熱性けいれんを起こしやすい子の特徴は?遺伝するの?

子どもの病気


子どもなら誰でも熱性けいれんを起こす可能性がありますが、起こしやすい子には特徴があります。そこでこの記事では、熱性けいれんを起こしやすい子どもの特徴や、熱性けいれんが遺伝するのかなどをご紹介します。

熱性けいれんとは?

熱性けいれんとは、一般的に38℃以上の発熱に伴って起こる乳幼児特有のけいれんのことです。子どもの脳は発達途中なので急に熱が上がると体温の変化に対応しきれず、けいれんが起こるケースがあります。
熱性けいれんが起こるのは生後6ヶ月から5歳頃までといわれており、けいれんを何度も経験している子どもでも小学校低学年ごろまでには起こらなくなります。

熱性けいれんを起こしやすい子どもの特徴は?

個人差はありますが下記の項目に当てはまる子どもは、当てはまらない子どもと比べると熱性けいれんを起こしやすかったり、再発しやすかったりする傾向があります。

  • 近親者に熱性けいれんを起こした人がいる
  • 生後12ヶ月未満で熱性けいれんを起こしたことがある
  • 1時間以内に繰り返し熱性けいれんを起こしたことがある
  • 発熱していないときにけいれんを起こしたことがある

熱性けいれんは遺伝するの?

熱性けいれんは遺伝が関係すると考えられています
1979年に行われた研究では、熱性けいれんを起こした子どもの両親のいずれかに熱性けいれんの既往がある割合は約14%、きょうだいが熱性けいれんを発症した割合は約20%と報告されています。

熱性けいれんを起こしやすい子が注意したい症状は?

熱性けいれんでは、主に下記のような症状があらわれます。

  • 突然意識がなくなり白目をむく
  • 体が反り返ってビクビクする
  • 手足をガクガクふるわせる
  • 顔色が悪くなる
  • 名前を呼んでも反応がない など


これらの症状は、急激に38℃以上の熱が出たときや発熱後1日以内にあらわれることがほとんどです。明らかな予兆はなく突然起こることが多いので、熱性けいれんを起こしやすい子どもは発熱後1日経過するまでは特に注意して見守るようにしましょう。

熱性けいれんが起こったときに下記の症状がみられる場合は特に注意が必要です。重症化するおそれもあるので、すぐに救急車を呼んでください

  • けいれんが5分以上続く
  • けいれんがおさまっても意識や顔色が戻らない
  • 1回の発熱でけいれんを2回以上起こす

熱性けいれんを起こしやすい子は予防できる?

「ダイアップ」という抗けいれん薬で熱性けいれんの再発を予防する効果が期待できるとされており、熱性けいれんを再発しやすい子どもに対して使用されることがあります。

ただしダイアップには一時的な眠気やめまい、興奮状態といった副作用のリスクがあることや、そもそも熱性けいれんは5分以内で治まることが多く後遺症が残ることもほとんどないといったことから、必ずしも熱性けいれんを予防する必要はありません。予防が必要かどうかは、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。

子どもの病気に関する相談はオンラインでも

子どもの体や病気のこととなると、熱性けいれんを含めいろいろなことで不安や悩みがあるかと思います。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。看護師に個別チャットで相談したり、自宅にいながらビデオ通話で医師のオンライン診療を受けたりすることができますよ。困ったときは利用を検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 黒川 剛史
日本外科学会認定外科専門医、日本救急医学会認定救急科専門医。2001年神戸大学医学部卒業。西神戸医療センターにて初期研修を修了。兵庫県災害医療センターにて3次救急に従事後2018年よりシンガポールでの日系クリニック勤務。シンガポール国立大学総合診療卒後教育コースにて総合診療研修を行い、現在子供から大人まで初期診療に従事中。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア