子どもが夏を健康で元気に過ごすために気をつけることまとめ

子どもの病気


夏は子どもにとっても楽しい季節ですが、体調管理や事故には注意が必要です。この記事では、子どもが夏を健康で元気に過ごすために気をつけることをまとめました。

夏に子どもが気をつけたいこと①感染症

夏は、下記のような感染症が保育園や幼稚園、小学校などを中心に流行しやすくなります。

  • 手足口病
  • ヘルパンギーナ
  • 咽頭結膜熱(プール熱)
  • 流行性角結膜炎(はやり目)
  • RSウイルス感染症
  • 伝染性膿痂疹(とびひ)など


これらは感染しても軽症で済む場合がほとんどですが、感染力が強いためしっかり感染対策を行い、症状が出たら早めに受診しましょう。

夏に感染症にかからないために気をつけるポイント

石鹸でこまめに手を洗う

感染対策の基本は、石鹸での手洗いです。帰宅後や食事前、トイレの後などに石鹸で手を洗うようにしましょう。指や爪の間など洗いづらいところも念入りに洗い、水でしっかり流すことが大切です。手洗い後は、清潔なタオルやペーパータオルで水気を拭き取りましょう。

食器やタオルを分ける

タオルや食器にはウイルスが付着しやすく、共有することで感染が広がるおそれがあります。できれば普段からタオルや食器を家族で共有するのは避け、ひとりひとり別のものを用意しておくのが安心です。

規則正しい生活を送る

夏は暑さで体力を消耗するため、免疫力が低下することがあります。規則正しい生活を送って免疫力を高め、感染症の予防につなげましょう。特に周囲で感染症が流行しているときは、バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動などを心がけることが大切です。

夏に子どもが気をつけたいこと②熱中症

夏は熱中症が起こりやすい季節です。重症化すると、場合によっては命に関わることもあります。子どもは体温調節機能が未熟で熱中症のリスクが高いとされているため注意が必要です。

熱中症にならないために気をつけるポイント

こまめに水分補給をする

喉の渇きを自覚する頃には、すでに多くの水分が失われています。子どもが飲み物を欲しがっていなくても、こまめに水分補給をさせるようにしましょう。屋外で遊んでいるときや大量に汗をかいているときは、水分と塩分が同時に補給できるスポーツドリンクや子ども用のイオン飲料などを飲ませてあげてください。

服装を調節する

綿100%や麻素材で首元・袖口がゆったりしている服は通気性がよく、体の熱を逃がしやすくしてくれるため、熱中症予防につながります。また屋外で遊ぶときは、太陽の熱を吸収しにくい白やベージュなど薄い色の服を選ぶとよいでしょう。

定期的に休憩させる

子どもは夢中で遊ぶため、自分では体調の変化になかなか気付けません。元気そうにみえる場合でも、定期的に涼しい場所で休憩させて、汗のかき方や顔色をチェックしましょう

温度と湿度を調節する

屋内でも熱中症になるおそれがあります。エアコンや扇風機を使って温度や湿度を適切に保ちましょう。また睡眠中の熱中症にを防ぐために、夜寝るときもエアコンをうまく活用して、寝室の温度が28℃以下、湿度が50%くらいになるように調節しましょう

冷却グッズを活用する

屋外で活動するときは、携帯型扇風機などの冷却グッズを活用して、体温の上昇を防ぎましょう。ベビーカーは日よけカバーを使うと熱や湿気がこもりやすくなるので、冷却グッズも使って対策するようにしてください。

夏に子どもが気をつけたいこと③日焼け

熱中症と同時に気をつけたいのが日焼けです。日焼けは紫外線による軽度のやけどで、重症化すると赤く腫れたり肌が炎症を起こして強く痛んだりすることがあります。子どもの皮膚は薄くてデリケートなため、しっかりと日焼け対策をすることが大切です。

日焼けをしないために気をつけるポイント

つばの広い帽子をかぶる

つばの広い帽子は顔周りへの紫外線予防に効果的です。首回りにネックカバーが付いているものや、麦わら帽子のように全周につばがあるものは、首元の紫外線も防げるのでおすすめです。

水遊びの際はラッシュガードを着用する

水着は肌の露出が多いため、日焼けが広範囲に及ぶおそれがあります。ラッシュガードを着用することで肌の露出量が減り、紫外線の影響を小さくできます

日焼け止めを使う

服や帽子、ラッシュガードで覆えない部分には、日焼け止めを使いましょう。散歩や短時間の外遊びなどであれば、SPF15~20、PA++程度の日焼け止めでかまいません。プールや海などで長時間過ごすときは、SPF20~40、PA++~+++程度のものを選ぶといいでしょう。「ベビー用」「子ども用」などと記載されているものを選ぶと安心ですね。

日陰で過ごす

日陰は、日なたに比べると紫外線量が少ないです。外で遊ぶ際にはできるだけ日陰で過ごせるように、パラソルやサンシェードを設置したり、木や建物の影がある場所を選んだりするとよいでしょう。

紫外線の強い時間帯は外遊びを避ける

紫外線は1日のうち、10~14時の間で特に強くなります。紫外線が強い時間帯はなるべく屋内で過ごすようにし、日差しが弱まる夕方などに外で遊ばせてあげると紫外線の浴びすぎを避けられます。

夏に子どもが気をつけたいこと④夏バテ

子どもが夏バテになると、食欲がなくなったり、いつもと比べて元気がなくなったりといった症状があらわれます。子どもは暑いと体温が上がって体力を消耗しやすい、汗を大量にかいて脱水になりやすいなどの理由から、大人よりも夏バテしやすい傾向があります。

夏バテにならないために気をつけるポイント

バランスの整った食事をとる

たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取できるように心がけましょう。夏バテ予防には、次のような栄養素や食材もおすすめです。

<疲労回復効果が期待できるもの>

  • ビタミンB1(豚肉、玄米、枝豆)
  • クエン酸(グレープフルーツ、レモン、オレンジ)


<スタミナ不足を防ぐもの>

  • たんぱく質(赤身肉、魚、大豆製品、乳製品、卵)


<汗で失われやすいため意識的に摂りたいもの>

  • ナトリウム(梅干し、味噌)
  • カリウム(スイカ、バナナ)


こまめに水分補給をする

脱水や熱中症を予防するためにも、こまめな水分補給が大切です。起床時、外から帰ってきたとき、入浴前後、寝る前などのタイミングで、水や麦茶などを飲ませましょう。ジュースやスポーツドリンクは糖分を多く含むため、飲ませすぎには気をつけてくださいね。

屋内と室内の気温差に気をつける

屋外と室内の気温差を小さくすることで、体への負担が軽くなり自律神経の乱れを防げることもあります。室温は外気温より4〜5℃低いくらいを目安にし、エアコンの設定温度を低くし過ぎないようにしましょう。外に出るときは体温の上昇を防ぐために、首回りを冷やすなどの対策をとりましょう。

十分な睡眠をとる

しっかりと寝て疲れを溜めないようにすることも大切です。暑さによる寝苦しさを和らげるために冷感タイプの寝具を使ったり、体が冷えすぎない程度にエアコンをつけたりするといいでしょう。

適度に体を動かす

体を動かさない状態が続くと、食欲不振や睡眠不足につながることがあります。とはいえ暑い日に長時間外で遊ぶのは危険なので、室内で軽い体操をしたり、涼しい時間帯に散歩をしたりするようにしましょう。

夏に子どもが気をつけたいこと⑤事故

夏はレジャーや花火を楽しむ機会が増えますが、海や川での水難事故、花火でのやけど事故が毎年報告されています。夏を楽しく過ごすために、子どもの事故を防ぐポイントを確認しておきましょう。

水難事故を防ぐために気をつけるポイント

子どもから目を離さず、手の届く範囲で見守る

子どもは、大人がほんの少し目を離しただけでも溺れてしまうことがあります。また水深の浅い場所でも溺れることがあるので、「これくらいなら大丈夫だろう」と油断せず、常に手の届く範囲で見守るようにしましょう

水辺で過ごすときはライフジャケットを着用させる

川や海など水辺で過ごすときは、水遊びをする予定がなくても必ずライフジャケットを着用させましょう。ライフジャケットは体のサイズに合ったものを選び、正しく着用させることが大切です。

花火での事故を防ぐために気をつけるポイント

3歳以下の子どもには花火をひとりで持たせない

花火によるやけど事故の半数以上を1~3歳の幼児が占めています。3歳以下の子どもと花火をする場合は、ママ・パパが一緒に持つ、大人が花火を持って子どもは少し離れた場所から見るなど工夫をしましょう。

ひとりで花火を持てる場合も常に大人が付きそう

子どもがひとりで花火を持てる場合でも常に大人が付き添い、火が消えて花火を水につけるまで見守るようにしましょう。また、火がついたら体から離して持たせる、火が消えたらすぐ水につけることを説明しておくことも大切です。

服装に気を配る

服への燃え移りや、肌が露出した部分へのやけどを防ぐために、服装にも気を配りましょう。スカートのような裾の広がった服、露出の多い服やサンダルは避けるようにしてください

夏も健康で元気に過ごそう!

なにかと楽しみなことが多い夏。体調や事故に気をつけながら健康で元気に過ごしたいですね。とはいえどれだけ気をつけていても、子どもが体調を崩したりケガをしたりしてしまうこともあるかと思います。夏の体調管理やケガについて悩んだときは、小児の医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。チャットで看護師に相談したり、ビデオ通話でオンライン診療を受けたりすることができますよ。夜間や休日も利用できるので、困ったときは検討してみてくださいね。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア