすることがポイントです。そのため、晴れた日や風が強い日、雨の日の翌日など花粉の飛散量が多くなる日は、できるだけ外出を控えるか短時間にとどめるのがおすすめです。外出する場合はマスクやメガネを着用し、花粉がつきにくいツルツルした生地の服を選ぶなどの対策も行えると良いでしょう。

外出前に、Webサイトやテレビで花粉の飛散状況を確認すると安心ですよ。

花粉を室内に入れないようにする

外出をしないようにしていても、家の中に花粉が持ち込まれると体内にも花粉が入ってしまいます。秋の花粉の飛散量が多い日は子どもだけでなく同居する家族も次のことに気をつけて、できるだけ花粉を室内に入れないようにしましょう。

  • 洗濯物は部屋干しにする
  • 窓やドアを開けての換気は最小限にする
  • 外から帰ってきたら家に入る前に花粉を払い落とす
  • 帰宅後はすぐに手や顔を洗い、可能であればうがいもする

加湿する

空気が乾燥していると鼻の粘膜のバリア機能が低下するため、花粉症の子どもは症状が悪化しやすくなります。加湿器やマスクを使って鼻の粘膜の乾燥を防ぎましょう。

空気清浄機を使用する

空気清浄機を使うと、室内の空気中の花粉の飛散を抑えられます。ただ、床に落ちた花粉は空気清浄機では取り切れないため、濡れた雑巾やウェットシートで定期的に床掃除を行うとより効果的です。

子どもの花粉症治療はオンライン診療で

秋の子どもの花粉症は早めの適切な治療で症状を軽減することができます。しかし花粉が多く飛んでるときに病院へ通うのは負担が大きいこともあるかもしれません。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。自宅にいながらスマホで医師の診察を受けることができ、花粉症についての相談も可能です。医師が必要と判断した場合には薬も処方されるので、困ったときにはぜひ活用してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 三宅優一郎
日本外科学会認定外科専門医、日本小児外科学会認定小児外科専門医。初期研修終了後、順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科に入局。大学病院やこども病院で研修。カナダで横隔膜ヘルニアの胎児治療の研究にも従事。専門は小児外科疾患。2児の父。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア