子どもが陰部をかゆがる原因は?対処法や病院を受診する目安は?

子どもの病気


子どもが陰部をかゆがっていると、どう対処したらいいか悩むこともあるかと思います。特に親と子どもが異性の場合は、わからないことも多いですよね。そこでこの記事では、子どもが陰部をかゆがる原因や対処法、受診の目安などをご紹介します。

子どもが陰部をかゆがる!原因は?

子どもが陰部をかゆがる主な原因は、大きく分けて「かぶれ」と「感染症」があります。

かぶれは汗による蒸れや、下着・おむつの締め付けなどによって起こります。子どもの肌は大人よりもデリケートで、特に陰部は皮膚が薄いため、かぶれが生じやすいです。
感染症には以下のようなものがあり、細菌やウイルス、真菌(カビ)などに感染することで起こります。原因となる病原体や感染した部位によって症状はさまざまです。

いんきんたむし

白癬菌(はくせんきん)と呼ばれるカビの一種によって発症します。足の水虫と同じ原因菌であることから、股間の水虫ともいわれています。
思春期以降の男性に多い病気ですが、まれに子どもにもみられ、女の子よりも男の子に多く発症します。股の周りに強いかゆみや赤みが出て、痛みを伴うこともあります。

皮膚カンジダ症

カンジダは皮膚や粘膜に存在する常在菌で、疲れやストレスなどで体力や抵抗力が落ちたときに増殖し、さまざまな症状を引き起こすことがあります。
女の子の場合は陰部の強いかゆみや腫れがあらわれて、チーズのように白くポロポロしたおりものが増えます。男の子の場合も同じように陰部の強いかゆみが起こるほか、白い膜状の汚れが溜まります。

亀頭包皮炎(男の子特有)

手に付いた細菌が陰部に触れることで亀頭や包皮の内側に入り込み、炎症を起こすことがあります。主な症状はかゆみや赤いブツブツで、悪化すると痛みや腫れが出たり、膿がたまったりする場合もあります。

外陰膣炎(女の子特有)

膣の自浄作用が発達途中である幼い女の子に起こりやすい陰部のトラブルで、大腸菌やブドウ球菌などの細菌によって引き起こされます。またボディソープや石鹸が刺激になったり、締め付けのある下着や自転車のサドルなどによって陰部が擦れたりして、かゆみが起こることもあります。
まれですが、膣内にトイレットペーパーなどの異物が入りこんで炎症の原因になることがあります。

子どもが陰部をかゆがるときの対処法

子どもが陰部をかゆがっているときは、次のような方法で対処するといいでしょう。

陰部を清潔に保つ

汗をそのままにしておくと雑菌が繁殖しやすく、かぶれの原因になります。汗をかいたときは、できるだけシャワーで洗い流すようにしましょう。ゴシゴシ洗わず、流水でやさしく流す程度にすることがポイントです。かゆみの原因がわからないときは、ボディソープや石鹸を使うのは控えるようにしましょう。
シャワーを浴びるのが難しい場合は、下着を交換するのがおすすめです。

通気性がよく締め付けがない下着をはかせる

綿100%の通気性のよい下着をはかせるようにしましょう。陰部が締め付けられたり擦れたりしないように、きつすぎないサイズを選ぶことも大切です。
おむつの場合も、通気性に優れ、ある程度ゆとりのあるサイズを選ぶようにしましょう。

刺激の強い洗浄剤は使わない

陰部にかゆみがあるからといって、洗浄力の強いボディソープや石鹸で洗うと、かえって刺激になり症状が悪化するおそれがあります。前述のように、ボディソープや石鹸の刺激が原因でかゆみが起こっていることもあるため、原因がはっきりしない場合は石鹸類は使わず、ぬるま湯でやさしく流す程度にしましょう
どうしても使う場合は、低刺激タイプを少量だけにしてください。

市販のかゆみ止め薬は使い方に注意する

かぶれが原因で陰部のかゆみが起きている場合は、ステロイド無配合で陰部に使えるかゆみ止めを使ってもいいでしょう。
ただし原因がわからないときや感染症によるかゆみのときは使うのを控えてください。必ず病院を受診して、医師から処方された薬を使うようにしましょう。

子どもが陰部をかゆがるときの受診の目安

子どもが陰部をかゆがっていても、かゆみが一時的であったり、腫れやおりもの、白い膜状の汚れなどがみられなければ、しばらくそのまま様子を見て問題ないでしょう。

ただしかゆみが長引く場合や、赤みやおりものなどの症状がはっきり見える場合は、診療時間内に受診しましょう
上記のような症状がみられなくても気になることや不安がある場合は、一度受診しておくと安心です。

子どもが陰部をかゆがるときは何科を受診する?

原因がわからないときは、かかりつけの小児科を受診するのがおすすめです。皮膚カンジダ症や亀頭包皮炎など原因がわかっているときは、皮膚科や小児泌尿器科を受診してもいいでしょう。女の子の場合は年齢や症状によって婦人科を案内されることもあります。

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子どもが陰部をかゆがっていても、どのくらいのかゆみなのか、そのまま様子を見てもいいのかなど迷うこともあると思います。またデリケートな部分なので、子どもが病院へ行くことを嫌がるケースもあるかもしれません。
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監修者について

監修者 | 医師 三宅優一郎
日本外科学会認定外科専門医、日本小児外科学会認定小児外科専門医。初期研修終了後、順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科に入局。大学病院やこども病院で研修。カナダで横隔膜ヘルニアの胎児治療の研究にも従事。専門は小児外科疾患。2児の父。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

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