おもちゃの消毒方法は?アルコールと次亜塩素酸の使い分け方は?

子どもの病気


赤ちゃんや子どもが頻繁に遊ぶおもちゃは定期的に消毒をすると安心です。しかし、どんな方法で消毒すればよいのか迷うこともあるのではないでしょうか。そこでこの記事では、おもちゃの消毒方法について詳しくご紹介します。

赤ちゃん・子どものおもちゃに消毒は必要?

赤ちゃんや子どもが細菌やウイルスに感染しないように、適切な頻度でおもちゃを消毒することは必要です

赤ちゃんはお腹の中にいるときに胎盤を通してママから抗体をもらって生まれてきます。しかしその効果は生後6ヶ月頃から徐々に薄れていき、それと同時に細菌やウイルスへの抵抗力が弱まります。この時期の赤ちゃんは何でも口に入れるため、おもちゃを舐めたり噛んだりすることで細菌やウイルスに感染するリスクがあります。

また、おもちゃを口に直接入れなくても、細菌やウイルスが付着したおもちゃを触り、そのまま手指を口に入れることで感染するケースもあります。

おもちゃを家の外に持って行ったり、ほかの子どもに貸したりしたときは特に細菌やウイルスが付着しやすくなるため、しっかりと消毒しましょう。

さらに子どもが感染症にかかったときは、舐めたり触ったりしたおもちゃから家庭内に感染が広がる可能性があるため、こまめな消毒を心がけましょう。

おもちゃの消毒はアルコール・次亜塩素酸どちらがいい?

おもちゃを消毒する際は、種類や使い方に応じてアルコールと次亜塩素酸ナトリウムを使い分けることが大切です。またアルコールや次亜塩素酸を使用する際は、安全のための注意点を守るようにしましょう。

アルコール消毒が向いているおもちゃ

アルコールはインフルエンザウイルスや新型コロナウイルス、一部の細菌などの消毒に有効です。公園や児童館などへ持って行ったおもちゃや、インフルエンザや新型コロナウイルスが流行っている時期に子どもが頻繁に触れるおもちゃは、アルコールで消毒するといいでしょう。

木製のおもちゃや大型遊具など水で洗えないおもちゃの消毒にもアルコールは適しています。

アルコール消毒は換気がよい場所で行い、火気の近くでは使わないようにしてください。

次亜塩素酸の消毒が向いているおもちゃ

次亜塩素酸は、ノロウイルスやロタウイルス、食中毒の原因となる細菌、カビなどに有効です。赤ちゃんがよく口に入れるおもちゃをはじめ、ノロウイルスやロタウイルスに感染した子どもが触れたおもちゃは、次亜塩素酸ナトリウムが含まれる消毒剤を薄めたもので消毒しましょう。お風呂で使うおもちゃのカビの除菌や繁殖抑制にも効果が期待できます。

次亜塩素酸でおもちゃを消毒する際はゴム手袋を着用し、換気をしてください。消毒後は十分に水ですすいでください。

おもちゃの消毒方法!

ここからは、おもちゃの使い方や種類、遊ぶ状況などにわけておもちゃの消毒方法を具体的にご紹介していきます。

赤ちゃんが頻繁に口に入れるおもちゃ

次亜塩素酸ナトリウムが含まれる家庭用の塩素系漂白剤(ハイター、キッチンハイター、ブリーチなど)を約0.02%濃度にした消毒液で、おもちゃを拭き取ったり浸けおきしたりしましょう。浸けおき時間は10分以上が目安です。前述の通り、消毒後は水でしっかりすすいでください。

塩素系漂白剤で約0.02%の消毒液を作る方法


  1. 空のペットボトル2Lにキャップ2杯(約10ml)の塩素系漂白剤を入れる
  2. そこへ水を加えて、全部で2Lになるようにする
  3. ふたをしっかり閉めて、よく振って混ぜ合わせる


哺乳瓶の消毒に使われる「ミルトン」や「ピジョン ミルクポン」なども主成分は次亜塩素酸ナトリウムです。パッケージや説明書に記載された適切な濃度に薄めれば、赤ちゃんが口に入れるおもちゃの消毒に使えますよ。

洗えないおもちゃ(木製や大型のおもちゃなど)

エタノール濃度が70〜95%のアルコール消毒液をペーパータオルなどに含ませて、おもちゃを拭き取ります。簡単に消毒できる市販のアルコールスプレーやアルコールウェットティッシュを使うのもいいでしょう。

アルコール消毒液は比較的すぐに乾きますが、乾く前に赤ちゃんが舐めると微量のアルコールを摂取してしまうおそれもあるため、おもちゃが完全に乾いてから遊ばせるようにしてください。

塗装された木のおもちゃはアルコール消毒で色落ちや変色することがあるので気をつけましょう。

感染症にかかった子どもが触れたおもちゃ

インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスに感染した子どもが触ったおもちゃは、アルコール消毒をしましょう。ノロウイルスやロタウイルスに感染した子どもが触れたおもちゃは、次亜塩素酸ナトリウムが含まれる消毒剤を薄めたもので消毒してください。

次亜塩素酸ナトリウムは、アルコール消毒では効果が弱い細菌やウイルスにも有効です。子どもが何の細菌やウイルスに感染しているかわからないときは、次亜塩素酸ナトリウムが含まれる消毒剤を薄めて消毒するといいでしょう。

お風呂で使うおもちゃ

お風呂で遊ぶおもちゃは、カビの除菌や繁殖を抑えるために次亜塩素酸で消毒しましょう。赤ちゃんが口に入れるおもちゃの消毒方法と同じように、次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用の塩素系漂白剤(ハイター、キッチンハイター、ブリーチなど)を使用し、約0.02%濃度の消毒液で拭き取りや浸けおきを行います。浸けおきの目安は10分以上で、消毒後はしっかりすすいでください。

約0.02%濃度の消毒液の作り方は前述の方法を参考にしてみてくださいね。

ぬいぐるみや布製のおもちゃ

ぬいぐるみは消毒ではなく、洗剤を使って洗うことで除菌効果が期待できます。小さめのぬいぐるみは、自宅で中性洗剤やぬいぐるみ専用の洗剤を使い、やさしく押し洗いしましょう。しっかりすすいだらタオルに包み、洗濯ネットに入れて洗濯機の脱水モードで軽く脱水し、最後に形を整えて干します。

大きめのぬいぐるみは中までしっかり乾かすのが難しいので、クリーニング店に出すとよいでしょう。

布製のおもちゃも、洗える場合は水洗いしましょう。手洗いが推奨されているもの、洗濯ネットに入れれば洗濯機で洗えるもの、中性洗剤を使用するものなど、おもちゃによって洗い方が異なるため、洗濯タグをよくチェックすることが大切です。

水洗いができない布製のおもちゃは、天日干しをしたり、布用の除菌スプレーを使ったりしましょう。

育児の疑問はオンラインで相談を

おもちゃの消毒は、赤ちゃん・子どもの年齢や遊び方などによって方法や頻度が変わってきます。「このおもちゃはどうやって消毒したらいいの?」「公園に持っていく度に消毒が必要?」など疑問を感じたときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」がおすすめです。看護師と個別チャットでやり取りでき、おもちゃの消毒など育児中のちょっとした疑問や悩みの相談もできますよ。夜間や休日も利用できるので、困ったときはぜひ検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

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