子どもの結膜炎は人にうつる?
子どもの間で流行することもある結膜炎。子どもの結膜炎は人にうつるのでしょうか?この記事では、子どもの結膜炎が人にうつるのかや、うつらないための対策などをご紹介します。
子どもの結膜炎は人にうつるの?
結膜炎はいくつかの種類に分けられ、人にうつるものとうつらないものがあります。それぞれの特徴について、次の章から詳しくご説明していきます。
うつる結膜炎の種類
うつる結膜炎は、ウイルスによって引き起こされる結膜炎(ウイルス性結膜炎)です。代表的なウイルス性結膜炎には下記のようなものがあります。
プール熱(咽頭結膜熱)
プール熱(咽頭結膜熱)は、アデノウイルスによって引き起こされる結膜炎です。感染すると下記のような症状があらわれます。
- 39℃前後の発熱
- 喉の痛み、腫れ
- 目の充血
- 目やに
- 目の痛み、痒み など
プール熱では、結膜炎だけでなく高熱や喉の痛みなどの症状を伴うのが特徴です。大人も感染しますが、幼児期から学童期の子どもに多く、特に5歳以下の子どもが感染者の半数以上を占めます。例年6月頃から流行が始まり、7~8月に流行のピークを迎える傾向があります。
はやり目(流行性角結膜炎)
はやり目(流行性角結膜炎)も、プール熱と同じくアデノウイルスが原因で起こる結膜炎です。感染すると下記のような症状があらわれます。
- 目の充血
- 目やに
- 目の痛み、異物感
- まぶたの腫れ
- 耳前リンパ節の腫れ など
プール熱と違って発熱はなく、目の症状が強くあらわれるのが特徴です。片目に発症した後、もう片方の目に感染することもあります。8月頃に流行する傾向があり、子どもだけでなく大人への感染もみられます。
急性出血性結膜炎
急性出血性結膜炎は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスによって引き起こされる結膜炎です。感染すると下記のような症状があらわれます。
- 強い目の痛み、異物感
- 目の充血、出血
- 目やに
- まぶたの腫れ
- 目の表面の濁り など
1~4歳頃までの子どもに比較的多くみられますが、大人にもうつります。季節性はなく、年間を通じて発生します。
うつらない結膜炎の種類
うつらない結膜炎は、細菌によって引き起こされる結膜炎(細菌性結膜炎)と、アレルギーによって起こる結膜炎(アレルギー性結膜炎)です。
細菌性結膜炎
細菌性結膜炎は、黄色ブドウ球菌やインフルエンザ菌など、細菌によって引き起こされる結膜炎です。感染すると下記のような症状があらわれます。
- 目の充血
- 黄色の目やに など
症状は片目にだけあらわれることが多く、抗菌薬の点眼で治療をすることもあります。細菌性結膜炎は感染力が弱いため、人にうつることはほとんどないとされています。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダストなど、アレルゲン物質が原因で起こる結膜炎です。アレルギー性結膜炎では下記のような症状があらわれます。
- 涙がでる
- 目の充血
- 目の痒み
- 異物感
- 目やに
- 鼻炎の症状 など
アレルギー性結膜炎では、目の症状だけでなく鼻水や鼻づまりなど鼻炎の症状もあらわれることがあります。花粉症のように季節性があるものと、ハウスダストやダニなどが原因で起こる通年性のものがありますが、人にはうつりません。症状に合わせて、抗アレルギー薬やステロイド薬で治療をします。
子どもの結膜炎がうつらないための対策は?
先にもご説明したとおり、ウイルス性結膜炎(プール熱、はやり目、急性出血性結膜炎など)は人にうつることがあります。感染力が強く感染が広まりやすいので、うつらないように下記のような対策をとりましょう。
石鹸でこまめに手を洗う
ウイルス性結膜炎は主に接触感染でうつるので、予防には石鹸での手洗いが有効です。外から帰ったときやトイレの後、食事の前などこまめに手を洗いましょう。またウイルス性結膜炎を引き起こすウイルスは便中にも排出されるので、感染した子どものおむつを替えたりお尻を拭いたりした後も忘れずに手を洗うようにしてください。アルコールでの手指の消毒は、ほとんど効果がありません。
タオルや食器を共有しない
ウイルス性結膜炎は、タオルや食器を共有することでもうつることがあります。普段からタオルや食器は家族で共有せず、一人ひとり別のものを用意しておくと安心です。
よく触る場所を消毒する
ウイルス性結膜炎の予防には、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒が効果的です。塩素系漂白剤(キッチンハイターやブリーチなど)を約0.05%の濃度に薄めて作った消毒液で、ドアノブや電気のスイッチ、リモコン、テーブルなど、家族がよく触る場所をこまめに消毒しましょう。消毒液は、2Lのペットボトルにキャップ4杯(約20ml)の塩素系漂白剤を入れ、水を加えて全部で2Lになるようにすれば簡単に作ることができます。
プールに入った後はシャワーを浴びる
ウイルス性結膜炎は、プールの水を介してうつることもあります。プールに入った後は、シャワーを浴びて体についたウイルスを流しましょう。
感染した子どもは家族の最後に入浴する
ウイルス性結膜炎に感染した子どもが入浴したお風呂に他の家族が入ると、感染が広がる可能性があります。そのためウイルス性結膜炎の子どもは、他の家族がお風呂に入った後に入浴するか、シャワーだけで済ませるようにしましょう。
子どもの結膜炎の診察はオンラインでも
子どもの結膜炎は種類によって感染対策や治療が必要な場合もあるので、かかったら一度医師の診察を受けるようにしましょう。とはいえ症状が軽いと、「病院に連れて行く必要があるのかな」と感じることもあるかもしれません。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」のオンライン診療が便利です。自宅にいながらスマホのビデオ通話で医師の診察を受けたり、チャットで看護師に個別で相談したりできますよ。看護師への相談は無料なので、困ったときは検討してみてくださいね。