赤ちゃんが風邪や体調不良のときの離乳食はどうする?

子どもの病気


離乳食の時期に赤ちゃんが風邪を引いたり体調を崩したりすると、いつも通り食べさせていいのか迷うこともあるかと思います。そこでこの記事では、風邪や体調不良のときに離乳食を食べさせてもいいのか、食欲がないときの対処法、症状別の離乳食のポイントなどをご紹介します。

赤ちゃんが体調を崩したとき、離乳食はどうする?

赤ちゃんが体調を崩しても食欲があれば、基本的にいつも通り離乳食を食べさせてかまいません。ただし消化機能が低下しやすいので、できるだけ消化がよく喉ごしのよいメニューを心がけてください。
また体調不良のときはアレルギーが出やすくなる可能性もあるため、初めての食材を試すことは避けたほうが安心でしょう。

症状別!離乳食のポイントや注意点

ここからは風邪や体調不良のときの離乳食について、症状別にポイントや注意点をご説明します。

発熱

発熱によって汗をかくため、水分と塩分を補えるメニューにしましょう。野菜スープや薄めた味噌汁などがおすすめです。
体力が低下して普段通りに噛んだり飲み込んだりするのが難しくなることもあるため、主食はやわらかく茹でたうどんやおかゆなどがいいでしょう。

咳・喉の痛み

喉が敏感になりやすいため、口あたりや喉ごしがよい食事を与えるようにしましょう。野菜スープや薄めた味噌汁、やわらかいうどん、おかゆなどがおすすめです。塩分や酸味が多いものや熱いものは喉を刺激するため避けてください。
咳を繰り返すときは食べてむせることがあるため、いつもより一口量を少なめにして様子を見ながらゆっくり食べさせましょう。

下痢

下痢を繰り返すと水分が失われやすいため、まずは水分補給をしっかりしてください。食欲がない場合は無理に食べさせる必要はありませんが、水分さえ摂れないような場合は早めに病院を受診してください。食欲があるようなら、消化のよい食材をやわらかく調理して少しずつ与えるようにしましょう。

冷えや食べ過ぎが原因の下痢は胃腸炎や食中毒に比べると症状が軽いことが多いですが、一旦いつもの離乳食はやめ、温かくて消化のよいものを少量ずつ食べさせるようにしてください。症状がおさまってきたら、様子を見ながら徐々に普段の離乳食に戻してかまいません。

嘔吐

嘔吐がおさまるまで離乳食は食べさせないようにしましょう。嘔吐直後は水分を摂ってもまた吐いてしまうことがあるため、まずは30分ほど胃を休ませてください。そのあと様子を見ながらティースプーン1杯程度の水分を摂らせます。5〜10分おきに少量ずつをこまめに与えることがポイントです。
少量の水分を何度か与えても嘔吐が起こらなければ、徐々に水分量を増やしていきましょう。なかなか水分を摂れないときや何度も吐き戻してしまうときは、早めに病院を受診してください。

嘔吐がおさまってきて食欲があれば、やわらかく煮込んだ野菜のスープや薄めた味噌汁、やわらかいうどん、おかゆなどを少しずつ食べさせてください。再び嘔吐したり食べるのを嫌がったりしたときは無理に与えず、水分補給をしましょう。

便秘

赤ちゃんは便秘が原因でお腹を痛がる、食欲がなくなるといった体調不良がみられることもあります。普段より水分を多く含んだ献立にする、食物繊維の多いサツマイモや腸内環境を整えるヨーグルトを使って調理するなど、便秘解消につながる離乳食を与えるといいでしょう。

なお、離乳食を開始してしばらくは便秘になりやすい赤ちゃんもいます。母乳やミルクから離乳食に移ったことで水分摂取量が減った、初めて食べる食材で消化が追いつかないといった理由からなので元気があれば離乳食を続けて問題ありませんが、便秘が長引くときは受診しましょう。

体調不良で食欲がないときの対処法は?

赤ちゃんが風邪や体調不良で食欲がないときは、無理に食べさせる必要はありません。栄養面が気になるかもしれませんが、風邪や体調不良が治れば食欲も自然と戻る場合がほとんどです。ただし食欲がないときでも水分補給は必ず行うようにしてください。授乳を続けている場合は母乳やミルクを、そうでない場合は白湯や麦茶、市販の乳児用イオン飲料など赤ちゃんが飲めるものを飲ませましょう。

食欲が戻ってきても急にいつもと同じ離乳食を食べさせることはせず、消化がよい食材や、いつもよりやわらかく調理したものを与えることが大切です。離乳食のステップを一つ前の段階に戻すイメージを心がけるといいでしょう。

離乳食の相談はオンラインでも

離乳食が順調に進んでいるときに赤ちゃんが風邪や体調不良を起こすと、このまま食べさせてもいいのか悩むこともあるかもしれません。また食欲がないときは、栄養は足りるのか、どんなものなら食べてくれるのかと考えてしまいますよね。
そんなときは、子どもの医療に特化したアプリキッズドクターが便利です。看護師と個別チャットでやりとりでき、風邪や体調不良のときの離乳食の与え方や適したメニューについてアドバイスをもらえます。高熱が続いている、下痢・嘔吐をしているなど心配な症状があるときは自宅にいながらスマホで医師のオンライン診療を受診することもできるので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 三宅優一郎
日本外科学会認定外科専門医、日本小児外科学会認定小児外科専門医。初期研修終了後、順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科に入局。大学病院やこども病院で研修。カナダで横隔膜ヘルニアの胎児治療の研究にも従事。専門は小児外科疾患。2児の父。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

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