「乳児脂漏性皮膚炎」の原因や治し方、家庭でのケア方法を解説

子どもの病気


赤ちゃんの顔や頭部に黄色っぽいかさぶたやフケのようなものがみられたら「乳児脂漏性(しろうせい)皮膚炎」かもしれません。この記事では、乳児脂漏性皮膚炎の原因や治し方、ホームケア方法などをご紹介します。

「乳児脂漏性皮膚炎」とは?特徴的な症状

乳児脂漏性皮膚炎は赤ちゃんによくみられる皮膚トラブルです。頭皮、生え際、眉毛や眉間、鼻のまわり、耳の後ろ、首、わきの下など、皮脂の多い部分に次のような特徴的な症状があらわれます。

  • 黄色っぽいかさぶたのようなもの
  • 白いフケのようなカサカサ
  • 赤みやブツブツ
  • ベタついた湿疹 など


乳児期によくある一時的な皮膚炎で、かゆみは比較的少なく、適切なケアをすれば自然に落ち着いていくケースが多いです。

乳児脂漏性皮膚炎の原因

乳児脂漏性皮膚炎の原因には、赤ちゃんの時期ならではの特徴などが関係していると考えられています。

皮脂の分泌が多い

生まれたばかりの赤ちゃんは、ママから受け取ったホルモンの影響で、皮脂が一時的に多く分泌されます。この皮脂が刺激となり、湿疹やかさぶたにつながることがあります。

常在菌(マラセチア)の影響

赤ちゃんの時期は皮脂が多いため「マラセチア」という常在菌が増えやすく、炎症に関与していると考えられています。
なおマラセチアは赤ちゃんだけでなく誰にでも存在する常在菌で、特別な感染症ではありません。

肌のバリア機能が発達途中

赤ちゃんの肌はまだ発達途中で、外からの刺激に弱い状態です。そのため汗や汚れ、摩擦、蒸れなどの刺激を受けやすく、炎症が起こりやすくなります。

また国立成育医療研究センターの研究によると、乳児脂漏性皮膚炎を発症した赤ちゃんは、生まれたときの肌の表面(角層)に含まれるセラミドやコレステロールといった脂質成分が、発症しなかった赤ちゃんに比べて少ない傾向があることがわかっています。
セラミドやコレステロールは肌のうるおいを保つ成分であるため、こうした肌バリア機能の未熟さも発症に関係している可能性があると考えられています。

乳児脂漏性皮膚炎はいつからいつまで起こる?

そもそも乳児脂漏性皮膚炎は必ず起こるわけではなく、一般的に赤ちゃんの約3分の1にみられるといわれています。

起こる時期にも個人差が大きく、早いと生後2週頃から発症します。発症して比較的すぐ治る場合もあれば、しばらく続く場合もありますが、生後8ヶ月頃までには落ち着くことがほとんどです。

乳児脂漏性皮膚炎の治し方・使用される薬

乳児脂漏性皮膚炎は、のちにご紹介するケアを適切に行うことで自然に改善していくことが多いです。
ただしケアをしてもなかなか改善しない場合や、次のような症状がみられる場合は、小児科や皮膚科を受診してください。

  • 症状がどんどん広がっている
  • ジュクジュクしている
  • 出血している
  • 強くかゆがる
  • 1〜2週間ほどホームケアを続けても改善しない
  • 膿や水ぶくれがある
  • アトピー性皮膚炎など他の病気との区別がつかない


受診すると、症状に応じてステロイドの塗り薬や、真菌の増殖を抑える薬が処方されることもあります。どちらも赤ちゃんの症状や部位に合わせて適切に使用することで、炎症を抑える効果が期待できます。
自己判断で市販の薬を使うのは避けてください。医師に処方された薬を、用法・用量を守って正しく使いましょう。

また前述のような症状がみられなくても気になることがある場合は、かかりつけの小児科などを受診してかまいません

乳児脂漏性皮膚炎の家庭でのケア方法

乳児脂漏性皮膚炎のホームケアでは、「清潔にすること」と「刺激を減らすこと」が大切です。次の方法を参考にケアしてみてください。

低刺激のベビーソープでやさしく洗う

頭皮や顔に皮脂がたまると炎症を起こす原因となりやすいため、沐浴や入浴のときにベビーソープをしっかり泡立て、やさしく洗いましょう。ゴシゴシこすると刺激になるため、指の腹を使ってなでるように洗うのがポイントです。

石鹸の残りかすも悪化の原因になるので、しっかりすすぎましょう。特にしわの間には汚れや石鹸の残りかすがたまるので、しわは伸ばして洗いましょう。

洗った後は保湿する

やさしく洗った後は、保湿剤で肌のうるおいを保つことが大切です。赤ちゃんの肌は乾燥しやすく刺激にも弱いため、保湿によって肌バリアをサポートすることで、肌トラブルの悪化予防につながります。

頭皮のかさぶたはやさしくふやかして落とす

頭皮にこびりついた黄色いかさぶたは、無理にはがそうとすると皮膚を傷つけてしまいます。入浴の数十分前にベビーオイルやワセリンを塗ってふやかしておき、入浴時にベビーソープを使ってやさしく洗い流しましょう。
一度にすべて取ろうとせず、数日かけて少しずつ取り除いていくのがポイントです。

汗や蒸れを防ぐ

汗や蒸れは皮膚への刺激になりやすいため、汗をかいたらこまめに拭く、通気性のよい衣類や寝具を選ぶといったことも意識しましょう。

蒸れにくい環境に整えるため、室温は夏場は26~28℃、冬場は20~23℃くらいを目安にしてください。湿度は60%前後に保つようにし、なるべく60%を超えないようにしましょう。

乳児脂漏性皮膚炎を予防するには?

乳児脂漏性皮膚炎は、赤ちゃん特有の体質が関係しているため、完全に予防することは難しいとされています。
ただし日頃から肌を清潔に保ち、刺激を減らすことで、症状の悪化を防ぎやすくなります。次のスキンケアを日常的に続けましょう。

  • 毎日入浴する
  • 顔や頭をベビーソープでやさしく洗い、しっかり洗い流す
  • 保湿して肌のうるおいを保つ
  • 汗や蒸れを防ぐ

乳児脂漏性皮膚炎の相談はオンラインでも

赤ちゃんに乳児脂漏性皮膚炎の症状がみられると心配になるかもしれませんが、成長とともに改善していくことがほとんどです。ただし炎症が長く続く場合や少しでも心配なことがある場合は、早めに一度受診しておくと安心です。
子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」なら、自宅にいながらスマホで医師の診察を受けることができ、乳児脂漏性皮膚炎についての相談も可能です。困ったときにはぜひ活用してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア

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