子どもがノロウイルスに感染したらどう対処する?家庭での看病のポイント4選

子どもの病気


冬になり乾燥すると増加するノロウイルス。感染力が強く、家族への感染が広がりやすいので注意が必要です。ここでは、子どもがノロウイルスに感染したときの看病のポイントをご紹介します。

子どものノロウイルスの症状は?

ノロウイルスに感染すると、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛の症状があらわれます。これらの症状は数日で治まり、重症化することはほとんどありません。ただ、嘔吐と下痢を繰り返すことにより脱水を起こすこともあるため、しっかりと見守る必要があります。

子どもがノロウイルスに感染したときの対処法4選

ここからは、子どもがノロウイルスに感染したときの対処法をご紹介します。

水分補給をさせる

ノロウイルスに感染すると、嘔吐や下痢で体の中の水分が失われてしまいます。体の小さな子どもは脱水を引き起こしやすく、こまめな水分補給が必要になります。

ただ一度に多くの水分を摂らせてしまうと再び嘔吐してしまうこともあります。嘔吐後に水分をあげるときは、30分ほど経過して症状が落ち着いたらティースプーン1杯くらいの量から飲ませましょうその後、5〜10分おきにティースプーン1杯程度の水分を飲ませ、少しずつ間隔をあけて水分量を増やしながら様子をみてください。

乳幼児用の経口補水液や野菜スープ、だし汁などを飲ませると、失われた体の中の電解質が補われるのでおすすめです。

よく触る場所を消毒する

ドアノブや電気のスイッチ、トイレのレバーなど家族がよく触る場所は、こまめに消毒してください。ノロウイルスにアルコール消毒はあまり効果がありません。ハイターやブリーチなど塩素系漂白剤を約0.02%の濃度に薄めた消毒液で消毒しましょう。

お風呂は最後に入れる

ノロウイルスは、お風呂のお湯を介して感染が広がります。ノロウイルスに感染した子どもが湯船に入る場合は、他の家族が入った後に入浴させるようにしましょう

どうしても先に湯船に入る場合は、一度お湯を抜いて湯船や洗い場、蛇口、ドアノブなどを掃除・消毒してから次の人が入ると安心です。

洗濯物は分けて洗う

嘔吐物や排泄物がついた衣服や寝具は、感染を広げないために他のものと分けて洗濯します。洗濯するときは、手袋やマスク、エプロンをつけて感染予防を行ってくださいね。

まずは、衣服などについた汚物を取り除いて洗濯用洗剤でもみ洗いをします。その後、85℃以上の熱湯に1分以上浸す熱水洗濯をするか、0.02%の濃度に薄めた塩素系漂白剤で消毒をしてから、洗濯機で普段どおりに洗濯しましょう。洗濯後は、高温の洗濯機で乾かすかスチームアイロンを当てると殺菌効果が高まります。

ノロウイルスの子どもを看病するときのポイント4選

ノロウイルスは感染力が強いので、看病するときに二次感染してしまう可能性があります。ここでは、子どもを看病するときのポイントをまとめました。

ママやパパはマスクをする

感染した子どもが嘔吐したときに飛び散る飛沫を吸い込むと、ママやパパが感染してしまいます。家庭内での感染を予防するため、マスクをしましょう。きょうだいがいる場合、マスクを嫌がらなければ着用できるといいですね。

手洗いをこまめにする

ノロウイルスは、感染している人の手指を介して広がります。感染している子どものお世話をした後や食事の前などは石鹸でしっかり洗ってください。洗った後は十分に洗い流し、乾いた清潔なタオルなどで拭きましょう。手のアルコール消毒は効果がありません。

おむつ交換はマスクと手袋をして行う

ノロウイルスは便からも排出されます。おむつ交換時やトイレで排便した子どものお尻を拭くときは、マスクと手袋をして行いましょう。交換したおむつや使った手袋、マスクは、ビニール袋に入れて密閉してから捨てることもポイントです。薄めた次亜塩素酸ナトリウムでビニール袋の中を浸すと、より安全に捨てられます。最後に石鹸でよく手を洗ってくださいね。

食器やタオルは共有しない

感染した子どもと同じ食器やタオルなどを使うと、ママやパパが感染する可能性が高くなります。食事を与えるときや体を拭くときなどに使う食器やタオルを共有しないように気をつけてくださいね

ノロウイルスの対処法に迷ったら…

子どもがいざノロウイルスに感染すると、看病をしながら家庭内での二次感染を予防するのはなかなか難しいですよね。ノロウイルスの対処法に迷ったら、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。看護師にチャット形式で相談でき、医師のオンライン診療も受けることができます。困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 吉年俊文
日本小児科学会認定小児科専門医、日本小児栄養消化器肝臓学会認定小児栄養消化器肝臓認定医。2021年東京慈恵会医科大学大学院博士課程修了。2024年ロンドン大学衛生熱帯医学大学院臨床疫学修士課程。現在はトロント大学・トロント小児病院消化器肝臓栄養部門の臨床フェロー。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア