ヒトメタニューモウイルスに解熱剤は使える?効かないときはどうする?

子どもの病気


ヒトメタニューモウイルスに感染すると、長い場合で5日ほど発熱が続くことがあります。このとき解熱剤は使ってもいいのでしょうか?この記事では、ヒトメタニューモウイルスに感染したときの解熱剤の使い方や解熱剤が効かないときの対処法などをご紹介します。

ヒトメタニューモウイルスとは?

ヒトメタニューモウイルスは呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。1~2歳の子どもに多く、毎年春頃に流行します。感染すると発熱や咳、鼻水といった風邪とよく似た症状のほか「ゼーゼーヒューヒュー」といった呼吸音が表れることがあります。

治療に有効な薬はありませんが、1週間程度で軽快するケースがほとんどです。ただ子どもは重症化して気管支炎や肺炎などを起こす場合があるため、注意して経過を見守る必要があります。

ヒトメタニューモウイルスに解熱剤は使える?

ヒトメタニューモウイルスに感染したときは、解熱剤を使用してもかまいません。ただし解熱剤は、できるだけ病院で処方されたものを使用しましょう。医師の処方以上にむやみに使いすぎるのはやめましょう

市販の解熱剤を使う場合は子どもでの安全性が確認されている「アセトアミノフェン」を主成分とするものを選ぶのがいいですが、商品によって含有量が異なったり、ほかの有効成分も含有していたりすることがあるので、必ず医師や薬剤師に相談するようにしてください。

ヒトメタニューモウイルスに解熱剤が効かないときはどうする?

解熱剤の使い方を間違えると、熱が下がらないことがあります。また解熱剤には一時的に熱を下げる効果はあるものの病気を治す薬ではないので、効果が切れると再度発熱することもあります。解熱剤が効かないときは、以下の対処法を参考にホームケアを行ってみてください。

熱が上がり切ってから再度解熱剤を飲ませる

解熱剤が効かずつらそうにしているときは、熱が上がり切ったタイミングで再度解熱剤を飲ませてあげましょう。39℃以上あるような場合でも、手足が冷たく寒そうにしていたら熱が上がり切っていません。体温に関係なく手足が温かくなり熱が上がり切ったのを確認してから解熱剤を使いましょう。

薄着にして体を冷やす

適切なタイミングで解熱剤を使ってもあまり効果がみられないときは、自然に熱を発散できる状態を作ってあげましょう。氷枕で後頭部やおでこ、わきの下を冷やしたり、薄着にしたりするといいですよ。子どもが嫌がる場合は無理に冷やす必要はありません。

こまめに水分補給をする

解熱剤が効かず発熱が続いていると脱水を起こしやすくなるため、こまめに水分補給を行ってください。お茶や湯冷まし、子ども用のイオン飲料、フルーツジュースなどがおすすめです。授乳中の場合は母乳やミルクでも問題ありません。

病院を受診する

発熱が4〜5日以上続く場合は、中耳炎や肺炎などの合併症を引き起こしている可能性があり、病院での治療が必要です。また以下の症状がみられるときも脱水などが疑われるため、早めに病院を受診してください。

  • 泣いても涙が出ず、尿量が少ない
  • 口の中や唇が渇いている
  • 元気がなくぐったりしている
  • 呼吸が速く、息苦しそうにしている
  • 呼んでも反応がない
  • 顔や唇の色が悪い


ヒトメタニューモウイルスのホームケアに悩んだら…

子どもがヒトメタニューモウイルスに感染すると症状が1週間ほど続くこともあるため、ホームケア中に不安になることもあるかと思います。そんなときは子どもの医療アプリ「キッズドクター」がおすすめです。看護師に個別チャットで相談でき、知りたいことを詳しく教えてもらえますよ。相談は無料で利用できるので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア