ヒトメタニューモウイルスと風邪の違いは?
春先に流行し、3月〜6月に感染のピークを迎えるヒトメタニューモウイルス感染症。主な症状は発熱や咳、鼻水ですが、風邪とはどう違うのでしょうか?ヒトメタニューモウイルス感染症の症状や風邪との違いをご紹介します。
ヒトメタニューモウイルスとは?
ヒトメタニューモウイルスは、「ヒトメタニューモウイルス感染症」を引き起こすウイルスです。1~3歳の子どもが感染しやすく、2歳までに約半分、10歳までにほぼすべての子どもが感染します。1度だけでなく、何度も感染を繰り返すこともあります。
ヒトメタニューモウイルスと風邪の違いは?
風邪は、熱・せき・鼻水などの症状の総称です。風邪の多くはウイルスによって引き起こされ、そのウイルスの種類は200種類以上もあります。ヒトメタニューモウイルスは、その200種類ある風邪ウイルスのひとつ。つまりヒトメタニューモウイルスも風邪の一種です。
ただ小さな子どもや高齢の方がヒトメタニューモウイルスに感染すると、普通の風邪よりも症状が強く出たり、重症化して気管支炎や肺炎などを引き起こしたりすることがあり、注意が必要です。ヒトメタニューモウイルスと風邪の特徴の違いを下記にまとめました。
感染しやすい年齢
ヒトメタニューモウイルス
1〜3歳頃
風邪
幅広い年齢の人が感染する
流行する時期
ヒトメタニューモウイルス
3〜6月頃
風邪
通年あるが、冬に増える
症状・重症化リスク
ヒトメタニューモウイルス
風邪の症状と似た下記のような症状があらわれます。
- 発熱(高熱がでることが多い)
- 咳
- 鼻水
ただ、重症化すると気管支炎や肺炎が起こり、下記のような症状が伴うことがあります。
- 長く続く咳や高熱
- ゼーゼー、ヒューヒューという音の呼吸
- 呼吸困難
また15〜20%ほどの確率で中耳炎が合併します。
風邪
下記のような症状が特徴です。一般的な風邪の場合、重症化のリスクはほとんどありません。
- 発熱(微熱のことが多い)
- くしゃみ、咳
- 鼻水、鼻づまり
治療方法
ヒトメタニューモウイルスにも風邪にも、特効薬はありません。感染したら症状を和らげるための対症療法を行います。
ただヒトメタニューモウイルス感染症が重症化した場合は、入院などが必要になることもあります。
子どもにヒトメタニューモウイルスの症状があるときはどうしたらいい?
子どもにヒトメタニューモウイルスの症状があるときの対処方法は、以下の通りです。
病院を受診する
ヒトメタニューモウイルスに感染しても、軽い症状の場合は特別な治療をしなくても自然に治ります。しかし小さな子どもの場合は重症化のリスクがあるため、保育園など周りでヒトメタニューモウイルスが流行しているときに子どもに風邪のような症状が表れた場合は、早めに病院を受診するのがいいでしょう。
水分を摂らせる
熱が出ているときは、体内の水分や塩分が失われて脱水を起こしやすくなります。水分を少しずつこまめに飲ませてあげましょう。
安静にさせる
ヒトメタニューモウイルス感染症の症状があるときは、体力を消耗させないように安静にさせましょう。元気な場合は無理に寝かせなくてもいいですが、部屋のなかで静かに過ごしましょう。
家庭内での感染を防ぐ
ヒトメタニューモウイルスは大人も感染します。看病するパパやママにうつってしまっては大変なので、看病をするときはマスクをつけたり手洗いうがいをしたりと、感染対策を行いましょう。兄弟がいる場合は食器やタオルを分けるなどして、家庭内での二次感染を防ぐことが大切です。
子どもの受診はオンラインも
子どもの体調が悪く受診したいけど、病院に連れて行くのが大変…。そんなときは、自宅で医師の診察が受けられるオンライン診療を選ぶ方法もあります。子どもの医療アプリ「キッズドクター」なら子どもに慣れた医師の診察をオンラインで受診でき、医師が必要と判断した場合は薬も処方してもらえます。困ったときは検討してみてくださいね。