発疹が出る子どもの感染症まとめ
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子どもがかかる感染症のなかには、特定の部位や全身に発疹が現れるものがあります。こちらの記事では発疹が出る感染症をご紹介します。
発疹が出る子どもの感染症まとめ
子どもの発疹には、肌への刺激に対する反応やアレルギー反応として出るものと、ウイルスや細菌に感染して出るものがあります。
感染症による発疹の場合、感染した人が触ったものを触って広がる「接触感染」や同じ空間にいることでうつる「空気感染」などで感染が広がるおそれもあるため、早めの受診やホームケアで症状の悪化や感染の広がりを抑えることが大切です。感染症によって感染力やケアのポイントが異なるので、それぞれの感染症の特徴を知っておきましょう。
突発性発疹
突然の高熱と、熱が下がるときに出る全身の発疹が特徴です。生後6ヶ月〜2歳頃までにかかることが多いです。
症状
- 38℃以上の発熱が3日間ほど続く
- 熱が下がるのと同時に全身に赤い発疹が出る(痒みはない)
下記のような症状が出ることもあります。
- 食欲不振
- 下痢
- まぶた、大泉門の腫れ
まれに下記のような合併症を引き起こすことがあります。
- 熱性けいれん
- 脳症
- 脳炎
治療・ケア方法
特定の治療薬はないため、安静にして自然と回復するのを待ちます。熱が高くつらそうな時は解熱剤が処方されることがあります。発疹は痒みがないので特別な治療をすることはありません。
高熱によって汗をかくと体から水分が奪われるため、こまめに水分補給をするようにしてください。
溶連菌感染症
突然の発熱と喉の痛みの後に全身に発疹が出たり舌が赤くなったりするのが特徴です。冬季と、春〜初夏にかけの年2回流行のピークが見られます。
症状
- 38℃以上の発熱
- 喉の腫れ、痛み
- 全身に痒みのある赤くて細かい発疹があらわれる
- 舌が赤くなりブツブツができる(いちご舌)
回復時に下記のような症状が見られることがあります。
- 手や足の指先から皮がめくれる(しょう紅熱)
まれに下記のような合併症を引き起こすことがあります。
- 中耳炎
- 副鼻腔炎
- リンパ節炎
- 急性腎炎
- リウマチ熱
治療・ケア方法
抗菌薬が処方されます。熱は数日で下がり、発疹も1週間ほどで落ち着きますが、合併症を防ぐために症状が落ち着いても抗菌薬は最後まで飲み切るようにしましょう。
発疹の痒みが強い場合は、患部を濡らしたタオルなどで冷やすことで痒みが和らぐことがあります。
手足口病
手や足、口の中に水ぶくれのような発疹が現れる感染症です。1〜5歳頃かかることが多く、夏に流行がみられます。
症状
- 口の中、手のひら、足の裏や甲に小さな水ぶくれ状の水疱性の発疹ができる(肘や膝、おしりなどにも出現することもある)
- 口や喉にできた発疹が痛み、食べたり飲んだりできない
- 人によっては37〜38℃の発熱が見られることもある
まれに下記のような合併症を引き起こすことがあります。
- 髄膜炎
- 小脳失調症
- 脳炎
- 心筋炎
治療・ケア方法
特定の治療方法はないため、水分補給をこまめにしながら安静にして休ませます。発疹自体に痒みがあることはまれで、1週間ほどかけて自然と回復します。
口の中に発疹ができて食べづらいため、辛いものや酸っぱいものは避けて口当たりの良いものを食べさせるようにしましょう。
ヘルパンギーナ
喉の奥にできる小さな水ぶくれのような発疹と突然の高熱が特徴です。毎年6〜7月頃流行する夏風邪として代表的な感染症です。
症状
- 口内や喉の奥に水ぶくれ状の発疹ができる
- 38℃以上の急な発熱
- 発疹が口の中で破れることによって生じる喉や口腔内の痛み
- 食欲不振
- 全身のだるさ
口内の痛みによって下記の症状が引き起こされることがあります。
- 水分を摂取できないことによる脱水症
治療・ケア方法
特定の治療薬はないため、安静にして療養しましょう。熱は2〜4日ほどで下がり、続いて発疹が消えていきます。高い熱や喉の痛みがつらい時には、解熱剤や鎮痛薬などで対症療法を行うことがあります。
口内や喉の痛みで水分が飲み込みづらくなるため、脱水症にならないよう少量ずつこまめに水分補給することを意識しましょう。
とびひ(伝染性膿痂疹)
あせもや虫刺され、湿疹などを掻いてできた傷に細菌が入り込んで起こる感染症です。感染力が強くあっという間に全身に広がってしまうため、早めの治療としっかりとしたホームケアが重要です。
症状
- 赤み、痒みを伴う水ぶくれ
- 水ぶくれが破れたことによるただれ
水ぶくれは破れやすく、中から滲み出てくる液が周囲に触れることによって全身に発疹が広がります。
治療・ケア方法
感染力が非常に強いため、全身に広がる前にできる限り早く受診しましょう。症状に応じて、抗菌薬入りの塗り薬や痒みを抑える飲み薬が処方されます。
患部は洗って消毒し、ガーゼや防水テープなどを使ってとびひの広がりや感染を抑えます。ガーゼはこまめに取り替えて清潔を保つようにしましょう。爪は短く切り、患部を掻きむしらないようにしておきます。
水痘(水ぼうそう)
痒みの強い赤い発疹が全身に広がるのが特徴です。感染力が強く、空気感染もするので注意が必要です。
症状
- 痒みを伴う発疹・水ぶくれが全身に広がる
- 38℃前後の発熱
発疹は皮膚が赤くなるところから始まり、水ぶくれになり、かさぶたへと変化していきます。
発疹が出る1〜2日前に下記のような症状が出ることがあります。
- 軽度の発熱
- 倦怠感
- 食欲不振
予防方法
1〜3歳の間で2回予防接種を受けることで発症や重症化のリスクを軽減できます。
治療・ケア方法
発疹が出てから48時間以内に抗ウイルス薬を服用することで症状を軽くすることが期待できます。発疹の痒みを抑える飲み薬や塗り薬が処方されることがあります。
発疹が痒くて掻きこわすと傷口から細菌が入って二次感染を起こすことがあるため、爪は短く切るようにします。湯船に入ると体が温まり痒みが強くなるため、シャワーで体を優しく洗い清潔を保つようにしてください。
伝染性紅斑(リンゴ病)
両頬がリンゴのように赤くなる感染症です。手足にもレースのような網目状の発疹が出ることがあります。
症状
- 両頬に発疹ができ、りんごのように赤くなる
- 発疹が手足にレース状に広がる
発疹が出る頃はほとんど治りかけで、頬が赤くなる1週間〜10日前に下記のような症状が出ることがあります。
- 風邪の諸症状(微熱、鼻水、咳、倦怠感など)
- 筋肉痛
- 関節痛
治療・ケア方法
頬が赤くなり発疹が現れてリンゴ病と診断される頃にはすでに感染力がないため、特に治療の必要はありません。発疹や頬の赤みは1週間前後で回復します。発疹の痒みが強い場合は塗り薬が処方されることがあります。痒みがある時は、日光に当たったり湯船に浸かるなど体を温めることは控えましょう。
妊婦さんがリンゴ病に感染すると胎児に感染するおそれがあるため、ママが妊娠中の家庭では手洗い・うがいでしっかり予防することをいつも以上に徹底してください。
子どもの発疹はオンライン診療で相談を
発疹の出る感染症には、自己判断では治療の必要性や自宅でのケア方法がわからないこともあります。子どものオンライン診療アプリ「キッズドクター」なら、自宅にいながらスマホで医師の診察を受けることができ、医師が必要と判断した場合は薬も処方してもらえます。困ったときは検討してみてくださいね。