【知っておきたい】離乳食とアレルギーの基本情報まとめ

子どもの病気


離乳食で新しい食材を試すとき、「アレルギーが出たらどうしよう」と心配になることもあるのではないでしょうか。そこでこの記事では、アレルギーに配慮した離乳食の進め方や、アレルギーが出た場合の対処法など、基本情報を詳しくご紹介します。

離乳食でアレルギーが出ることがあるの?

赤ちゃんに食物アレルギーがある場合、アレルギーの原因となる食べ物を食べることでアレルギー症状が出ることがあります。

そもそも食物アレルギーとは、特定の食べ物を食べたり触れたりしたあとに体が反応して、下記のような症状があらわれることです。

  • 皮膚症状(蕁麻疹、痒み、赤みなど)
  • 呼吸器症状(咳、呼吸がゼーゼーする、呼吸困難など)
  • 消化器症状(吐き気、嘔吐、下痢など
  • 神経症状(ぐずぐず、不機嫌、ぼーっとする、反応が悪い)


症状には個人差があり、目の痒みや充血、まぶたの腫れ、口内の痒みや違和感、鼻水や鼻づまりといった症状が出ることもあります。

赤ちゃんは消化器官が発達途中であるため、離乳食によって食物アレルギーを発症することは珍しくありません。年齢が上がるにつれて、食物アレルギーの発症は減少していきます。また乳児期に発症した食物アレルギーは、成長とともに改善していくことが多いです。

アレルギーに配慮した離乳食の進め方!

離乳食を進めるときはアレルギーに配慮することが大切です。次のポイントを参考に進めていくようにしましょう。

離乳食は自己判断で遅らせなくてOK

食物アレルギーの発症予防のために離乳食のスタートを自己判断で遅らせることは推奨されていません。離乳食を遅らせても食物アレルギーの発症を予防できるという十分な根拠がないからです。生後5〜6ヶ月頃になったら離乳食を始めるようにしましょう。

ただし赤ちゃんに湿疹が長い期間みられる場合は食物アレルギーを発症するリスクが高いので、離乳食開始前に小児科でスタート時期を相談すると安心です。

初めての離乳食食材は1日1種類、平日午前中に

初めて食べさせる食材は、1日1種類、少量から始めましょう。そうすることで、アレルギー症状が出たときに原因となる食材を特定しやすくなります。またアレルギー症状が出たときにすぐに受診できるように、かかりつけの小児科が開いている日の午前中に与えるようにしましょう。

食物アレルギーを発症しやすい食べ物を知っておく

赤ちゃんがアレルギー反応を起こしやすいとされる食品は、「卵(鶏卵)」「牛乳」「小麦」です。初めて与えるときは特に慎重に食べさせたり飲ませたりするようにしましょう。

卵アレルギーは卵白によって起こることが多いため、まずは卵黄のみを与えて、問題がなければ卵白も少しずつ試すようにしてください。

離乳食でアレルギーが出たらどうする?

離乳食によるアレルギー症状は、食べた直後から2時間以内にあらわれるケースがほとんどです。アレルギー症状が出たらすぐに次の方法で対処しましょう。

  • 口の中に食べ物が残っているときは取り除く
  • 体のどこにどんな症状が出ているか、よく観察する
  • 皮膚症状が出て痒がっていたら濡れタオルなどで冷やす
  • 嘔吐や吐き気がみられたら、顔を横向きにして寝かせる
  • 病院を受診する


またアレルギー症状は刻々と変わるので、受診をした頃には症状が消えてしまうことがあります。症状が出たときに写真や動画を撮影しておくと、診察の参考になります。

離乳食でアレルギーが出たときの受診目安は?

離乳食でアレルギーのような症状が出たときは、症状の程度に限らずなるべく早めに病院を受診してください。基本的にいつ受診してもかまいませんが、次の項目に当てはまる場合は特に早急の受診が必要です。夜間や休日は救急病院を利用しましょう。

早急に受診する症状

  • 蕁麻疹や皮膚の赤みが全身に広がっている
  • 嘔吐や下痢を繰り返している
  • 吐く量が多い、吐き方が激しい
  • 不機嫌がひどい
  • 症状が急速に悪化している


受診までの間も、こまめに症状の観察を続けるようにしてください。時間の経過とともに症状が進むこともあるので、赤ちゃんの様子を注意深く観察することが大切です。

また次のような症状が見られる場合はアナフィラキシーショックの可能性があり緊急性が高いため、すぐに救急車を呼ぶようにしてください。

救急車を呼ぶ症状

  • 意識がもうろうとしている
  • 呼吸が苦しそう
  • 顔色が悪く、ぐったりしている
  • 呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューと音がする

不安なことは病院や健診で相談しよう

離乳食が始まると、アレルギーをはじめ、進め方や食べる量など、さまざまな疑問や悩みが出てくるかもしれません。そんなときは、かかりつけの小児科や自治体の健診で医師や保健師、栄養士などに相談してみましょう。離乳食を開始する生後5〜6ヶ月頃の赤ちゃんのママ・パパに向けて、相談会やセミナーなどを開催している病院や自治体も多くあります。
アレルギーについて少しでも不安があるときは早めに相談しておくと、離乳食を進めやすくなりますよ。

離乳食の相談はオンラインでも

前述のように離乳食の悩みは病院や健診で相談できますが、季節や天候によって赤ちゃんを連れて外出するのが大変だったり、感染症が流行っている時期は病院へ行くのが不安になったりすることもあるかもしれません。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」がおすすめです。看護師と個別チャットでやり取りでき、離乳食の相談もできますよ。自宅にいながら医師によるオンライン診療を受けることもできるため、困ったときはぜひ検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

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