子どものインフルエンザの予防接種は1回だけでも効果があるの?

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子どもにインフルエンザ予防接種を受けさせるとき、必ず2回接種しなくてはいけないのか、それとも1回だけでも効果はあるのか気になるママ・パパも多いのではないでしょうかこの記事では、子どものインフルエンザ予防接種は1回のみでも効果があるのかをはじめ、受ける時期や料金、注意点をご紹介します。

子どものインフルエンザに注意!

保育園や幼稚園など集団生活の場でインフルエンザが流行すると、あっという間に感染が拡がります。子どもがインフルエンザに感染すると大人より重症化するリスクが高く、まれに脳症や肺炎などの合併症を引き起こす場合もあるため、注意して見守ることが大切です。

子どものインフルエンザは予防接種で防げるの?

インフルエンザの予防接種をしても、絶対に感染しないわけではありません。

しかし予防接種をすることで、インフルエンザウイルスが体内に入ってきたときに発症を防ぐ効果があります。厚生労働省によると、6歳未満の子どもを対象とした2015〜16年の研究では、発症防止に対するインフルエンザ予防接種の有効率は60%と報告されています。

またインフルエンザの予防接種を受けることで、いざ発症したときに重症化するリスクを下げることもできます。インフルエンザ予防接種の最も大きい効果は、この重症化を防ぐことだといわれています

子どものインフルエンザワクチンは1回だけ接種しても効果がある?

従来の注射で接種する子どものインフルエンザの予防接種は、1回だけでは重症化を防ぐために必要な免疫ができず、十分な効果が期待できませんそのため厚生労働省や日本小児科学会は、生後6ヶ月〜12歳(13歳未満)の子どもは2回接種することを推奨しています

ただし1回だけの接種でも、一度も接種をしないよりは発症や重症化を防ぐ効果はあると考えられます。なお、13歳以上は基本的に1回接種です。

またWHO(世界保健機関)は、9歳未満の子どもが生まれて初めて接種を受ける場合のみ2回接種、翌年からは1回接種が適切との見解を示しています。詳しい接種回数については、かかりつけの小児科や病院の医師と相談してみてくださいね。

また2024年から、鼻から噴霧する点鼻薬タイプのワクチンが、2〜18歳の子どもを対象に接種できるようになりました。この点鼻薬タイプのワクチンは生ワクチンで、接種後に得られる免疫が強いため、接種は1回(左右に1噴霧ずつ、合計2噴霧)で済みます

子どものインフルエンザの予防接種情報まとめ

子どものインフルエンザの予防接種について、受ける時期・回数、料金、注意点をまとめました。

受ける時期・回数

インフルエンザは例年12月頃から流行がはじまり、1月末~3月上旬に流行のピークを迎えます。そのため、10月頃に1回目を接種し、2~4週間(できれば4週間)あけて11月中に2回目を接種するのが望ましいとされています。

多くの病院では毎年10月上旬から接種を開始するので、接種スケジュールを相談してみましょう。

料金

インフルエンザの予防接種は任意接種のため、基本的に全額自己負担です。接種料金は病院によって異なりますが、1回あたり3,000~5,000円ほどのところが多く、2回接種すると6,000~10,000円ほどかかります。点鼻薬タイプのワクチンは、1回8,000〜9,000円前後のことが多いようです

自治体や加入している健康保険によっては、費用の一部を助成している場合もあります。お住まいの地域の保健センターや健康保険のサイトなどで確認してみてくださいね。

注意点

インフルエンザの予防接種をすると、子どもか大人かに関係なく接種者の約10〜20%に接種部位の腫れ・赤み・痛み、約5~10%に発熱や頭痛、寒気、だるさといった副反応がみられます。これらの副反応は基本的に2~3日で自然に治まります

ただまれに、アレルギー反応を起こして発疹や呼吸困難などがあらわれることがあります。アレルギー反応は接種後すぐに起こることが多いので、接種してから30分は病院内か近くで過ごすようにしましょう。帰宅後に異常があらわれたときは、すぐに予防接種を受けた病院を受診してください。

生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、インフルエンザの予防接種を受けることはできません。ワクチンの効果や副反応に関するデータが十分でないこと、生後半年頃までは母体から受け継いだ免疫によって感染症にかかりにくいことなどが理由です。

インフルエンザかも?と思ったら…

子どもがインフルエンザの予防接種を2回受けていても、どうしても感染してしまうことはあります。急な発熱や倦怠感など「インフルエンザかも?」と思う症状があらわれると心配になりますよね。子どもの発熱や体調不良で不安があるときは、看護師に無料で相談できる「キッズドクター」のチャット健康相談が便利です。ぜひ利用を検討してみてしてくださいね。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア