子どもが胃腸炎に感染したときの対処方法まとめ

子どもの病気


寒くなると流行しやすい胃腸炎。保育園や幼稚園など子どもが集団で生活している場では、あっという間に感染が広がります。この記事では、子どもが胃腸炎に感染したときの対処法をご紹介します。

子どもの胃腸炎の原因は?

胃腸炎にはウイルス性と細菌性があります。子どもの胃腸炎はウイルス性であることが多く、ロタウイルスやノロウイルスなどが胃腸内に入ることが原因で感染します。

細菌性の胃腸炎は高温多湿になる夏場に多く発生する、いわゆる食中毒です。細菌が体内に入ることが原因で起こります。

子どもの胃腸炎の症状は?

子どもの胃腸炎の主な症状は、嘔吐、下痢、腹痛、発熱、血便です。感染しても風邪程度の症状でおさまることもありますが、体力が弱い乳幼児は、まれに脱水症状やけいれんを起こすことがあるため注意が必要です。

子どもが胃腸炎に感染したときの対処方法まとめ!

子どもが胃腸炎にかかったときは、二次感染と脱水を防ぐことが特に大切です。以下のような対処法を試してみてください。

手洗いを徹底する

手指を介して感染が広がることがあるので、しっかり手洗いをしてママやパパへの二次感染を予防しましょうアルコールでの手洗いは効果がありません。食事の前やトイレの後など石鹸で手を洗い、水で十分に流して清潔なタオルやペーパータオルなどで拭き乾かします。

おむつ替えやトイレで排便後の子どものお尻を拭いた後は、便の中に排泄されたウイルスや細菌が手に付着している可能性があるため、特に丁寧に手を洗ってください。

ママやパパはマスクをする

感染した子どもが嘔吐したときに飛び散る飛沫を吸い込んで、ママやパパが感染することもあります。家庭内での感染を予防するためにマスクをしましょう。きょうだいがいる場合、マスクを嫌がらないようであれば着用させてくださいね。

食器やタオルの共有は避ける

感染した人と食器やタオルを共有することでも感染が広がることがあります。普段から食器やタオルは一人ひとり分けて使うようにしておくと、急に感染したときにも安心です。

よく触る場所を消毒する

ドアノブや電気のスイッチ、トイレの洗浄ボタン、テーブルなど、家族がよく触る場所をこまめに消毒しましょう。ノロウイルスやロタウイルスにはアルコール消毒はあまり効果がないため、次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒剤を薄めて消毒をしてください。

お風呂は最後に入れる

胃腸炎は、お風呂のお湯を介して感染が広がることがあります。感染している子どもが湯船に入る場合は、最後に入浴させるようにしましょう。どうしても先に湯船に入る場合は、一度お湯を抜いて浴槽や洗い場、ドアノブ、蛇口などを掃除・消毒してから次の人が入ると安心です。

水分補給をさせる

胃腸炎になると、嘔吐や下痢によって体の中の水分が失われてしまいます。そのため、体の小さな子どもは脱水を引き起こしやすく、こまめな水分補給が必要になります

ただ嘔吐後すぐに水分を摂らせてしまうと再び嘔吐してしまうこともあるので、30分ほど経過して症状が落ち着いたらティースプーン1杯くらいの水分から飲ませてあげましょう。その後、5〜10分おきにットボトルキャップ1杯程度(5〜8mL)またはティースプーン1杯程度の水分を飲ませ、徐々に間隔をあけて水分量を増やしながら様子をみてください。

症状が改善したら、乳幼児用の経口補水液や野菜スープ、だし汁などを飲ませると、失われた体の中の電解質を補ってくれるのでおすすめです。

子どもの胃腸炎の対応に悩んだら…

胃腸炎になると、対症療法をしながら回復を待つことになります。子どもが嘔吐や下痢をしてつらそうで、不安になることもあるかと思います。そんなときは、子どもの医療に特化したアプリ「キッズドクター」が便利です。看護師にチャット形式で相談ができ、アドバイスをもらえます。困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 吉年俊文
日本小児科学会認定小児科専門医、日本小児栄養消化器肝臓学会認定小児栄養消化器肝臓認定医。2021年東京慈恵会医科大学大学院博士課程修了。2024年ロンドン大学衛生熱帯医学大学院臨床疫学修士課程。現在はトロント大学・トロント小児病院消化器肝臓栄養部門の臨床フェロー。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア