インフルエンザは自宅で検査できる?子どもが検査するときの注意点

子どもの病気


インフルエンザを疑う症状が出たときは、適切なタイミングで検査をすることが大切です。とはいえ熱が出るたびに子どもを病院に連れて行くのは大変なので、まずは自宅で検査ができると助かりますよね。そこでこの記事では、インフルエンザは自宅で検査できるのかや、子どもが検査するときの注意点などをご紹介します。

子どものインフルエンザの検査は自宅でできるの?

ドラッグストアや調剤薬局、インターネットで販売されている「抗原検査」キットを使えば、自宅でも子どものインフルエンザの検査ができます

自宅で抗原検査を行うと、体内にインフルエンザウイルスが存在することが確認できれば「陽性」、確認できなければ「陰性」の結果が出ます。

ただし体内のウイルス量がまだ少なかったり、採取した検体の量が足りなかったりした場合、実際には感染していても結果が「陰性」になることがあります。つまり抗原検査の結果が陰性だったとしても、インフルエンザに感染していないとは言い切れません

また病院で行う「迅速抗原検出キット」を使っての検査に比べて精度が低くなる可能性もあり、自宅での抗原検査の結果は目安だと考えるのが良いでしょう。

なお、一般的に市販されている抗原検査キットのほとんどはインフルエンザのみではなく、新型コロナウイルスと同時に検査するものです。

自宅でインフルエンザの検査をする方法は?

ここからは自宅でインフルエンザの検査をする際の基本的な方法をご紹介します。ただし検査キットの種類によって判定時間などが異なるので、必ず添付の説明書を確認しましょう。

1. 鼻から検体を採取する

鼻の粘膜から検体を採取します。キットに付属している綿棒を子どもの鼻の穴に1cmほど入れ、5回くらい回転させたあと数秒間待ってからゆっくり引き抜きます。子どもが途中で動くと危ないので、仰向けに寝かせて頭と両腕をしっかり固定してから行いましょう。

2. 検査液を作る

鼻から出した綿棒をチューブ型の容器に入れて検査液を作ります。容器の外側から綿球をもみながら10回ほど綿棒を回転させ、その後取り出します。取り出した綿棒はビニール袋に入れて破棄しましょう。

3. 検査キットに検査液を垂らす

判定用のプレートを平らな場所に置き、2で作った検査液を垂らします。説明書に記載されている時間が経過するまでそのまま待ちましょう。その際、タイマーなどを使って時間を正確に計ることが大切です。

4. 判定する

指定の時間が経過したら、判定用プレートのラインの有無を確認します。指定時間より長く置くと正確な判定結果が確認できないこともあるため、必ず時間を守ってください

結果を確認する際に判定部分の写真を撮っておくと受診時に役立ちます。症状が出た時間と検査キットを使用した時間もメモしておくといいでしょう。

自宅でインフルエンザの検査を行うタイミングは?

インフルエンザの検査を行うタイミングは、発熱などの症状が出始めてから12時間後~48時間以内が望ましいとされています。

症状が出始めてしばらくは体内のウイルス量が少なく正しい検査ができない可能性があります。また発症してから48時間以内に薬の服用を始めることが望ましいため、遅くとも発症から48時間以内に検査するようにしましょう。

自宅で子どものインフル検査を行うときに注意したいことは?

自宅で子どものインフルエンザの検査をするときは、次のことに注意しましょう。

国が承認した検査キットを選ぶ

自宅でインフルエンザの検査をする際は、「体外診断用医薬品」または「第1類医薬品」と書かれた検査キットを使用してください。「研究用」と書かれた検査キットは国の承認を得ておらず、性能などが確認されていません。

検査キットの金額を確認する

検査キットの購入に医療保険や医療費控除は適用されません。全額自己負担となるため、事前に金額を確認しておくと安心です。

説明書に記載の検査方法を守る

先にお伝えした通り、検査キットの種類によって手順や判定までの時間などが異なります。正確な検査ができないことがあるので、必ず添付の説明書に記載された方法で検査を行いましょう

検査結果にかかわらず子どもは病院を受診する

抗原検査の結果が陽性の場合は、早めに病院を受診しましょう。また前述のように、陰性でもインフルエンザでないとは言い切れません。特に子どもは重症化するリスクもあるので、インフルエンザを疑う症状が続くときは、自宅での検査結果にかかわらず病院を受診するのがいいでしょう

使用済みの検査キットはすぐに密閉して捨てる

検査で使用した綿棒や判定用のプレートなどには、インフルエンザウイルスが付着しています。感染リスクがあるので、検査後はすぐにビニール袋に入れて密閉して捨てましょう

検査で陽性が出たら、オンラインで相談できます

自宅でインフルエンザの抗原検査をして陽性だった場合は、病院を受診する必要があります。とはいえ、高熱でつらそうにしている子どもを連れて病院に行くのは大変ですよね。そんなときは、自宅からオンラインで医師の診療が受けられるアプリ「キッズドクター」が便利です。自宅での検査結果が陽性だった場合、必要に応じてタミフルなどの抗インフルエンザ薬を処方することもできます。夜間や休日も利用できるので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 黒川 剛史
日本外科学会認定外科専門医、日本救急医学会認定救急科専門医。2001年神戸大学医学部卒業。西神戸医療センターにて初期研修を修了。兵庫県災害医療センターにて3次救急に従事後2018年よりシンガポールでの日系クリニック勤務。シンガポール国立大学総合診療卒後教育コースにて総合診療研修を行い、現在子供から大人まで初期診療に従事中。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア