子どもの目やにが多い原因や対処法は?

子どもの病気


子どもの目やには珍しいことではありませんが、量が多いと心配になることもあるかもしれません。そこでこの記事では、子どもの目やにが多い原因や、目やにが多いときの対処法をご紹介します。

子どもの目やにが多い!原因は?

子どもは免疫力が低く代謝が活発なので、目やにが出やすい傾向があります。ただ目やにが出る原因はさまざまで、そのまま様子をみて問題ない場合もあれば、病院での治療が必要な場合もあります。以下に子どもの目やにが多くなる主な原因をまとめました。

鼻涙管の閉塞

鼻涙管は目と鼻をつなぐ涙の通り道です。風邪などで鼻が詰まったり鼻の粘膜に炎症が起こったりすると鼻涙管の中の流れが悪くなり、涙が鼻のほうへ流れにくくなります。その結果、目に涙がたまりやすくなり、目やにの増加につながります。

目の表面の刺激

目の表面への刺激も、目やにの原因のひとつです。赤ちゃんはまつげが内側に向かって生える「逆さまつげ」になりやすいため、目の表面が刺激されて目やにが出やすくなることがあります
逆さまつげは2歳頃までに自然と治ることがほとんどですが、重度の逆さまつげで角膜が傷つきやすい状態が続くときは治療を行うこともあります。

免疫反応

ものもらいや結膜炎など目の感染症にかかると、目から細菌やウイルスを排除しようとして目やにの量が多くなることがあります。アデノウイルスによって引き起こされるはやり目(流行性角結膜炎)や、プール熱(咽頭結膜熱)、エンテロウイルスなどが原因の急性出血性結膜炎は子どもの間で流行しやすく、目やにを介して感染が広がることもあるため注意が必要です。

ウイルスが原因の目の感染症には特効薬がないので、対症療法を行いながら自然に治るのを待つのが基本です。細菌感染の併発予防のために抗菌薬の点眼を使用したり、角膜の炎症を抑えるためにステロイド点眼を使用したりすることもあります。

アレルギー反応

花粉やハウスダストなどが原因で目やにが出ることもあります。アレルギーが原因の場合は、くしゃみや鼻水など目やに以外の症状もあらわれます。症状を抑えるために抗アレルギー点眼薬などでの対症療法やアレルゲンへの対策を行います。

子どもの目やにが多いときの対処法5選

ここからは、子どもの目やにが多いときの対処法をご紹介します。

病院を受診する

目やに以外にも症状がある、目やにがなかなか治らないといった場合は、早めに病院を受診しましょう。原因によっては治療が必要だったり、感染対策をしなくてはいけなかったりすることもあるためです。

目やにのほかに発熱や喉の痛みなどの症状があるときは、幅広い観点で診察してもらえる小児科を受診するのがいいでしょう。目やにだけであれば眼科でも問題ありません。ただ年齢が低いうちはまだ自分の症状をうまく伝えられないため、子どもの専門家である小児科医に診てもらうとより安心です。

処方された点眼薬を使用する

目やには適切にケアをすれば自然に治ることも多いですが、症状によっては点眼薬が処方されることがあります。点眼薬は用法用量を守って正しく使用しましょう

濡らしたガーゼなどで目やにを拭き取る

ぬるま湯に浸した清潔なガーゼやタオルなどで目やにを拭き取りましょう。基本的には目頭から目尻に向かって優しく拭き取りますが、目やにがたくさん溜まっているときは軽く押し付けるようにします。ウイルス性の感染症の場合は使用したガーゼやタオルから感染が広がることもあるので、ビニール袋に入れて捨ててください。その後、忘れずに手を洗いましょう。

風邪が原因の場合は鼻づまりを改善させる

風邪で鼻が詰まって目やにが出ている場合は、鼻づまりを和らげることで目やにが改善することがあります。鼻水をこまめに取り除く、お風呂の湯気を吸わせるなどして鼻をあたためる、上半身を少し高くして寝かせるといった対策をとりましょう。

アレルギーが原因の場合はアレルゲンへの対処をする

アレルギーが原因で目やにが出ている場合は、アレルゲンとの接触を避けながら過ごしましょう。アレルゲンが花粉であれば、外出先から帰ってきたときは家に入る前に服や髪についた花粉を払う、花粉の飛散量が多い日は洗濯物を室内に干す、帰宅後すぐに手や顔を洗う、といった対策が効果的です。

アレルゲンがダニやハウスダストの場合は、長時間過ごすリビングや寝室のこまめな掃除や、寝具やソファカバーなど布製品の洗濯が大切です。ダニやカビは高温多湿の環境で発生しやすくなるので、換気をしたり布団を干したりするのもいいでしょう。

子どもの目やにが気になるときはオンラインで相談できます

先にもご説明したとおり子どもの目やにのなかには、そのまま様子をみても問題ないものもあります。ただし、症状のあらわれ方は子どもによってさまざまなので、ホームケア中に不安になったり、受診のタイミングに悩んだりすることもあるかもしれません。そんなときは子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。チャット形式で看護師に個別に相談でき、ホームケア方法や受診の目安などのアドバイスをもらえます。相談は無料なので、困ったときはぜひ検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

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