咳が出る子どもの感染症まとめ

子どもの病気


子どもがかかりやすい感染症の中には、咳が特徴的な症状として挙げられるものがあります。こちらの記事では咳が出る子どもの感染症をご紹介します。

咳が出る子どもの感染症まとめ

コンコンとなかなか止まらなかったり寝苦しかったりすると、咳が出る本人がつらいのはもちろん、看病しているママ・パパも心配になってしまいますよね。咳が出る感染症それぞれの特徴と治療方法を知っておくことで、かかってしまった時に落ち着いて対応できるようになります。咳の症状があるときは少しでも和らげるために室内を十分に加湿し、体を温めてゆっくり療養するようにしましょう。

1.風邪症候群

いわゆる「かぜ」のことです。原因となるウイルスの数が多く、何度も感染を繰り返します。お腹のなかでママから受け継いだ免疫が少なくなる生後6ヶ月頃からかかりやすくなります。

症状

  • 発熱
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 喉の痛み
  • 腹痛、下痢
  • 嘔吐 など

これらすべての症状が一度に現れるというわけではなく、現れる症状は原因となるウイルスなどによってその時々で異なります。

治療・ケア方法

風邪を根本的に治す薬はありません。十分に体を休ませてこまめに水分補給を行うことで自然と回復します。鼻水を和らげる薬や痰を出しやすくする薬など、症状を和らげる薬が処方されることがあります。

2.RSウイルス感染症

咳の他に発熱や鼻水など風邪のような症状が出る感染症です。2歳までの子どものほとんどが一度はかかると言われています。

症状

  • 鼻水
  • 38℃〜39℃の発熱


生後6ヶ月未満の赤ちゃんや持病のある子どもは重症化して下記のような合併症を起こすリスクが高いといわれてます。

  • 気管支炎
  • 肺炎


予防方法

現在一般的な子ども向けのワクチンはありませんが、厚生労働省が妊婦向けのワクチンの承認を進めています。妊娠中にワクチンを接種することで、産まれてくる子どもがRSウイルスに感染した時の重症化するリスクを軽減することが期待されています。

治療・ケア方法

特効薬はないため、水分をこまめに補給しながら安静にして休ませます。対症療法として、症状を和らげる薬が処方されることもあります。

3.ヒトメタニューモウイルス感染症

長引く咳と数日続く発熱が特徴の感染症です。毎年3〜6月頃に流行することが多く、保育園や学校などで集団感染が見られます。

症状

  • 発熱
  • 鼻水
  • 喉の痛み


重症化すると喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸)があらわれ、下記のような合併症を引き起こすことがまれにあります。

  • 肺炎
  • 気管支炎


治療・ケア方法

ウイルスに対する特効薬はないため、水分補給をこまめにしながら安静に休ませます。1週間ほどで自然と回復することがほとんどです。症状が強い場合には、解熱剤や咳止め、痰を出やすくする薬などが処方されることがあります。

4.マイコプラズマ感染症

徐々に激しくなっていく咳が特徴の感染症です。年間を通して感染する可能性がありますが、特に秋〜冬にかけて流行が見られます。

症状

  • 乾いた咳
  • 発熱
  • 全身の倦怠感
  • 頭痛

咳は最初の症状が現れたあと3〜5日後に始まることが多いです。最初は乾いた咳ですが、徐々に激しく湿った咳に変わっていきます。解熱後も3〜4週間ほど咳の症状が続くことがあります。

時に下記のような症状が見られることがあります。

  • 声がかすれる
  • 耳の痛み
  • 喉の痛み
  • 下痢や嘔吐などの消化器症状


まれにですが、重症化すると下記のような症状を引き起こすことがあります。

  • 肺炎
  • 気管支炎
  • 無菌性髄膜炎
  • 中耳炎


治療・ケア方法

抗菌薬が処方されます。最近では抗菌薬が効かない「耐性菌」が増えているため、最初に処方された薬が効かない場合別の薬を服用します。

5.百日咳

息をつく間もないほど激しい咳が続くのが特徴です。全ての症状が治まるまで数ヶ月かかるため、早めの治療とケアが大切です。

症状

百日咳の症状は3段階に分けられます。

(カタル期)約2週間

一般的な風邪のような症状から始まり、徐々に咳の回数と激しさが増していく

(痙咳期)2〜3週間

短い咳が連続して何度も出るようになる
続いて息を吸う時に「ヒュー」という笛のような音が出る

この時まれに下記のような症状が見られることがあります。

  • 顔面の腫れ
  • 咳込んだ後の嘔吐


(回復期)

激しい咳は徐々に少なくなって見られなくなるが、その後も突然咳き込むことがある
2〜3ヶ月かけて完全に症状がなくなる

予防方法

生後3ヶ月以降から受けられる四種混合ワクチンによるが有効です。7歳6ヶ月までに4回接種することが推奨されています。

治療・ケア方法

抗菌薬で治療を行います。抗菌薬は特にカタル期(初期)に対して有効なので、早期治療が好ましいとされています。

6.新型コロナウイルス感染症

咳や発熱など風邪のような症状が出る感染症です。子どもは大人に比べて症状が軽いことが多いですが、集団生活の中で感染拡大することがあるため感染対策をしっかりすることが大切です。

症状

  • 乾いた咳
  • 発熱


人によっては下記のような症状が出ることもあります。

  • 嘔吐
  • 腹痛・下痢


治療・ケア方法

現時点では特効薬はありません。ゆっくりと療養し、こまめに水分補給をするようにしましょう。感染力が強く、大人の方が症状がひどくなりやすいので、ママやパパにうつらないよう、看病中はこまめな換気や手洗いなどの感染対策を徹底してください。

7.インフルエンザ

高熱や咳の他に頭痛や関節痛など全身に症状が出る感染症です。毎年冬から春にかけて流行することが多いです。

症状

  • 38℃以上の急な発熱
  • 鼻水
  • 喉の痛み
  • 頭痛
  • 筋肉痛、関節痛
  • 倦怠感


まれに下記のような症状が出ることもあります。

  • 嘔吐
  • 腹痛・下痢


予防方法

生後6ヶ月以降であれば受けることができる予防接種が有効です。予防接種を受けられない小さな赤ちゃんがいる場合は、一緒にいるママ・パパからうつらないように大人が予防接種を受けるのも有効です。手洗い・うがいを徹底するようにしましょう。

治療・ケア方法

医師が必要と認めた場合には、抗インフルエンザ薬が処方されます。1週間ほどかけて症状が軽くなり回復していくため、安静にしてゆっくり休ませることを心がけましょう。

8.気管支炎

風邪やインフルエンザをこじらせて起こります。風邪の症状から徐々に咳が激しくなるのが特徴です。

症状

  • 激しい咳
  • 発熱
  • 呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする

気管支の奥で枝分かれしている細気管支まで炎症が及ぶと「細気管支炎」になります。通常は数日で回復しますが、悪化すると入院が必要になることもあるので、こじらせないように注意しましょう。

治療・ケア方法

安静にして過ごします。症状に応じて解熱剤や痰を出しやすくする薬、気管を広げる薬などが処方されることがあります。

9.クループ症候群

RSウイルスやインフルエンザウイルスによって喉や声帯が腫れ、特徴的な咳が出ます。生後6ヶ月〜3歳頃にかかることが多いです。

症状

犬が吠えるような響き方の咳
・微熱
・鼻水
・くしゃみ

重症化すると下記のような症状が現れることがあります。
・息を吸うたびに「キューキュー」という高い音がする

治療・ケア方法

クループ症候群特有の呼吸が見られた場合には、急激に症状が悪化する可能性があるため、すぐ受診するようにしてください。医師が必要と判断した場合には、炎症を軽減させるためにステロイド薬が処方されることがあります。

受診後は基本的には安静にして休ませ、部屋を十分に加湿して水分をこまめに補給するようにします。一般的には、しっかり療養すると3〜4日で回復するといわれています。

子どもの咳症状はオンライン診療で相談を

咳の出る感染症はどれも風邪のような症状が一緒に現れることが多いため、家庭では治療やケアの判断が難しいことがあります。オンライン診療が受けられる「キッズドクター」なら、自宅からスマホで医師の診察をうけることができ、必要に応じて薬を処方してもらえます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 三宅 優一郎
日本外科学会認定外科専門医、日本小児外科学会認定小児科専門医。初期研修終了後、順天堂大学小児外科・小児泌尿生殖器外科に入局。大学病院やこども病院で研修。カナダで横隔膜ヘルニアの胎児治療の研究にも従事。専門は小児外科疾患。2児の父。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

キッズドクター