胃腸炎は洗濯でうつる?家族内で感染を広げないための洗濯方法まとめ

子どもの病気


子どもが胃腸炎になったときは、洗濯方法にも注意が必要です。そこでこの記事では、家庭内で感染を広げないための洗濯方法や、消毒せずに洗濯してしまったときの対処法などをご紹介します。

胃腸炎は洗濯でうつることもある?

胃腸炎を引き起こすノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなどは感染力がとても強く、一般的な洗濯用洗剤を使って水洗いするだけでは死滅しません。そのため適切な洗濯方法で洗わないと、うつることもあります。

子どもが胃腸炎に感染したら、大人と洗濯物は分けるべき?

子どもが胃腸炎に感染したときは、ほかの家族の洗濯物と分けて洗濯するのが安心です。家族のものを先に、感染した子どもの衣類は後で洗濯するようにしましょう。また洗濯した後は手を石鹸でしっかり洗い、流水で十分に洗い流してください。アルコール消毒は効果がないので、必ず石鹸で手を洗いましょう。

胃腸炎で汚れたものの洗濯方法は?

ここからは、胃腸炎で汚れたものの洗濯方法をご紹介します。

<準備するもの>

  • 塩素系漂白剤
  • 2Lのペットボトル(消毒液を作るときに使用)
  • 洗濯用洗剤
  • マスク、手袋、使い捨てのエプロン
  • ペーパータオル
  • ビニール袋
  • バケツや洗面器


①マスク、手袋、エプロンを着用する

ウイルスが付着しないように、洗濯を始める前にマスクと手袋、使い捨てのエプロンを着用しましょう。水が飛び散りやすいので、上半身をしっかり覆える長袖タイプのエプロンがおすすめです。

②衣類の汚れを取り除く

準備ができたら、まずは子どもの衣類に付いた嘔吐物や便など汚れを取り除きます。キッチンペーパーや古いタオルなど使い捨てられるものを使って、静かに拭きとりましょう。汚れが残っていると消毒効果が薄まるので、できるだけきれいに取り除くことが大切です。

③下洗いする

衣類の汚れを取り除いた後は、洗濯用洗剤と水を入れたバケツや洗面器の中でもみ洗いをします。顔や周囲に水が飛び散らないように、静かに洗いましょう。

④衣類を消毒する

下洗いが終わったら衣類を消毒します。ウイルスが付着した衣類の消毒には、熱水洗濯が有効です。85℃以上の熱湯に1分以上浸しましょう

色柄物でなければ、0.02%の濃度に薄めた塩素系漂白剤でも消毒できます。ハイターやブリーチなど塩素系漂白剤と2Lのペットボトルを使って、下記の手順で消毒液を作成しましょう。

<塩素系漂白剤で約0.02%の消毒液を作る方法>

  1. ペットボトルキャップ2杯(約10ml)の塩素系漂白剤を2Lのペットボトルに入れる
  2. ペットボトルに水を加えて全部で2Lになるようにする
  3. ふたを閉めてよく振る


袋や洗面器などに、消毒液と衣類を入れて30分から1時間ほど放置します。衣類を取り出した後は、しっかりすすいでください。

⑤洗濯機で洗濯する

消毒が終わった衣類は、洗濯機で普段通りに洗濯します。その際、消毒したからといって家族のものと一緒に洗うのは避けたほうが安心です。家族のものを先に洗濯してから、胃腸炎の子どもの衣類を洗濯しましょう。

⑥衣類を乾かす

衣類を乾かすときは、コインランドリーにある高温の乾燥機を使用すると殺菌効果が高まります。ただ高温乾燥に向かない衣類もあるので注意が必要です。乾燥機の使用が難しい場合は、スチームアイロンを当てるとよいでしょう

⑦下洗いに使ったものを消毒する

衣類の洗濯が済んだら、下洗いに使ったバケツや洗面器を消毒します。消毒には、先ほどと同じ手順で作成した0.02%の濃度に薄めた塩素系漂白剤が有効です。

⑧使ったものを廃棄する

下洗いに使ったものの消毒が終わったら、使用したマスクや手袋、エプロンを廃棄します。ビニール袋に入れて口をしっかり縛ってから捨てましょう。

⑨石鹸で手を洗う

最後に石鹸で手を洗いましょう。爪の間や指の間、手の甲、手首などは汚れが残りやすいので特に念入りに洗い、流水で十分に洗い流してください。

消毒前の衣類を洗濯機で洗ってしまったときは、洗濯槽を消毒しよう!

胃腸炎に感染した子どもの衣類を消毒せずにそのまま洗濯機で洗うと、洗濯槽がウイルスで汚染される恐れがあります。そのため消毒前の衣類を洗濯機で洗ってしてしまった場合は、塩素系漂白剤を使って洗濯槽を消毒しましょう。消毒に使用する塩素系漂白剤の量の目安は、水1Lあたり約20mlです。水を溜めた洗濯槽に塩素系漂白剤を入れて、10分ほど放置してください。

子どもの胃腸炎のケア方法に悩んだら…

子どもが胃腸炎になると、嘔吐や下痢を繰り返して元気がなくなることもあるため、洗濯方法以外にも悩むことがあるかもしれません。そんなときは、看護師に相談できるアプリ「キッズドクター」がおすすめです。個別チャットでやり取りでき、ホームケア方法や受診の目安など気になることを教えてもらえます。無料で利用できるので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 吉年俊文
日本小児科学会認定小児科専門医、日本小児栄養消化器肝臓学会認定小児栄養消化器肝臓認定医。2021年東京慈恵会医科大学大学院博士課程修了。2024年ロンドン大学衛生熱帯医学大学院臨床疫学修士課程。現在はトロント大学・トロント小児病院消化器肝臓栄養部門の臨床フェロー。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア