子どもが結膜炎になったときの対処法
子どもが結膜炎になると、どのように対応したらいいのか迷うこともあるかと思います。この記事では、子どもが結膜炎になったときの対処法をまとめました。
子どもの結膜炎の原因はさまざま
子どもの結膜炎の原因はさまざまで、どんな症状があらわれるか、感染性はあるかどうかなど、それぞれ異なります。感染性があるのはウイルスによって引き起こされる結膜炎(ウイルス性結膜炎)で、代表的なものはプール熱(咽頭結膜熱)、はやり目(流行性角結膜炎)、急性出血性結膜炎です。
細菌によって引き起こされる結膜炎(細菌性結膜炎)やアレルギーによって起こる結膜炎(アレルギー性結膜炎)は感染性はほとんどなく、基本的にはうつりません。
子どもが結膜炎になったときの対処法
ここからは、子どもが結膜炎になったときの対処法をご紹介します。
早めに病院を受診する
子どもが結膜炎になったときは、原因にあわせて適切にケアや治療を行うことが大切です。特にウイルス性結膜炎は、保育園・幼稚園や学校の出席停止期間が定められています。受診しないまま登園・登校すると感染を広げてしまうおそれもあるので、結膜炎を疑う症状があらわれたときは早めに小児科や眼科を受診してください。
発熱や喉の痛みなど目以外にも症状があるときは、幅広い観点で診察してもらえる小児科がいいでしょう。目の症状だけであれば眼科を受診しても問題ありません。ただ年齢が低いうちはまだ自分の症状をうまく伝えられないため、子どもの専門家である小児科医に診てもらうとより安心です。
処方された点眼薬を使用する
結膜炎は適切にケアをすれば自然に治ることも多い病気ですが、症状や原因によっては点眼薬が処方されることがあります。点眼薬は用法用量を守って正しく使用しましょう。
目やには優しく拭き取る
目やには、ぬるま湯で濡らしたガーゼやタオルなどで、目頭から目尻のほうに向かって優しく拭き取りましょう。使用したガーゼやタオルは、感染を広げないためにビニール袋に入れて捨ててください。その後、石鹸でしっかりと手を洗いましょう。
爪を短く切る
子どもは目やにが気になったり痒みを感じたりして、目や目の周りを掻きむしってしまうことがあります。できるだけ目を傷付けないようにするために、爪は短く切っておきましょう。
ウイルス性結膜炎の場合は感染対策をする
先にもご説明したとおりウイルス性結膜炎には感染性があるので、家庭内でも感染が広がりやすいです。下記のような感染対策を行いましょう。
食器やタオルを共有しない
ウイルス性結膜炎は、食器やタオルを共有することでもうつることがあります。普段から食器やタオルは家族で共有せず、一人ひとり別のものを用意しておくと安心です。
石鹸で手を洗う
手についたウイルスを洗い流すために、帰宅時や食事前、トイレの後、子どものおむつを替えたりお尻を拭いたりした後など、こまめに手を洗うようにしましょう。また子どもが目を触った後もすぐに手を洗わせるようにしてください。ウイルス性結膜炎の場合、アルコールでの手指の消毒はほとんど効果がありません。
よく触る場所をこまめに消毒する
ドアノブや電気のスイッチ、リモコン、テーブルなど、家族がよく触る場所にはウイルスが付着しやすいです。塩素系漂白剤(キッチンハイターやブリーチなど)を約0.05%の濃度に薄めて作った消毒液で、こまめに消毒しましょう。消毒液は、2Lのペットボトルにキャップ4杯(約20ml)の塩素系漂白剤を入れ、水を加えて全部で2Lになるようにすれば簡単に作ることができます。
感染した子どもは家族の最後に入浴する
感染した子どもの後に他の家族が入浴すると、ウイルス性結膜炎がうつる可能性があります。ウイルス性結膜炎の子どもは他の家族がお風呂に入った後に入浴するか、シャワーだけで済ませるようにしましょう。
熱がある場合は水分補給をしながら安静にする
ウイルス性結膜炎では発熱を伴うこともあります。熱がある場合は前述の対処法とあわせて、下記のケアを行いましょう。
こまめに水分補給をする
熱があると汗をかいて普段よりも脱水を起こしやすくなるため、こまめな水分補給が大切です。子どもが飲めるものなら基本的に何を飲ませてもかまいません。喉の痛みがある場合は、刺激が少ない麦茶や湯冷まし、子ども用のイオン飲料などを、スプーンやストローで少しずつ与えてみましょう。
温度調節をしながら安静にする
発熱時は体力を消耗しやすいので、なるべく安静にして過ごすようにしましょう。プール熱(咽頭結膜熱)では、熱が上がったり下がったりすることがあるので、体温に合わせて室温や衣服を調整してあげてください。
アレルギー性結膜炎の場合はアレルゲン対策をする
アレルギー性結膜炎の場合は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)との接触をできるだけ避けることが大切です。下記のような対処を行いましょう。
花粉がアレルゲンの場合
- 家に入る前に髪や服についた花粉を落とす
- 帰宅後は手や顔を洗う
- 花粉の飛散量が多い日は洗濯物を室内に干す
- 空気清浄機を使う
- 濡らした雑巾で床を拭く
ダニやハウスダストがアレルゲンの場合
- 長時間過ごすリビングや寝室をこまめに掃除する
- 寝具やソファカバーなどを定期的に洗濯をする
- 部屋に布製品をなるべく置かない
- 部屋の環境を整える(室温:夏期は外気より4〜5℃低いぐらい、冬期は20~25℃ほど/湿度:50%前後)
- こまめに換気をする
子どもの結膜炎の受診はオンラインでも
子どもの結膜炎は重症化することはほとんどないものの、いろいろな症状があらわれるのでホームケア中に不安になることもあるかもしれません。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。チャットで看護師に相談したり、ビデオ通話でオンライン診療を受けたりすることができますよ。夜間や休日も利用できるので、困ったときは検討してみてくださいね。