ヘルパンギーナは大人もかかる?子どもから親に感染することもあるの?

ママの病気


子どもの病気としてよく知られているヘルパンギーナ。保育園や幼稚園で流行することが多いですが、大人にもうつることはあるのでしょうか?そこでこの記事では、ヘルパンギーナが大人にもうつることがあるのかや、かからないための対策などをご紹介します。

ヘルパンギーナとは?

ヘルパンギーナは、6~7月頃に乳幼児の間で流行することが多い夏風邪の一種です。子どもが感染すると、39度以上の発熱や咽頭痛、口腔内の発疹などがあらわれます。軽症で済むことが多い病気ですが、まれに熱性けいれんや脱水などを起こすこともあるため、注意が必要です。

ヘルパンギーナは大人にもうつるの?感染経路は?

ヘルパンギーナは5歳以下の子どもでの感染が90%以上を占めていますが、大人にもうつることがあります

ヘルパンギーナを引き起こすのはエンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどです。これらのウイルスは、感染者の咳やくしゃみで飛び散る飛沫を吸い込んだり、手やドアノブなどを介して口や鼻、目の粘膜に触れたりすることで感染が広がります。

ヘルパンギーナに感染した子どもの看病をするママ・パパはどうしても感染のリスクが高くなってしまうため、特に子育て中の家庭は感染対策が大切です。

大人のヘルパンギーナの症状は?

大人がヘルパンギーナにかかった場合でも、子どもと同じように高熱や咽頭痛、口腔内の発疹・水ぶくれなどの症状があらわれます。ただ子どもより症状が強く出る傾向があり、筋肉痛や頭痛、関節痛などを伴うこともあります治るまでの期間も長くなりがちです

大人のヘルパンギーナの治療方法は?

ヘルパンギーナを治すための特効薬はありません。そのため症状に合わせて対症療法を行いながら、回復するのを待つことになります。安静にして水分をしっかりとり、必要に応じて病院で処方された薬を服用しましょう。

大人がヘルパンギーナに感染したら仕事は何日休む?

ヘルパンギーナには、「感染したら◯日休まないといけない」という明確な基準はありません。そのため何日休むかは、ご自身の様子を見ながら判断しましょう。ヘルパンギーナは感染後2〜4日で解熱し、7日程度で症状がおさまるとされています。ここから考えると、数日間は仕事を休むことになるかもしれません。

先にご説明した通り、ヘルパンギーナを治すには安静が大切です。発熱や強い頭痛、咽頭痛などの症状があるときは、できるだけ休んで安静にできるといいですね。

家庭内感染を防ぐ!ヘルパンギーナの感染対策5選

重症化することはほとんどないとはいえ、子どもと一緒にママやパパまでヘルパンギーナにかかってしまうと大変ですよね。ここからはヘルパンギーナにかからないための感染対策を5つご紹介します。

手洗い・うがいをする

基本的なことですが、手洗いやうがいはヘルパンギーナの感染対策としても有効です。帰宅後や食事前、子どものお世話をした後などにこまめに行いましょう。手洗いをする際は石鹸を使って、流水でしっかり洗い流すようにしてください。

マスクを着用する

マスクもヘルパンギーナの感染予防に一定の効果があるとされています。体調が回復したあとも飛沫や鼻汁から1~2週間ウイルスが排出されるので、この期間は家のなかでもできるだけマスクを着用して過ごすようにしましょう。

タオルや食器の共用を避ける

タオルを共用することで家庭内感染が広がることがあります。手拭き用のタオルはもちろん、体を拭くバスタオルも一人ひとり違うものを使うようにしましょう。

また子どもの唾液から感染することもあるので食器の共用も避け、子どもの食べ残しなどは口にしないようにしてください。

オムツ交換の際には手袋とマスクを着用する

ヘルパンギーナを引き起こすウイルスは、便からも排出されます。症状が治まったあとも数ヵ月間排出が続くことがあるので、オムツ交換の際には手袋とマスクを着用し、使用済みのオムツは密閉して処分するようにしましょう。

ドアノブやテーブルなどよく触るところを消毒する

ドアノブやテーブルは子どもの手が触れやすく、ウイルスが付着しやすい場所です。家庭内感染を広げないために、こまめに消毒するとよいでしょう。

 エンテロウイルスやコクサッキーウイルスには次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤を薄めた消毒剤が有効です。アルコールの消毒剤はあまり効果がないので注意してください。

規則正しい生活をする

寝不足だったり、疲れが溜まっていたり、栄養バランスが偏っていたりすると、体の免疫力が低下してウイルスに感染しやすくなってしまいます。ウイルスに負けない強い体を保つためには、できるだけ規則正しい生活を送り、体に疲労をためないようにしておきたいですね。栄養バランスの整った食事を意識し、睡眠時間をしっかり確保するようにしましょう。

大人のヘルパンギーナはオンライン診療も

ママやパパがヘルパンギーナにかかると、子どものお世話をしながら病院に行くのは大変ですよね。そんなときは大人も利用できる医療アプリ「キッズドクター」のオンライン診療が便利です。家にいながら医師の診察を受けられますよ。医師が必要と判断した場合薬を処方してもらうこともできるので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

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