子どものケガの対応方法まとめ

子どものケガ


好奇心旺盛で活発な子どもにケガはつきものです。ちょっとしたケガであれば自然に治ることも多いですが、ケガの種類や程度によっては適切な対応や治療が必要です。この記事では、子どものケガの対応方法をまとめました。

子どもはケガをしやすい!

子どもは体のバランス感覚や危険を予測する力が発達途中であるため、大人に比べてケガをしやすいです。大きなケガをしないように対策できればいいですが、子どもは予期せぬ行動をとることも多く、ケガを防ぎきれないこともあります。子どものケガの中には軽症に見えても注意が必要なものもあるので、ケガの種類に合わせて適切に対処することが大切です

ここから、子どもによくあるケガの対処法を種類別にご紹介します。

子どもによくあるケガ① すり傷

主に転んだときに、皮膚の表面が地面などにこすれてできるケガです。基本的に傷は浅く出血量も少ないことが多いですが、範囲が広いと強く痛んだり傷跡が残ったりすることがあります。

対処法

  1. 化膿を防ぐため、傷口を水道水でしっかり洗い流す
  2. 出血が続いている場合は、清潔なガーゼやハンカチなどで強く押さえて止血する
  3. 消毒はせずに、絆創膏や創傷被覆材を貼って傷を保護する
  4. 絆創膏や創傷被覆材を1日1回は貼り替えて、常に清潔な状態を保つ

受診の目安

  • 傷の範囲が広い、深い
  • 5~10分止血しても血が止まらない
  • 砂や小石などが傷口に入り込んでいる可能性がある
  • 傷口から膿が出たり、腫れたりしている
  • 強い痛みが続く

子どもによくあるケガ② 切り傷

ハサミやカッター、ガラスの破片など鋭利なもので皮膚が傷つけられたときにできるケガです。浅い傷であれば自然に治ることがほとんどですが、皮膚の深い部分まで傷つくようなケースでは、適切なケアや治療が必要となります。

対処法

  1. 化膿を防ぐため、傷口を水道水でしっかり洗い流す(出血がひどい場合は洗浄はすぐに終わらせて止血の手順へ)
  2. 清潔なハンカチやタオルで傷口を強く押さえて止血する
  3. 消毒はせずに、絆創膏や創傷被覆材で傷口を保護する
  4. 絆創膏や創傷被覆材を1日1回は貼り替えて、常に清潔な状態を保つ

受診の目安

  • 傷が明らかに深い、範囲が広い
  • 5~10分止血しても血が止まらない
  • ガラスなどが傷口に入り込んでいる可能性がある
  • 傷口から膿が出たり、腫れたりしている

救急車を呼ぶ目安

  • 傷が大きく大量の血が出ている
  • ガラス片などが体に深く刺さり、抜けない

子どもによくあるケガ③ 打撲(打ち身)

体の一部を強くぶつけたときにできるケガで、「打ち身」とも呼ばれます。軽度の打撲であれば痛みも少なく自然に治ることが多いですが、程度が重いと皮膚の内部で出血して青あざができたり、腫れや強い痛みを伴ったりすることがあります。
骨折との見分けがつきにくいこともあるので、注意深く子どもの様子を観察することが大切です。

対処法

  1. ハンカチなどで包んだ保冷剤や、冷水で濡らしたタオルを当てて患部を冷やす
  2. 無理に動かさず、安静にする

受診の目安

  • 痛くて動けない
  • 痛みや腫れが引かない
  • 機嫌が悪く、泣きやまない
  • 頭を激しく痛がる
  • 嘔吐を繰り返す
  • 時間とともにコブが膨らんでくる
  • 物が見えづらそう
  • 手足に力が入らず、歩き方が不安定
  • 胸やおなかを強くぶつけた
  • 骨折している可能性がある

救急車を呼ぶ目安

  • 頭を打ち、けいれんや意識障害がある
  • 頭をぶつけて、血が止まらない
  • 目や耳の周りにアザがある
  • ぐったりしていて泣かない

子どもによくあるケガ④ 骨折

骨が折れるほか、一部が欠けたりヒビが入ったりして骨がダメージを受けている状態です。一般的には強い痛みや腫れを伴いますが、子どもでは腫れが目立たなかったり、骨折した場所とは違う場所を痛がったりして、骨折になかなか気づかないこともあります。

対処法

  1. 患部をできるだけ動かさないようにして安静を保つ
  2. 段ボールや木など固い棒状のものを患部に当てて固定する
  3. 早めに病院を受診する

受診の目安

  • 痛くて動けない
  • 痛みがなかなか引かない
  • 機嫌が悪く泣きやまない
  • 腕や足に力が入らない
  • 腫れや内出血がある

救急車を呼ぶ目安

  • 関節が不自然な曲がり方をしている
  • 強く痛がり顔色が悪い

子どもによくあるケガ⑤ 捻挫

足首や手首、指などの関節を不自然な方向にひねることで、関節を支えている靭帯や腱などが傷つくケガです。捻挫すると一般的には腫れや痛みを伴いますが、場所によっては痛みを感じにくく、見た目からは骨折との見分けがつきにくいこともあります。

対処法

  1. 痛む場所をなるべく動かさないようにする
  2. ハンカチなどで包んだ保冷剤や、冷水で濡らしたタオルを当てて患部を冷やす
  3. 内出血を防ぐために、患部を心臓より高い位置に挙げる

受診の目安

  • 痛くて動けない
  • 痛みがなかなか引かない
  • 機嫌が悪く泣きやまない
  • 骨折している可能性がある

救急車を呼ぶ目安

  • 関節が不自然な曲がり方をしている
  • 強く痛がり顔色が悪い

子どものケガの相談はオンラインでも

子どもによくあるケガの対処法をそれぞれご説明しましたが、ケガをした状況や程度はさまざまなので、対応方法に悩むこともあるかと思います。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。看護師と個別チャットでやりとりでき、子どものケガに合わせたケア方法や受診の目安などを教えてもらえます。夜間や休日も利用できるので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

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