子どもの感染症は大人にもうつる?大人が注意したい病気は?

子どもの病気


保育園や学校などで集団生活を送る子どもは、流行している感染症にかかってしまうことがしばしばあります。看病をしているママ・パパは、大人にもうつらないのか不安になることもありますよね。こちらの記事では、子どもが感染しやすい感染症の中でも特に大人も気をつけたい感染症と、意識したい感染対策についてご紹介します。

子どもの感染症は大人にもうつるの?

子どもが感染しやすい感染症のなかには、大人にうつるものも数多くあります。なかには妊婦さんがかかるとお腹の赤ちゃんに影響が出る感染症や、低月齢のきょうだいがいる家庭のママ・パパがかかると注意が必要な感染症もあります。

子どもの感染症を大人がもらわないための対策は?

体が発達途中の子どもと感染症は切っても切れない関係です。特に保育園や学校に通う子どもがいる家庭ではママ・パパの感染対策も大切です。ここからは子どもの感染症をもらわないための対策をご紹介します。

子どもの予防接種

予防接種を受けられる感染症は、ワクチンを接種することで感染リスクや感染してしまった際の重症化リスクを低くすることができます。子どもの感染リスクが低ければ、大人ももらう可能性が低くなります。

またインフルエンザワクチンは大人も毎年接種できるので、受けておくことで自身の感染予防、家族の感染予防にも繋がります。

基本的な感染対策

感染症の多くは咳やくしゃみなどを介してうつる飛沫感染とウイルスがついたものを触ってうつる接触感染によって感染します。子どもの保育園などで感染症が流行しているときは特に手洗い・うがい、手指の消毒、マスクの着用など基本的な感染予防を徹底しましょう。

また子どもが感染症にかかってしまった時はタオルや食器などウイルスがつきそうなものは共用せず、必要に応じて分けて洗うようにしてください。

子どもが感染した際の早めの受診と治療

子どもが体調不良の際、早めの受診をして検査してもらったり、薬の処方や必要な治療をしてもらったりすることで回復が早まり、ママ・パパへの感染リスクを下げられることがあります。

おむつや嘔吐物の適切な処理

症状がおさまった後も便からウイルスが排出される感染症があります。おむつ交換後は特に手洗いと手指の消毒をしっかりしましょう。また嘔吐物の処理をするときは使い捨てのマスクやゴム手袋を着用し、処理した後は塩素系消毒液を吹きかけて消毒するようにしてください。

大人が気をつけたい、子どもが感染しやすい感染症10選!

ここからは子どもから大人にも感染する感染症の症状と治療方法、自宅で気をつけるポイントなどを説明します。

溶連菌感染症

突然の発熱と喉の痛みの後に全身に発疹が出たり舌が赤くなったりするのが特徴です。感染力が強く、大人も子どもと同じような症状が出ます。

症状

2〜5日の潜伏期間を経て

  • 38℃以上の発熱
  • 喉の腫れ、痛み
  • 全身に痒みのある赤くて細かい発疹があらわれる
  • 舌が赤くなりブツブツができる(いちご舌)


回復時に下記のような症状が見られることがあります。

  • 手や足の指先から皮がめくれる


まれに下記のような合併症を引き起こすことがあります。

  • 中耳炎
  • 副鼻腔炎
  • リンパ節炎
  • 急性腎炎
  • リウマチ熱


大人への感染を防ぐポイント

感染力は症状が出始めた頃(急性期)が最も強く、抗菌薬を飲むと24時間以内に感染力がなくなります。症状の出始めは特にママ・パパにうつらないよう注意してください。

治療・ケア方法

抗菌薬が処方されます。熱は数日で下がり、発疹は1週間ほどで治りますが、合併症を防ぐため症状がおさまっても薬は最後まで飲み切るようにしてください。

ヘルパンギーナ

突然の発熱と喉の奥にできる小さな水ぶくれ状の発疹が特徴です。大人にうつると子どもより症状が強く出る傾向にあり、治るまでの期間も長くなりがちです。

症状

2〜4日の潜伏期間を経て

  • 38℃以上の急な発熱
  • 口内や喉の奥に水ぶくれ状の発疹ができる
  • 発疹が口の中で破れることによって生じる喉や口腔内の痛み
  • 食欲不振
  • 全身のだるさ


大人が感染した場合下記のような症状が出ることがあります。

  • 筋肉痛
  • 頭痛
  • 関節痛


口内の痛みによって下記の症状が引き起こされることがあります。

  • 水分を摂取できないことによる脱水症


大人への感染を防ぐポイント

子どもの症状が治った後も2〜4週間に渡って便からウイルスが排出されていることがあります。おむつ交換後はしっかりと手洗い、手指の消毒をするようにしましょう。

治療・ケア方法

ウイルスに対する特効薬はないため、安静に療養して自然と回復するのを待ちます。熱が高かったり喉が痛かったりしてつらいときは解熱剤や痛みどめが処方されることがあります。
喉の痛みで水分が飲み込みづらいですが、脱水症にならないよう少量ずつこまめに水分補給することを意識してください。

手足口病

手足や口の中に水ぶくれ状の発疹が出るのが特徴です。大人は子どもより症状が重くなる傾向があり、発疹の痒みや痛みが強くあらわれるといわれています。

症状

大人が感染した場合、下記のような初期症状があります。
3〜5日の潜伏期間を経て

  • 発熱
  • 全身倦怠感
  • 関節痛
  • 頭痛
  • 喉の痛み
  • 下痢・嘔吐


その後下記のような症状が現れます。

  • 手足に水ぶくれ状の発疹が出る
  • 口の中に水ぶくれ状の発疹が出る
  • 発疹の痛み・痒み


大人への感染を防ぐポイント

症状が消えた後も2〜4週間ほど便からウイルスが排出されています。子どもが感染した際はおむつ交換後の手洗いをいつもよりしっかり行い、手指の消毒をしましょう

治療・ケア方法

ウイルスに対する特効薬はないため、安静にして療養します。発疹の痛みや痒み、発熱に対して解熱剤や鎮痛薬で対症療法を行うことがあります。
ウイルスの感染力は強くなく出勤停止などの規定もありませんが、くしゃみや咳、ウイルスがついたものを触るなどして感染するため、周りにうつさないためにも手洗い・うがいの徹底やマスクをするなど基本的な感染対策を心がけましょう。

アデノウイルス感染症

喉の痛みや結膜炎、胃腸炎など、感染するウイルスの型によって様々な症状が現れます。感染力が強く、大人も子どもと同じような症状が出ます。

症状

アデノウイルス感染症は、ウイルスの型によってあらわれる症状が異なります。下記ではアデノウイルスが引き起こす病気ごとに症状を説明します。

咽頭結膜炎(プール熱)

  • 39℃以上の発熱
  • 喉の腫れ、痛み
  • 目の充血
  • 目やに
  • 目の痛み、かゆみ
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • リンパ節の腫れ、痛み


流行性角結膜炎(はやり目)

  • 目の充血
  • 目やに
  • まぶたの腫れ
  • 目の周辺やあごの下のリンパ節の腫れ


呼吸器感染症

  • 発熱
  • 喉の痛み
  • 鼻水


胃腸炎

  • 腹痛・下痢
  • 吐き気・嘔吐
  • 微熱


どの症状も潜伏期間は5〜7日とされています。

大人への感染を防ぐポイント

咳やくしゃみからうつる飛沫感染とウイルスがついたものに触れてうつる接触感染が多いため、こまめな手洗いと手指の消毒、タオルや食器は共用しないなどを徹底します。症状が治っても便からウイルスが排出されることがあるため、子どもが感染したときのおむつ交換後の手洗いは特にしっかりと行ってください
胃腸炎の症状があり嘔吐物を処理するときは、使い捨てのマスクやビニール手袋を使い、塩素系消毒液で消毒するようにしましょう。

治療・ケア方法

ウイルスに対する特効薬はないため、安静にして療養します。発熱に対して解熱剤、喉の痛みに対して鎮痛剤などを処方されることがあります。
プール熱やはやり目の症状で目やにが出る場合は、濡らしたガーゼなどで優しく拭き取りすぐに捨てるようにしてください。

RSウイルス感染症

鼻水、咳、発熱など風邪のような症状が現れます。大人にもうつりますが、軽い風邪のような症状で済むことがほとんどです。

症状

2〜8日の潜伏期間を経て

  • 発熱
  • 鼻水


大人への感染を防ぐポイント

手洗いやうがい、マスクをするなど基本的な感染対策を徹底します。

治療・ケア方法

一般的な風邪のときと同じで、こまめに水分補給をしてしっかり休養しましょう。

ヒトメタニューモウイルス感染症

咳、発熱、鼻水など風邪のような症状が特徴です。大人にもうつりますが、軽い症状で終わることがほとんどです。

症状

4〜5日の潜伏期間を経て

  • 喉の痛み
  • 鼻水
  • 発熱


大人への感染を防ぐポイント

手洗いやうがい、手指の消毒、マスクをするなど基本的な感染対策を徹底します。
大人が感染した場合、ほとんどは子どもがかかるよりも軽い症状で終わるといわれていますが、高齢者が感染すると重症化するリスクが高くなるため、おじいちゃんおばあちゃんなどと会うのは避けた方が良いでしょう。

治療・ケア方法

特効薬はないため、こまめに水分補給をしながら療養します。熱が高いときや喉の痛みが強いときに解熱剤や鎮痛薬が処方されることがあります。

百日咳

長期間に渡って咳が出る感染症です。大人にもうつりますが、特徴的な「連続して起こる短い咳」の症状は出ないこともあります。

症状

百日咳の症状は3段階に分けられます。
5〜10日の潜伏期間を経て
(カタル期)約2週間

  • 一般的な風邪のような症状から始まり、徐々に咳の回数と激しさが増していく


(痙咳期)2〜3週間

  • 短い咳が連続して何度も出るようになる
  • 続いて息を吸う時に「ヒュー」という笛のような音が出る


この時まれに下記のような症状が見られることがあります。

  • 顔面の腫れ
  • 咳込んだ後の嘔吐


(回復期)

  • 激しい咳は徐々に少なくなって見られなくなるが、その後も突然咳き込むことがある
  • 2〜3ヶ月かけて完全に症状がなくなる


大人への感染を予防するポイント

生後3ヶ月から接種できる四種混合ワクチンを子どもが受けることで、子どもも大人も感染予防ができます。
子どもがかかってしまった場合はできるだけ早く受診して治療を受けさせつつ、ママ・パパはマスクの着用や手洗い・うがいなど基本的な感染対策を徹底してください。

治療・ケア方法

百日咳に対する抗菌薬が処方されます。早期(カタル期)に受診して薬を服用すれば、5日ほどで菌がいなくなるとされています。症状に応じて咳止めや痰を出しやすくする薬などが処方されることもあります。咳を少しでも軽くするために、部屋はしっかりと加湿しましょう。

リンゴ病

両頬が赤くなったり、手足に網目状の発疹が出たりするのが特徴です。大人は感染しても発疹の症状が軽いことが多いですが、妊婦が感染すると胎児に影響が出る可能性があるため注意が必要です。

症状

10〜20日間の潜伏期間を経て

  • 両頬に発疹ができ、りんごのように赤くなる
  • 発疹が手足にレース状に広がる


発疹が出る頃はほとんど治りかけで、頬が赤くなる1週間〜10日前に下記のような症状が出ることがあります。

  • 風邪の諸症状(微熱、鼻水、咳、倦怠感、頭痛など)
  • 筋肉痛
  • 関節痛


大人への感染を予防するポイント

頬が赤くなり発疹が現れてリンゴ病と診断される頃には感染力がありません。ウイルスが排出されているのは、頬が赤くなる前の風邪の症状などが現れている頃です。子どもが通っている保育園などでリンゴ病が流行しているときは、マスク着用や手洗い・うがいなどの感染予防を徹底しましょう。

前述の通り、妊婦さんが感染すると胎児に感染するおそれがあります。ママが妊娠している家庭では、基本的な感染対策をいつも以上に徹底するようにしてください。

治療・ケア方法

特定の治療薬はなく、安静にして療養します。発疹や頬の赤みは1週間前後で回復します。発疹の痒みが強い場合は塗り薬が処方されることがあります。

ノロウイルス感染症

ノロウイルスを含んだ水や食物を口にすることによって起こる胃腸炎です。感染した子どもの便や嘔吐物を介してうつり、子どもと同じ症状を発症します。

症状

1〜2日の潜伏期間を経て

  • 急激な嘔吐
  • 腹痛、下痢
  • 発熱(ない場合もある)

強い嘔吐症状は1〜2日、下痢は1週間程度で落ち着きます。

大人への感染を防ぐポイント

感染している子どもが使った食器は分けて洗い、洗浄後は熱湯をかけたり塩素系消毒液に浸したりして消毒するのがおすすめです。
おむつ交換後は速やかに手洗い・手指の消毒をするようにしてください。嘔吐物を処理するときは、使い捨てのマスクやゴム手袋を着用してしぶきが飛ばないように拭き取り、塩素系消毒液で拭き取り消毒をしましょう

治療・ケア方法

ウイルスに対する特効薬はありませんが、症状に応じて整腸剤が処方されることがあります。嘔吐や下痢によって水分が奪われやすいため、経口補水液などで水分補給を意識的にするようにしてください。

インフルエンザ

急な高熱や頭痛、喉の痛み、関節痛など全身に症状が出る感染症です。毎年冬に流行し、大人も子どもも同じような症状があらわれます。

症状

1〜3日の潜伏期間を経て

  • 38℃以上の急な発熱
  • 鼻水
  • 喉の痛み
  • 頭痛
  • 筋肉痛、関節痛
  • 倦怠感


まれに下記の症状が出ることもあります。

  • 腹痛
  • 下痢、嘔吐


大人への感染を防ぐポイント

大人に限ったことではありませんが、予防接種を受けることで感染リスクやかかったときに重症化するリスクを軽くすることが期待できます。

治療・ケア方法

症状に応じて抗ウイルス薬が処方されることがあります。高熱が出ることで汗をかいて体の水分が奪われるため、経口補水液などでこまめに水分補給をしながら安静にして療養しましょう。

親子での受診はオンラインが便利!

子どもの感染症がママ・パパにうつってしまったとき、自分もつらい中、体調が万全でない子どもを連れて病院に行くのは大変ですよね。オンライン診療が受けられるアプリ「キッズドクター」なら、自宅にいながら診察を受け、医師が必要と判断した場合は薬の処方をしてもらえるので、体調不良時の通院の負担が軽くなります。困った時は利用を検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 臼井彩香
小児科専門医。2018年日本医科大学医学部卒業。国立病院機構埼玉病院の小児科コースにて初期研修を修了。同病院にて小児科後期研修を行う。研修の一環として慶應義塾大学病院、上尾中央総合病院、国立病院機構西埼玉中央病院にて一般的な疾患から希少疾患まで幅広い小児疾患の診療を行う。2023年より国立病院機構埼玉病院小児科・新生児科として勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

キッズドクター