インフルエンザになると熱性けいれんが起こりやすい?

インフルエンザは、熱性けいれんを引き起こす可能性がある病気のひとつです。この記事では、熱性けいれんとインフルエンザの関係や見守りのポイントなどをご紹介します。
熱性けいれんとは?
熱性けいれんとは、一般的に38℃以上の発熱に伴って起こる乳幼児特有のけいれんのことです。子どもの脳は発達途中であるため、急に熱が上昇すると体温の変化に対応しきれず、けいれんが起こることがあります。
インフルエンザと熱性けいれんの関係
インフルエンザになると38℃以上の高熱が出ることが多いため、熱性けいれんが起こるおそれがあります。熱性けいれんは一般的には生後6ヶ月から5歳頃までの子どもに起こりやすいとされていますが、インフルエンザによる発熱では5歳を過ぎた子どもでも発症します。
また、けいれんはインフルエンザ脳症の初期症状としてあらわれることもあります。インフルエンザ脳症が起こることは稀ではありますが、インフルエンザ感染中にけいれんが起きた場合は、熱性けいれんの可能性のほかに、インフルエンザ脳症の初期症状の可能性もあることを覚えておきましょう。
インフルエンザで熱性けいれんが起こりやすいタイミングとは?
熱性けいれんが起こりやすいのは、熱が急激に上がり始めたタイミングです。インフルエンザでは症状の出始めに急に38℃以上の高熱が出ることが多いので、この時期は特に注意が必要です。
また熱性けいれんの多くは発熱後1日以内に起こります。熱が上がり切った後も、少なくとも1日は注意して見守るようにしてください。
インフルエンザでけいれんが起きたときの見守りや対応のポイントは?
熱性けいれんのような症状がみられたときは、落ち着いて対応することが大切です。ここからはインフルエンザでけいれんが起きたときの見守りや対応のポイントをご紹介します。
熱性けいれんとインフルエンザ脳症の症状を確認する
熱性けいれんでは主に下記のような症状があらわれます。
- 突然意識がなくなり白目をむく
- 体が反り返ってビクビクする
- 手足をガクガクふるわせる
- 顔色が悪くなる
- 名前を呼んでも反応がない など
症状は一般的に5分以内に自然とおさまり、後遺症が残ることもほとんどありません。
ただし先述の通り、インフルエンザ感染中にけいれんが起こった場合、熱性けいれんではなくインフルエンザ脳症の初期症状の可能性もあります。下記に当てはまるけいれんの場合は熱性けいれんではなく脳症の可能性も考えられ、緊急性が高いので、すぐに救急車を呼んでください。
すぐに救急車を呼ぶ症状
- けいれんが5分以上続く
- けいれんがおさまっても意識や顔色が戻らない
- 1回の発熱でけいれんを2回以上起こす
- けいれんが左右非対称に起こっている
- けいれんだけでなく異常行動(人を正しく認識できない、急に怒る・大声で歌うなど)もみられる
けいれんが起きたときの対応を知っておく
けいれんが起こるとママやパパはびっくりすると思いますが、気持ちを落ち着かせて次のような対応をしましょう。
- 周りに危険なものがない平らな場所に寝かせる
- 体と顔を横に向ける(けいれんしながら嘔吐した場合に、吐しゃ物が喉につまらないようにするため)
- 衣服を緩める
その後、できる範囲で次のような対応をすると受診時に医師に症状が伝わりやすくなります。
- けいれん中の体の様子を観察する(片方の手や足、眼だけがけいれんしていないかなど)
- けいれんが続いた時間を計る
- 可能であれば動画を撮る
- けいれんがおさまったら体温を測り38℃以上あるか確認する
初めてけいれんが起きた場合は、けいれんの時間が短時間であっても、熱性けいれんかどうかを確かめるために早急に受診するようにしてください。2回目以降であっても、けいれんが10分以上続く場合はすぐ受診するようにしましょう。夜間や休日は救急病院を利用してください。
インフルエンザのホームケアに悩んだら…
インフルエンザは風邪よりも重い症状があらわれることが多いですが、適切にケアをすれば軽症で済む場合がほとんどです。とはいえ高熱が出たり食欲がなくなったりといった、いつもと違う子どもの様子に不安になることもあるかもしれません。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。個別チャットで看護師にインフルエンザのホームケアについて相談したり、自宅にいながらビデオ通話で医師のオンライン診療を受けたりすることができますよ。困ったときは検討してみてくださいね。
監修者について
