溶連菌感染症は子どもから大人にうつることもあるの?

子どもの病気


溶連菌感染症の子どもの看病をしていると、大人にもうつるのかなと不安になることもあるかと思います。そこでこの記事では溶連菌感染症が子どもから大人に感染するのかや、うつらないための感染対策などをご紹介します。

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症は咽頭炎の原因菌となる溶血性連鎖球菌(溶連菌)により引き起こされる感染症です。子どもが感染しやすく、春から夏にかけて流行します。

溶連菌に感染すると高熱やのどの痛みなど風邪とよく似た症状が表れるほか、全身に発疹が出たりすることがあります。抗生剤の服用により1週間程度で軽快しますが、まれにリウマチ熱や腎炎などを合併することがあるため、最後までしっかり治療することが大切です。

溶連菌は子どもから大人にうつることもあるの?

溶連菌は子どもの病気と思われることがありますが、感染力が強く大人にもうつることがあります。主な感染経路は飛沫感染と接触感染で、咳やくしゃみによって飛び散った菌を吸い込んだり、菌が付着した手で口や鼻を触ったりすることにより感染します。

大人が溶連菌感染症に感染するとどうなる?

大人が溶連菌に感染すると、2~5日の潜伏期を経て発熱や舌に赤いブツブツが表れるイチゴ舌など、子どもと同様の症状が表れます。大人のほうが軽症とも限らず、高熱やのどの痛みなどつらい症状が続くことがあります。

合併症のリスクは子どもに比べると低いとされていますが、大人にも起こることがあるため、溶連菌の感染症が疑われるときは早めに病院を受診するのが安心です。

子どもが溶連菌感染症になったとき、大人がうつらないためにできる対策は?

溶連菌にはワクチンがないため、ほかの感染症と同じように基本的な感染対策を行うことが大切です。溶連菌感染症の子どものホームケアを行うときは、以下のような対策を行いましょう。

こまめに手洗いやうがいをする

子どもと接触したときや食事の前などに、こまめに手洗いやうがいを行いましょう。手を洗うときはハンドソープを使用し、流水で30秒以上かけてしっかり洗うと、より多くの菌を洗い流せます。

マスクを着用する

子どもの看病をするときはマスクを着用しましょう。溶連菌感染症では咳が出ることは少ないものの、会話をするときに唾液が飛散することがあります。子どもが嫌がらない場合は、子どもにもマスクを着用してもらうとより感染リスクを減らせます。

子どもが触れたものを消毒する

溶連菌にはアルコール消毒が有効です。子どもが触ったドアノブや机など大人がよく触れるところを中心にこまめに消毒するといいでしょう。

子どもに抗生剤を服用させる

溶連菌は抗生剤を服用することにより24時間以内に感染力がなくなるとされています。症状が和らぐだけでなく家族への感染リスクも減らせるので、早めに病院を受診するのがおすすめです。

溶連菌のホームケアに悩んだら…

溶連菌感染症は比較的軽症で済むことが多い病気ですが、高熱が出たり喉が痛くて食事が食べられなくなったりする子どももいるため、ホームケアの方法で悩むこともあるかもしれません。そんなときは医療アプリ「キッズドクター」が便利です。個別チャットで看護師に無料相談ができ、感染対策やホームケアの方法についてアドバイスをもらえます。困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア