子どもが風邪をひいたときの対処法

子どもの病気


子どもが風邪をひくとさまざまな症状があらわれるため、対処法に迷うこともあるかと思います。そこでこの記事では、症状別の対処法や子どもが風邪をひいたときに自宅でできることをご紹介します。

子どもの風邪の症状は?

子どもが風邪をひくと、主に下記のような症状があらわれます。

  • 発熱
  • 鼻水、鼻づまり
  • 喉の痛み
  • 頭痛  など


風邪を引き起こすウイルスや細菌は多数あるため、症状のあらわれ方もさまざまです。とはいえ重症化することはほとんどなく、一般的には1週間ほどで自然に治ります。

【基本編】子どもが風邪をひいたときの対処法!

風邪には特効薬がないため、子どもが風邪をひいたときは適切なホームケアを行いながら回復するのを待ちます。最初に基本的な対処法を確認しておきましょう。

安静にして過ごす

体力を回復させるために、まずは安静にして過ごすようにしましょう。熱がなく元気なときは無理に寝かせる必要はありませんが、症状がぶり返すこともあるため、激しく体を動かしたり外出したりするのは控えたほうがいいでしょう。

こまめに水分補給をする

風邪をひいているときに気を付けたいのが脱水です。特に発熱しているときは汗をかいたり呼吸が荒くなったりするため、いつもより多くの水分が体から失われます。脱水を起こしやすい状態なので、こまめに水分補給を行いましょう。子どもが飲めるものであれば基本的に何を飲ませてもかまいませんが、炭酸飲料や酸味が強い柑橘系のジュースは、喉に滲みたり咳込んだりすることがあるので避けたほうがいいでしょう。

食欲がないときは無理に食べさせない

風邪をひくと、胃腸のはたらきが弱まって食欲が落ちることもあります。風邪が治れば食欲も戻る場合がほとんどなので、水分補給ができていれば無理に食べさせる必要はありません。子どもが食べたがるものがあれば好きなタイミングで食べさせながら様子をみましょう。ただしスナック菓子やラーメンなど脂っこい食べ物や、さつまいもやかぼちゃなど食物繊維を多く含む食材は胃腸に負担がかかるので避けるのが安心です。

お風呂は無理に入らせない

体力の消耗を避けるため、元気がないときは無理にお風呂に入らせないようにしましょう。ただ体が汚れたままだと細菌やウイルスが繁殖しやすくなるので、汚れが気になるときはかたく絞った蒸しタオルなどで体を拭いてあげてください。

熱がなく元気な場合はお風呂に入っても問題ありませんが、長湯は体力を消耗するので控えましょう。シャワーだけで済ませるか、ぬるめのお湯に短時間浸かる程度にしておくのが安心です。

【症状別】子どもが風邪をひいたときの対処法!

ここからは症状別に、子どもが風邪をひいたときの対処法をご紹介します。

熱があるとき

熱の上がり始めは体をあたためる

熱が上がり始めると、体が震える、手足が冷たくなるなどの症状があらわれます。まだ熱が上がるというサインなので、上着を着せたり、寝るときは掛け布団を1枚足したりしてあたためてあげましょう

熱が上がり切ったら薄着にして冷やす

熱が上がり切ると、顔が赤くなり手足があたたかくなります。体に熱がこもらないように薄着にしてあげましょう。首やわきの下、太ももの付け根など太い血管がある部分に氷枕や保冷剤を当てると体が楽になることもあります。子どもが嫌がらない範囲で、冷やしてあげるのもいいでしょう。

こまめに水分補給をする

発熱して汗をかくと、いつもより脱水を起こしやすい状態になります。脱水を防ぐために、湯冷ましや麦茶、子ども用のイオン飲料などをこまめに飲ませてあげましょう。授乳中の赤ちゃんは、母乳やミルクでもかまいません。

病院で処方された解熱剤を使用する

発熱はウイルスや細菌から体を守るための防御反応なので、基本的に無理に熱を下げる必要はないとされています。とはいえ水分補給ができないほどぐったりしているときや、グズグズしていて眠れないときは解熱剤で一時的につらさを和らげてあげるのも一つの方法です。ただし自己判断での解熱剤の使用は避け、医師から処方されたものを用法用量を守って使用しましょう

喉が痛いとき

喉をうるおす

喉をうるおすと、痛みが和らぐことがあります。こまめに水分補給をしたり、部屋を加湿したりして喉が乾燥しないようにしましょう。またマスクでも喉の乾燥を防ぐことができます。子どもが嫌がらない場合は、マスクを着用させてあげるのもいいでしょう。

喉に優しい食べ物を与える

喉の痛みが強いときは、うどんやおかゆ、プリン、ヨーグルトなど柔らかくて喉越しがいい食べ物がおすすめです。熱いものや酸っぱいもの、硬いものは喉を刺激するので、控えたほうがいいでしょう。

咳がひどいとき

喉に刺激を与えないようにする

咳がひどい場合は、喉の乾燥を防いでできるだけ喉に刺激を与えないようにすることが大切です。そのため湯冷ましや麦茶などでこまめに水分補給をするようにしましょう。また空気が乾燥している場合は、加湿器を使用したり、室内に洗濯物干したりして湿度を適切に保つようにしてください。

上半身を高くして寝かせる

上半身を高くして寝かせると咳が和らぐことがあります。枕やバスタオルなどで上半身を少し起こしたり、縦抱きで抱っこして寝かしつけてあげたりするといいでしょう。

鼻水・鼻づまりがあるとき

鼻水をこまめに取り除く

自分で鼻をかめない子どもは、鼻吸い機やベビーオイルをつけた綿棒で鼻水をこまめに取り除いてあげましょう。無理に取り除こうとすると鼻の粘膜を傷付けることがあるので、鼻吸い機のノズルや綿棒を強く押し当てないようにしてください。

鼻をあたためる

鼻をあたためると粘膜の腫れが治まり、鼻づまりが改善することがあります。お風呂の湯気や沸かしたお湯の蒸気を吸わせたり、鼻の頭を蒸しタオルであたためたりするといいでしょう。

部屋を加湿する

空気が乾燥していると、鼻水の水分が奪われて固まって鼻が詰まりやすくなります。加湿器を使ったり洗濯物や濡らしたタオルを室内に干したりして、適切な湿度を保つようにしてください。

子どもの風邪はオンライン診療で相談!

風邪は自然に治る場合がほとんどとはいえ、子どもがつらそうにしていると病院に行くべきなのか悩みますよね。特に夜間や休日など小児科がやっていないときは、「救急外来に連れて行ってもいいのかな」とためらうこともあるかと思います。そんなときは、小児に特化した医療アプリ「キッズドクター」のオンライン診療が便利です。自宅にいながら、スマホのビデオ通話で医師の診察を受けられます。夜間や休日も利用できるので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

ホームケア