子どもは溶連菌感染症に何度もかかるの?繰り返す原因は?

子どもの病気


子どもが初めて溶連菌感染症にかかると、「また感染することもあるのかな?」「一度かかればもう大丈夫?」などと疑問に感じることもあるかもしれません。そこでこの記事では、溶連菌感染症に何度もかかることはあるのか、繰り返し感染する理由などをご紹介します。

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症は、溶血性レンサ球菌という細菌による感染症です。3〜10歳頃の子どもがかかりやすいとされていて、感染すると以下のような症状があらわれます。

  • 38℃以上の発熱
  • のどの強い痛み、腫れ
  • 舌に赤いぶつぶつができる(イチゴ舌)
  • 全身に赤くて細かい発疹がでる


上記のほかに腹痛や嘔吐、リンパ節の腫れなどをともなうこともあります。いずれの症状も1週間ほどで軽快することがほとんどですが、まれにリウマチ熱や急性糸球体腎炎を合併することもあるため注意が必要です。

子どもは溶連菌に何度もかかることがあるの?

子どもは溶連菌に何度もかかることがあります。前回の溶連菌感染症の症状が治まった直後に再び感染することも珍しくありません。2回目以降の感染だからといって症状が軽くなるとは限らず、症状の程度やあらわれ方はさまざまです。

子どもが溶連菌に繰り返しかかるのはなぜ?

子どもが溶連菌感染症に繰り返しかかる理由として、主に以下のようなことが考えられます。

抗生剤の服用を途中でやめてしまった

溶連菌感染症は抗生剤を服用することで24時間以内に感染力がなくなり、1〜2日で症状が軽快します。しかし体の中から溶連菌が完全にいなくなったわけではないので、抗生剤の服用を途中でやめてしまうと再発することがあります。

抗生剤は7〜10日分ほどが処方されるので、症状が落ち着いてきても服用をやめず最後まで飲み切るようにしてください。合併症を防ぐためにも、指示された期間しっかり飲みきりましょう。

前回と違う型の溶連菌に感染した

前回かかった溶連菌と違う型の溶連菌に感染すると、再びかかる可能性があります。一般的に細菌に感染すると抗体ができるので同じ細菌にすぐ感染することはほぼないですが、溶連菌にはいくつかの型が存在するため繰り返し感染することがあるのです。

子どもの溶連菌感染症を繰り返さないための対策は?

溶連菌感染症を繰り返さないためには、基本的な感染症対策が大切です。次のようなポイントに気をつけて対策をしてくださいね。

手洗いを徹底する

溶連菌が付着した手で口や鼻を触ることで感染するのを防ぐために、外から帰ってきたときや食事の前など、こまめに手洗いをしましょう。石けんやハンドソープで20〜30秒以上かけてしっかり洗い、十分に洗い流してから清潔なタオルやキッチンペーパーで拭き乾かします。

人混みに出かけるときはマスクを着用する

感染者の咳やくしゃみによって飛び散った菌を吸い込まないように、人が多い場所へ行くときはマスクを着用しましょう。子どもはマスクを嫌がることもあるかもしれませんが、耳が痛くならないタイプやお気に入りのキャラクターが描かれたものなどを選んで、できるだけ着用してもらえると安心ですね。

規則正しい生活をする

免疫力を上げるために、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠を心がけましょう。子どもがなかなか寝つかない場合は、日中に体を動かす機会を増やすなど工夫してみてくださいね。

溶連菌感染症がなかなか治らないときは再受診を

​​溶連菌感染症の抗生剤を2日以上服用しても症状がよくならなかったり、治った後に再び症状があらわれたりしたときは、再受診をしましょう。とはいえ体調の優れない子どもを連れて再び病院へ行くのは大変なので、受診のタイミングに迷うこともあるかもしれません。そんなときは子どもの医療アプリ「キッズドクター」がおすすめです。看護師と個別チャットでやり取りすることができ、再受診の目安について相談することが可能です。困ったときはぜひ検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 吉年俊文
日本小児科学会認定小児科専門医、日本小児栄養消化器肝臓学会認定小児栄養消化器肝臓認定医。2021年東京慈恵会医科大学大学院博士課程修了。2024年ロンドン大学衛生熱帯医学大学院臨床疫学修士課程。現在はトロント大学・トロント小児病院消化器肝臓栄養部門の臨床フェロー。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

受診の困りごと ホームケア