インフルエンザの子どもの看病のポイント6選

子どもの病気


子どもがインフルエンザにかかると、高熱でつらそうだったり食欲がなくなったりするため「どう看病すればいいんだろう?」「このままで大丈夫かな?」と心配になりますよね。そこでこの記事では、子どもがインフルエンザにかかったときの看病のポイントや注意点をご紹介します。

子どものインフルエンザの症状は?

子どもがインフルエンザに感染すると、一般的に以下のような症状が表れます。

  • 38℃以上の急な発熱
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 筋肉痛、関節痛
  • 鼻水
  • 喉の痛み
  • 下痢、嘔吐、腹痛


とくに、症状がない状態から急に38℃以上の高熱が出る点が風邪とは異なります。

インフルエンザの子どもを看病するときのポイント6選!

子どもがインフルエンザに感染したときも、基本的な看病の方法は風邪のときと同じです。看病のポイントをまとめたので、以下を参考にしてみてください。

看病のポイント1
こまめに水分補給を行う

高熱が出ると大量に汗をかいて脱水を起こしやすくなるので、こまめに水分補給を行いましょう。脱水を予防するときは塩分も摂取しなければならないので、水やお茶ではなくスポーツドリンクがおすすめです。

看病のポイント2
食事は無理にとらせない

子どもがインフルエンザにかかると、食欲がなくなり何も食べてくれなくなることがあります。「栄養不足にならないかな?」と心配になりますが、無理に食事をとらせる必要はありません。アイスクリームやゼリーなどでもかまわないので、子どもが食べたがるものを好きなタイミングで食べさせてあげてください。

看病のポイント3
発熱時はお風呂を控える

お風呂に入ると体力が奪われるため、発熱しているときは入浴を控えましょう。ただ、汗をかいたままだと肌が荒れたり体が冷えたりすることがあるので、適度に体を拭いて着替えさせてあげてくださいね。

看病のポイント4
インフルエンザ治療薬の服用方法を守る

インフルエンザ治療薬には、発熱期間を1~2日短くしたり重症化を予防したりする効果があります。ただ、以下の服用方法を守らないと十分な効果が期待できません。

  • 発熱後48時間以内に服用する
  • 途中で服用を止めない


熱が下がったからと途中で服用を止めると、再度発熱することがあります。処方された薬は指示された通りに飲み切らせるようにしましょう。

看病のポイント5
部屋の温度と湿度を整える

子どもが快適に過ごせるように部屋の温度は20℃前後、湿度は50~60%を保つようにしましょう。高温多湿の環境だとインフルエンザウイルスが増えにくくなるため、感染対策としても効果的です。

看病のポイント6
家庭内で感染が広がらないように対策する

子どもの看病をするときは、ママ・パパ自身が感染しないようにしっかり対策を行いましょう。マスクの着用や手洗い、アルコール消毒、こまめな換気などの感染対策が有効です。詳しい対策は下の記事にまとめているので、参考にしてみてくださいね。

インフルエンザの看病での注意点

子どもがインフルエンザに感染すると、まれに重症化したり異常行動を起こしたりすることがあり、注意が必要です。ここからはインフルエンザの看病での注意点をご紹介します。

看病の注意点1
異常行動に注意する

子どもがインフルエンザに感染すると、ごくまれに以下のような異常行動を起こすことがあります。

  • 泣きながら歩き回る
  • 意味不明なことを言う
  • 突然走り出す


これらの異常行動はインフルエンザ治療薬の種類や服薬の有無に関係なく、発熱後 2日以内に起こることが多いとわかっています。発熱後2日間はとくに目を離さないように注意しましょう。

また転落などの事故を防止するために、玄関や窓を施錠する、1階の部屋で寝かせる、といった対策をとることも大切です。

看病の注意点2
合併症に注意する

子どもがインフルエンザに感染すると、まれに急性脳症や心筋炎、肺炎などを合併することがあります。以下の症状がみられるときは合併症を起こしているおそれがあるので、すぐに病院を受診してください。

  • 呼吸が速く息苦しそうにしている
  • けいれんを起こした
  • 視線があわない
  • 意味不明な言動や行動が見られる
  • 顔や唇の色が悪い
  • 高熱が5日以上続いている


看病の注意点3
脱水に注意する

高熱が続いて大量に汗をかいたり、下痢・嘔吐を繰り返したりすると、脱水を起こしやすくなります。以下は脱水を起こしたときに見られる症状の一例です。当てはまるものがあるときはすぐに病院を受診してください。

  • おしっこがほとんど出ていない
  • 泣いても涙が出ない
  • 唇や口の中が渇いている
  • 汗をかかない
  • 元気がなくぐったりしている


看病の注意点4
解熱剤の種類に注意する

子どものインフルエンザでは使用できる解熱剤が決まっています。以下のものは急性脳炎などを引きおこすおそれがあるため使用しないようにしましょう。別の疾患の治療のために内服している場合は、主治医に相談するようにしてください

  • サリチル酸系(アスピリン)
  • ジクロフェナクナトリウム
  • メフェナム酸


市販薬の使用は避け、病院で指示された解熱剤を使用するようにしましょう。

子どもがインフルエンザになったら、看病はどれくらい続く?

厚生労働省では、子どもがインフルエンザにかかったときの出席停止期間を「発症後5日経過し、かつ解熱後2日(乳幼児は3日)経過していること」としています。これを基準に自宅療養期間を考えると、3〜5日で解熱したとして、看病の目安は5~7日ほどです。

インフルエンザの看病方法で悩んだときは

記事の通りに看病していても「本当にこの方法で大丈夫なのかな?」「もう一度受診したほうがいいのかな?」と不安になることもあるかと思います。そんなときは子どもの医療アプリ「キッズドクター」がおすすめです。個別のチャットで看護師に相談でき、自分の子どもに合わせた看病のポイントや受診の目安などのアドバイスがもらえます。相談は無料なので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア