子どもがかかりやすい夏風邪3種!症状や予防法まとめ

子どもの病気


夏は冬より感染症が流行しにくいイメージがありますが、夏に子どもがかかりやすい代表的な夏風邪がいくつかあります。この記事では子どもがかかりやすい夏風邪の症状や予防法についてまとめました。

夏風邪とは?

6月末〜8月頃に流行するウイルスや細菌によって引き起こされる鼻やのどの急性炎症を、一般的に「夏風邪」といいます。嘔吐や下痢などの胃腸症状を伴うこともあります。

夏に子どもがかかりやすい代表的な夏風邪に「プール熱」「ヘルパンギーナ」「手足口病」があります。

子どもがかかりやすい夏風邪は3種類!症状は?

子どもがかかりやすい夏風邪である、プール熱・ヘルパンギーナ・手足口病についてそれぞれまとめました。症状は似ていますが、発疹や発熱、結膜炎の症状の有無に違いがあります。

子どもがかかりやすい夏風邪① プール熱

プール熱とは?

プール熱は正式には「咽頭結膜熱」といい、1〜12歳の子どもが感染しやすい感染症です。「アデノウイルス」が原因で起こります。感染力が強く、飛沫感染や接触感染で感染が広がります。

学校保健安全法で「第2種感染症」に指定されており、プール熱に感染すると出席停止になります。出席停止期間は「主要症状が消失した後2日を経過するまで」と定められています。

プール熱の主な症状

プール熱の主な症状は下記のとおりです。

  • 38~39度くらいの高熱(4~5日続く)
  • のどの痛み
  • 目やに、涙が出る
  • 目のかゆみ、充血


目に結膜炎の症状が出るのが特徴的です。安静にしていれば4〜5日ほどで回復しますが、まれに中耳炎や副鼻腔炎、肺炎を起すことがあります。注意して経過を観察しましょう。

子どもがかかりやすい夏風邪② ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナとは?

ヘルパンギーナは「コクサッキーウイルス」や「エンテロウイルス」などにより引き起こされる病気です。ウイルスの型がいくつかあるため、1シーズンで何度もかかることもあります。4歳以下、特に1歳くらいの子どもが感染しやすい傾向にあります。飛沫感染や接触感染で感染が広がります。

ヘルパンギーナの主な症状

ヘルパンギーナの主な症状は下記のとおりです。

  • 38~39度くらいの高熱
  • のどの痛み
  • 口の中に水ぶくれのような発疹ができる


ヘルパンギーナの特徴は口の中にできる水ぶくれのような発疹がです。この発疹のせいで食事や水分がとりづらくなるので、脱水に注意する必要があります。ほとんどの場合、安静にしていれば7日ほどで後遺症もなく回復します。

子どもがかかりやすい夏風邪③ 手足口病

手足口病とは?

手足口病は、「コクサッキーウイルス」と「エンテロウイルス」が原因で起こる夏風邪です。生後6ヶ月〜5歳の子どもがよくかかります。感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染すること)です。原因となるウイルスの種類が多く、繰り返し感染することもあります。

手足口病の主な症状

手足口病の主な症状は下記のとおりです。

  • 手・足・口の中に水ぶくれのような発疹
  • 微熱(37~38度くらい)が出ることもある


手足口病の特徴的な症状は、口の中・手のひら・足などにできる水ぶくれのような発疹です。発熱する確率は3分の1程度で、熱が出たとしても微熱です。安静にしていれば数日のうちに治りますが、口の中にできた発疹がつぶれて口内炎になり、食事や水分がとれなくなる場合もあるので、脱水には注意しましょう。

子どもの夏風邪を予防するには?

子どもがかかりやすい3種の夏風邪には予防接種がないため、予防するには基本的な感染対策が大切です。ここからは夏風邪を予防する方法をご紹介します。

夏風邪予防① こまめに手洗いをする

外から帰ってきたとき、食事の前、トイレの後などにこまめに手洗いをしましょう。石鹸で指先までしっかりと洗い、水で十分に流した後は清潔なタオルやペーパータオルで水分をよく拭き取りましょう。

とはいえ小さな子どもの手をこまめに洗うのは大変…というときは、手拭き用のウエットティッシュなどを使って拭いてあげるといいですよ。

夏風邪予防② 規則正しい生活をおくる

栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠など、規則正しい生活を送ると免疫が高まり、夏風邪にかかりにくくなります。周囲で夏風邪が流行りだしたら、いつも以上に意識して睡眠時間を確保するなど、生活を整えるようにしたいですね。

夏風邪予防③ 食器やタオルを分ける

夏風邪は感染者の飛沫を吸い込んだり、飛沫がついたものを触ったりすることで感染が広がります。家庭内で夏風邪に感染している人がいる場合は、食器やタオルを分けて使うと安心です。

子どもが夏風邪に感染したらどうする?

夏風邪は1週間ほどで回復することがほとんどです。ワクチンも特効薬もないので、感染したらホームケアを行いながら様子を見ましょう。ホームケアのポイントをまとめました。

夏風邪のケア① 水分をしっかり摂らせる

こまめに水分を摂取させましょう。特に熱が出ているときは体内の水分や塩分が失われて脱水を起こしやすいため、いつも異常に意識して水分補給をさせてください。子どもが飲みたがるものであればジュースでもかまいません。少しずつこまめに飲ませてあげましょう。

夏風邪のケア② 安静にさせる

夏風邪の症状があるときは、安静にさせることが元気になるためにとても大切なことです。元気であれば無理に寝かせなくてもいいですが、部屋の中でできるだけ静かに過ごすようにしましょう。

夏風邪のケア③ 食べられるものを食べさせる

ヘルパンギーナや手足口病に感染すると口の中に水ぶくれのような発疹ができるため、痛みで食事がしづらくなることがあります。食べられないときは無理して食事をとらせる必要はありません。子どもが食べられるものを、好きなタイミングで食べさせてあげましょう。

夏風邪のケア④ 症状が改善しないときは受診する

夏風邪は自然と警戒することがほとんどですが、まれに重症化したり、夏風邪以外の感染症に感染してしまう場合もあるので、下記のような症状のときは早めに受診してください。

  • 水分がとれなくておしっこが出ない
  • 顔色が悪く、ぐったりしている
  • 発熱が5日以上続いている


子どもの夏風邪はオンライン診察も

子どもが風邪をひくたびに受診するのは大変ですし、他の感染症のリスクも心配ですよね。そんなときは自宅にいながら医師の診察を受けられる、オンライン診療を利用するのも一つの手です。子どものオンライン診察アプリ「キッズドクター」なら、子どもの診察に慣れた医師が対応するので安心です。困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 倉田悟子
日本小児科学会認定小児科専門医。2008年鹿児島大学医学部卒業。久留米大学病院で初期臨床研修終了後、2010年から久留米大学小児科学教室に所属。一般小児科(感染症他・予防接種・乳幼児健診)、小児の腎臓病・泌尿器疾患を専門に診療を行う。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

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