溶連菌感染症は兄弟間で感染する?何日間注意が必要?

子どもの病気


春から夏にかけて流行する「溶連菌感染症」。感染力が強いため、兄弟がいる家庭は兄弟間の感染が気になるかもしれません。この記事では、兄弟間で感染するのかや、どれくらいの期間注意したらよいかなどをご紹介します。

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症は、「A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)」という細菌によって引き起こされる、子どもが感染しやすい感染症です。感染すると発熱やのどの痛み・腫れなど、風邪をひいたときとよく似た症状が現れます。また手足に赤い小さな発疹が出たり、舌に赤いブツブツ(イチゴ舌)が出たりします。

症状は適切な治療によって2〜3日ほどで治まることがほとんどですが、まれに合併症の腎炎やリウマチ熱が起こることもあります。これらの合併症を予防するためにも、抗生剤の服用が推奨されています。抗生剤を服用して24時間以上が経過すると感染力がなくなります。

溶連菌は兄弟間で感染が広がる?

溶連菌は感染力が強く、兄弟のうちひとりが感染すると他の兄弟が感染する確率は25〜50%ほどとも言われています。兄弟同士は一緒にいる時間が長く接触が多いので、感染が広がりやすい傾向にあります。家庭内でも感染対策をしっかり行うことが大切です。

兄弟が溶連菌に感染したら、何日間注意が必要?

溶連菌は潜伏期間中から感染力を持ちます。そのため感染していることに気が付かないうちに、兄弟間で感染が広がっていることもあります。

溶連菌の潜伏期間は2〜5日です。この期間は感染していることに気づかないので気をつけようがありませんが、日頃から手洗いなどの基本的な感染対策を行うことが大切です。

また溶連菌は抗生剤を服用して24時間経つと感染力がなくなります。そのため症状が出たあとは、少なくとも病院を受診した日と翌日の2日間は兄弟間で感染しないように注意しましょう。

兄弟が溶連菌に感染したとき、他の子への感染を予防するには?

溶連菌には予防接種がないため、手洗い・うがいなどの基本的な対策で感染を予防することが大切です。兄弟間での感染を予防するために、下記のような対策を行いましょう。

こまめに手を洗う

食事の前やトイレの後など、こまめに手を洗うように声をかけたり、手洗いが上手にできない年齢の子どもには洗ってあげたりしましょう。指の間や指先は特に洗い残しの多い部分です。石鹸で丁寧に洗い、水でよく洗い流しましょう。洗い終わったら清潔なタオルやペーパータオルで拭き取ってください。

こまめに手を洗うのが大変な場合は濡らしたタオルやガーゼ、手拭き用のウエットティッシュなどで拭いてあげるのもいいですね。

アルコール消毒をする

溶連菌にはアルコール消毒が有効です。溶連菌は感染した人の飛沫がついたものを介して感染が広がります。感染した子どもが触ったおもちゃなどをこまめにアルコールで消毒することは、接触感染の予防になります。

同じ食器やタオルを使わない

兄弟で同じ食器やタオルを使うのはやめましょう。溶連菌は前述の通り潜伏期間中から感染力を持つため、感染が分かってからではなく、常日頃から意識できるといいですね。溶連菌以外の感染症の予防にもなります。

溶連菌のホームケアに悩んだら…

兄弟が溶連菌に感染すると、他の子への感染予防と看病を同時に行うことになり、大変なこともあるかと思います。そんなときは子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。無料で看護師にチャットで相談でき、オンラインで医師の診察を受けることもできますよ。困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア