子どものはしか(麻疹)の症状は?感染したら、保育園はいつから行ける?
感染力が非常に強いはしか。国内で感染者が発生するのは極まれですが、合併症が起こりやすい病気なので症状などを知っておきましょう。そこで今回は、麻疹の症状や、感染したら保育園はいつから行けるのかなど、麻疹に関する情報をまとめました。
はしかの原因・症状は?
はしかは麻疹(ましん)ウイルスが原因で発症する病気です。感染力が非常に強く、感染者と同じ空間にいるだけでも空気感染で感染する可能性があります。
はしかの経過は3つの期間に分類され、次のような流れで発症から回復にいたります。
カタル期(2〜4日)
- 38度前後の発熱があり、一旦下がる
- 倦怠感、不機嫌
- 咳、鼻水、くしゃみ
- 目の充血、目やに
- 口の中の白い斑点
発疹期(3〜4日)
- 再び発熱し、高熱になる
- 全身の発疹
- 倦怠感、不機嫌
回復期(7〜9日)
- 熱が下がって発疹が消失するも、色素沈着が残る
はしか(麻疹)は合併症に注意
はしかにかかると、30%の割合で合併症が起こるとされています。はしかの合併症には次のようなものがあります。
- 肺炎
- 中耳炎
- クループ症候群
- 心筋炎
- 脳炎
特に発生頻度が高いのが肺炎と中耳炎で、脳炎が合併するのは1,000例に0.5〜1例ほどの割合です。また1,000例に1例ほどの割合で死亡する可能性があります。
はしか(麻疹)を予防するには?
はしかは感染力が強いため、手洗い、マスクなどの基本的な感染症対策では予防できません。ワクチンの接種が最も有効な予防方法とされています。ワクチンを接種することによって 95%程度の人が免疫を獲得することができると言われています。
はしかのワクチンは定期接種です。1歳と小学校入学前1年間の2回接種することが推奨されています。
はしか(麻疹)は保育園で流行しやすいの?
はしかは非常に感染力が強い感染症です。飛沫感染や接触感染だけでなく、空気中のウイルスを吸い込むことで感染する「空気感染」も起こるため、感染者と同じ室内にいるだけでも感染する可能性があります。麻しんの免疫がない集団に発症者が1人いただけで、12~14人が感染するという研究結果もあります。ちなみにインフルエンザでは1~2人といわれていて、麻しんがかなりの感染力だということがわかりますね。
とはいえ麻疹はワクチンが定期接種になったことで、国内で流行することはほとんどなくなりました。必要以上に恐れる必要はありませんが、もし身近で感染者が出た場合は、気をつけるのがいいでしょう。
はしか(麻疹)になったら保育園は出席停止になる?いつから行ける?
はしかは「学校保健安全法」という法律で「第二種感染症」に指定されており、一定期間保育園は出席停止になります。保育園の出席停止期間は解熱した後3日を経過するまでです。
はしかには有効な特効薬がないため、対症療法を行いながら症状がおさまるのを待つことになります。はしかの発熱は、カタル期に2〜4日続き、一度下がった後、発疹期に3〜4日は続きます。そのため麻疹になったら、長いと2週間程度は保育園を休むことになるかもしれません。
兄弟がはしかになったら保育園には行ける?
はしかは非常に感染力が強いため、家庭内で誰か1人がかかると、予防接種を受けていないまたは一度も感染したことがないほかの兄弟に感染する可能性が高いです。そのため本人が元気な様子であっても、保育園に兄弟がはしかに感染したことを報告し、登園してもいいか相談するようにしましょう。保育園の方針に従ってください。
はしかの潜伏期間は一般的に10日前後です。この間に風邪のような症状が現れたら、保育園はお休みして病院を受診しましょう。