子どもが溶連菌に感染したときの対処法は?喉が痛いときの対策などまとめ

子どもの病気


子どもが溶連菌に感染すると咳が止まらなくなったり、喉が痛くて食事を摂れなくなったりすることがあるため、ホームケア方法に悩みますよね。そこでこの記事では、溶連菌に感染したときの対処法や症状が強いときの対策などをご紹介します。

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症は、咽頭炎の原因菌の一つである溶血性連鎖球菌(溶連菌)により引き起こされる感染症です。4~10歳の子どもを中心に感染し、毎年冬および春から夏にかけて流行します。主な症状は喉の痛みや腫れ、発熱ですが、舌に赤いブツブツができたり全身の発疹を伴ったりすることもあります。

子どもが溶連菌に感染!対処法は?

子どもが溶連菌に感染してもほとんどの場合軽症で済みますが、まれにリウマチ熱や腎炎などを合併することがあります。以下の対処法を参考に、しっかりホームケアを行ってあげましょう。

まずは病院を受診する

子どもの溶連菌感染が疑われるときは、まず受診しましょう。溶連菌感染症は病院で処方される抗生剤の服用により、1~2日で解熱し感染力もなくなるとされています。また抗生剤には合併症のリスクを下げる効果もあるので、溶連菌感染症を疑う症状がある場合は早めに受診し、薬を処方してもらうのが安心です。

抗生剤を最後まで飲み切る

抗生剤は用法用量を守り、決められた日数分を最後までしっかり飲み切ることで十分な効果が得られます。途中で服用をやめると症状がぶり返したり、薬が効かない菌が出現したりするリスクがあります。抗生剤を飲むと数日で症状が軽快しますが、自己判断で服用を中止せず、処方された分を飲み切るようにしてください。

こまめに水分補給を行う

高熱が続くと水分が奪われて脱水を起こしやすくなります。お茶や湯冷まし、乳幼児用イオン飲料、経口補水液などでこまめに水分補給を行ってください。授乳中の場合は母乳やミルクでもかまいません。炭酸飲料や酸味が強い柑橘系のジュースは喉の痛みが強くなるので避けたほうがいいでしょう。

のどごしがよく、消化にいい食べ物を食べさせる

溶連菌に感染していても食欲がある場合は食事をとっても問題ありません。ただ喉の痛みが強かったり胃腸のはたらきが弱まっていたりすることが多いので、のどごしがよく消化にいい以下のような食べ物がおすすめです。

  • おかゆ
  • うどん
  • 茶碗蒸し
  • ゼリー
  • ヨーグルト
  • プリン


症状が改善しないときは再度病院を受診する

なかなか症状が改善しないときや気になることがあるときは再度病院を受診しましょう。とくに以下の症状がみられるときは脱水や合併症を起こしている可能性があるので、すぐに受診してください。

  • 抗生剤を2日以上服用しても解熱しない
  • 泣いても涙が出ず、尿量が少ない
  • 口の中や唇が渇いている
  • 元気がなくぐったりしている
  • 呼びかけても反応しない
  • 呼吸が速く息苦しそうにしている
  • 嘔吐を繰り返している


子どもが溶連菌で喉が痛いときの対策は?

溶連菌に感染すると、喉が強く痛みます。痛みが続くときは、以下の方法でケアしてあげましょう。

喉の乾燥を防ぐ

喉の痛みは、喉の乾燥を防ぐことで和らげられます。部屋を加湿したり、こまめに水分を摂取したりして喉をうるおしましょう。マスクを嫌がらない場合はマスクの着用も効果的ですよ。

喉に優しい食べ物や飲み物を与える

喉が痛いと、水分補給や食事が十分にできないことがあります。喉に刺激を与える炭酸水や、酸味の強い柑橘系のジュース、熱いもの、硬いものは避けましょう。柔らかくて喉越しがいいゼリーやプリン、ヨーグルト、りんごのすりおろしなどがおすすめです。

子どもが溶連菌で熱が下がらないときの対策は?

熱が下がらないときでも、子どもが元気で水分補給ができていれば心配しすぎる必要はありません。高熱で眠れない場合やつらそうにしている場合は以下の対策をとりましょう。

解熱剤の使い方を見直す

熱が上がり切っていないタイミングで解熱剤を使うと熱が下がらないことがあります。体温が高くても手足が冷たく寒そうにしている場合は熱が上がり切っていません。解熱剤の使用は控え、まずは体を温めてあげましょう。熱が上がり切ると手足が温かくなり暑がるようになるので、そのタイミングで解熱剤を使用してください。

薄着にして体を冷やす

高熱がある場合は、熱が発散しやすい状態を作ってあげましょう。熱が上がり切ったのを確認したら、薄着にしたり氷枕で後頭部やおでこ、わきなどを冷やしたりしてあげるといいですよ。子どもが嫌がる場合は無理に冷やす必要はありません。

溶連菌感染症のホームケアに悩んだら…

溶連菌感染症は子どもによって症状がさまざまなので、ホームケア中に不安になることもあるかと思います。そんなときは子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」の無料相談がおすすめです。看護師と個別チャットでやり取りできるので、症状に合わせたアドバイスをもらえます。困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア