子どもが熱を出したときに家庭でできる対処法は?

子どもの病気


子どもが発熱すると自宅での対処法や過ごし方に悩むこともあるのではないでしょうか。そこでこの記事では、子どもが熱を出したときに家庭でできる対処法や、やってはいけないケア方法などをご紹介します。

子どもが発熱しやすいのはなぜ?

子どもは免疫力が低いため、大人に比べて頻繁に熱を出します。また、体温調節機能が未熟で環境による温度変化の影響を受けやすく、高温の場所で過ごしたり厚着しすぎたりしたときに熱を出すこともあります。熱があるからといって重い病気というわけではないので、落ち着いて対処することがポイントです。

子どもが熱が出たときに家庭でできる対処法5選

ここでは、子どもが熱を出したときに家庭でできる対処法をご紹介します。

安静にさせる

発熱するといつもより体力を消耗しやすくなるため、まずは安静にして過ごすことが何よりも大切です。ふだん以上にしっかり睡眠をとり、なるべく静かに過ごしましょう。回復してきても熱がぶり返すこともあるので、しばらくは激しい運動や外出は控えて様子をみてくださいね。

こまめに水分補給をさせる

熱が出て汗をかくと体の水分が奪われます。脱水を防ぐために、こまめに水分補給をさせましょう。水や白湯、麦茶、子ども用のイオン飲料などは、咳や鼻づまりなどの症状を伴うときでも飲みやすいのでおすすめです。赤ちゃんはミルクや母乳でも水分補給ができますよ。

食欲があれば消化がよいものを食べさせる

発熱すると、胃腸のはたらきが弱まって食欲がなくなることがあります。熱が下がれば食欲も戻ることがほとんどなので、水分を摂ることができていれば無理に食べさせる必要はありません

ただし長い時間何も食べない状態が続くと胃腸の機能が低下して回復が遅れることがあるため、子どもが食べたがるものや消化がよいものを食べられそうなタイミングで与えるといいでしょう。脂っこいものや繊維質の多いものは胃腸に負担がかかるため避けると安心です。

温度・湿度を適切に保つ

発熱している子どもが快適に過ごせるように、夏場は25~28℃、冬場は20~25℃くらいを目安に室温を調整しましょう

発熱とともに咳や喉の痛みがあるときは、空気が乾燥していると症状が悪化しやすくなります。加湿器を使用したり洗濯物や濡れタオルを室内に干したりして、湿度を40~60%くらいに保てるといいですね

食べていなくても口の中は清潔に

発熱の原因が感染症の場合、咳や痰、喉の腫れなどによって口内のウイルスが活発になることがあります。あまり食べられないときでも歯磨きをして口の中を清潔に保つようにしてください。起き上がるのがつらそうなときは、水で濡らしたガーゼで口の中を拭ってあげましょう。

子どもの熱が出たときのNGケア

子どもが発熱したとき、次のようなケアはNGとされているので気をつけてくださいね。

自己判断で市販の解熱剤を使わない

発熱はウイルスや細菌から体を守るための防御反応なので、基本的に無理に熱を下げる必要はないとされています。とはいえ水分補給ができないほどぐったりしているときや、怠さが続いて眠れないときなどは、解熱剤で一時的につらさを和らげてあげるのも一つの方法です。ただし自己判断での解熱剤の使用は避け、医師から処方されたものを用法用量を守って使用しましょう

むやみに体を冷やさない

発熱すると「体を冷やさなくては」と思うこともあるかもしれませんが、熱が上がり切るまでは冷やしてはいけません。前述の通り、熱が上がるのは体をウイルスや細菌から守るための防御反応だからです。

熱が上がっていくときは血管が収縮して手足が冷えたり悪寒で体が震えたりするため、体を温めてあげましょう。熱が上がり切ったあと下がり始めたら、手足が熱くなり汗ばんできます。子どもが嫌がらなければ、首や脇の下、足のつけ根など太い血管が通っている部分を冷やしてあげると体が楽になることもあります。汗をかいたときは、こまめに着替えさせてあげてくださいね。

お風呂は無理に入らせない

熱が出ていて元気がないときは、お風呂に入らせるのはやめましょう。入浴は体力を使うため、余計に症状がひどくなることもあります。ただし体が汚れた状態のままだとウイルスや細菌が増殖しやすくなるため、かたく絞った蒸しタオルで体を拭くなどして、できるだけ清潔な状態を保つことが大切です。

熱がそれほど高くなく元気であればお風呂に入ってもかまいませんが、発熱時は特に脱水状態になりやすいので、ぬるめのお湯に短時間だけつかるようにしましょう。お風呂から出た後に湯冷めしないように気をつけてくださいね。

子どもの熱で受診する目安は?

子どもが発熱しても38℃以下で、発熱以外の症状はなく食欲があり、機嫌がよければ、しばらく様子をみてかまいません

以下のような場合は診療時間内に受診をしてください。

  • 急に高熱が出た
  • 熱が3〜4日以上続いている
  • 咳や嘔吐などほかの症状がみられる
  • 一度受診したが熱が下がらない
  • 発疹が出ている


次のような症状がみられるときは、早急に受診する必要があります。夜間や休日は救急外来を受診しましょう

  • 水分がとれず尿が半日以上出ていない
  • 呼びかけに反応せず、ぐったりしている
  • 顔や唇の色が悪い
  • けいれんを起こした
  • 呼吸が早く、息苦しそう
  • 嘔吐を繰り返している
  • 呼吸が浅く、小鼻がぴくぴくしている
  • 生後3ヶ月未満で発熱をしている


子どもの発熱はオンライン診療が便利

子どもはよく熱を出すので、その度に病院へ行くのは大変ですよね。熱がそれほど高くなかったり、発熱以外の症状がなかったりするときは、わざわざ病院へ行くべきか迷うこともあるかもしれません。そんなときは、小児に特化した医療アプリ「キッズドクター」のオンライン診療がおすすめです。自宅にいながらスマホのビデオ通話で医師の診察を受けることができ、発熱時の家庭での対処法なども教えてもらえます。困ったときはぜひ利用を検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 倉田悟子
日本小児科学会認定小児科専門医。2008年鹿児島大学医学部卒業。久留米大学病院で初期臨床研修終了後、2010年から久留米大学小児科学教室に所属。一般小児科(感染症他・予防接種・乳幼児健診)、小児の腎臓病・泌尿器疾患を専門に診療を行う。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア