ヘルパンギーナに感染したら保育園はいつから行ける?登園許可は必要?

子どもの病気


毎年夏になると流行するヘルパンギーナ。感染すると保育園や幼稚園をどれくらいお休みすることになるのでしょうか?登園目安などについてまとめました。

ヘルパンギーナの症状は?

ヘルパンギーナは、乳幼児がかかりやすい夏風邪の一種です。毎年初夏〜秋に流行します。エンテロウイルス属のA群コクサッキーウイルスなどが原因で起こり、流行シーズン中に何度もかかる可能性があります。

ヘルパンギーナの主な症状は以下です。

  • 突然38〜40度前後の高熱が出て1〜3日間続く
  • 喉が赤くなる
  • 喉の奥に小さな水疱ができる
  • 喉がひどく痛む

ヘルパンギーナは保育園で感染しやすい?

ヘルパンギーナは感染力が高い病気です。感染者の咳や鼻水、便から排出されたウイルスから感染が広がります。

また

  • 潜伏期間が2〜4日程度ある
  • 症状がおさまっても、発症から4週間ほどは便からウイルスが排出され続ける
  • 1〜4歳頃の乳幼児が感染しやすい


という特徴があることから、乳幼児が集団で生活している保育園や幼稚園では、どうしても感染が広がりやすくなってしまいます。流行シーズンには、手洗いや消毒などの基本的な感染症対策を行うことが大切です。

ヘルパンギーナになったら保育園はいつから行ける?

ヘルパンギーナには、インフルエンザなどのように「感染したら◯日間保育園を休まなければいけない」という明確な指標がありません。

ただヘルパンギーナは、学校保健安全法で「第三種学校伝染病」に指定されており、「発熱や喉頭・口腔の水疱・潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可」とされています。

ヘルパンギーナ後の保育園への登園目安は?

前述のとおりヘルパンギーナには明確な登園停止期間が定められていないので、子どもの様子を見ながら登園できるかどうか判断する必要があります。子どもが下記のような状態になったら、登園の目安です。

  • 熱が下がって24時間以上経った
  • 体調が回復して元気にしている
  • 十分に食事が摂れている
  • 喉の水疱がおさまり、痛みが気にならなくなった


ただしヘルパンギーナは症状がおさまった後も一定期間ウイルスを排出し続けるため、保育園によっては出席停止期間を設けていることもあります。ヘルパンギーナに感染したら保育園に伝えて、いつから通っていいか、出席停止期間があるかなどを確認するようにしましょう。

ヘルパンギーナ後は登園許可が必要?

厚生労働省のガイドラインによると、ヘルパンギーナに感染後、回復して登園する際は「医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが望ましい」とされています。
医師に登園許可書を記入してもらう必要はないものの、医師に診断してもらったことを保護者が書類に記載する必要があるということです。

ただし「望ましい」という表現になっているので、保育園によっては登園届の提出を義務付けていないこともあります。逆に、医師のサインが入った登園許可証が必要だという園もあります。ヘルパンギーナに感染したら、登園許可が必要かどうかを保育園に確認するのがいいでしょう。

ヘルパンギーナの登園許可証は、小児に対応している「キッズドクター」のオンライン診療でも発行することが可能です。登園許可証のために通院するのが大変な場合は、うまく活用してみてくださいね。

兄弟がヘルパンギーナになったら保育園には行ける?

兄弟がヘルパンギーナになっても、症状がなく元気な子は保育園に登園してかまいません。ただしヘルパンギーナは感染して症状が出るまでに2〜4日の潜伏期間があるので、様子は慎重に見ておきましょう。
保育園にも、兄弟がヘルパンギーナに感染している旨を伝えるようにしてくださいね。​

ヘルパンギーナを保育園に言わないのはNG!

これまでご説明したとおりヘルパンギーナは保育園で感染が広がりやすい感染症なので、感染したら必ず保育園に伝えましょう。他の子や園に迷惑を掛けないためにも、早めの報告を心がけてくださいね。
ヘルパンギーナに感染したことを伝える際に、いつから保育園に通っていいか、登園許可が必要かなどもあわせて確認すると安心です。

ヘルパンギーナでの受診は、オンライン診療も

ヘルパンギーナの流行シーズンは、手足口病やRSウイルスなど、ほかの感染症も同時に流行することが多く、小児科が混み合いやすい時期です。混み合う小児科に体調が悪い子を抱えていくのは大変ですし、感染リスクも気になりますよね。そんなときは、オンライン診療で自宅から医師の診察を受けるという方法も。子どもの医療アプリ「キッズドクター」なら、子どもの診察に慣れた医師の診察を受けることができます。医師が必要と判断した場合は薬も処方してもらえるので、困ったときは早めの受診を検討してくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 小林揚子
日本小児科学会認定小児科専門医。2017年東北大学医学部卒業。亀田総合病院にて初期研修を修了。国立成育医療研究センターにて小児科後期研修を行い、地域医療・1-3次救急など様々な場面で小児の診療にあたる。2022年より国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科に勤務。1児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア 登園の目安