溶連菌、手足口病、ヘルパンギーナの見分け方は?違いは?

子どもの病気


保育園などで毎年感染が広がる溶連菌・手足口病・ヘルパンギーナ。症状が似ていて見分けがつきにくい病気です。そこでこの記事では、それぞれの症状や見分け方についてまとめました。それぞれの感染症の基本情報からご紹介します。

溶連菌感染症の原因や症状は?

溶連菌は「溶血性連鎖球菌」という細菌が引き起こす感染症です。抗生剤を服用することで症状は1~2日で治まります。

主な症状はのどの痛みや腫れ、咳、発熱などの風邪に似た症状のほか、舌に赤いブツブツができたり、首のリンパ節が腫れたり、発疹が出たりすることもあります。

手足口病の原因や症状は?

手足口病はウイルス性の感染症で、いわゆる「夏風邪」のひとつです。

感染すると、水ぶくれのような発疹が口の中や手のひら、足の裏などに出現します。発疹は1週間ほどで消えますが、口の中にできた発疹がつぶれると口内炎になり、痛みが続くこともあります。発熱したとしても37〜38度以下でおさまることがほとんどです。

ヘルパンギーナの原因や症状は?

ヘルパンギーナはウイルス性の感染症で、こちらもいわゆる「夏風邪」の一種です。

主な症状は高熱とのどの痛みで、口の中に水ぶくれのような発疹ができます。

溶連菌・手足口病・ヘルパンギーナの違いや見分け方のポイントは?

ここからは、溶連菌・手足口病・ヘルパンギーナの違いや見分け方のポイントを解説します。特に見分けやすいのは、発疹の出方と発熱の有無です。

感染しやすい年齢

どれも乳幼児の間で流行する病気ですが、特に感染しやすい年齢は少し異なります。

溶連菌感染症

5~15歳(特に小学生低学年に多い)

手足口病

4歳以下

ヘルパンギーナ

4歳以下(特に1歳代)

流行する時期

どの病気も春〜夏に向けて感染が広がりやすい特徴がありますが、感染のピークを迎える時期が少し異なります。

溶連菌感染症

11~4月

手足口病

7~8月

ヘルパンギーナ

6~7月

発疹

どの感染症も発疹が出るという特徴がありますが、発疹が出現する部位や見た目が異なります。

溶連菌感染症

  • 赤く小さな発疹が、首・胸・手首・足首などに出て、全身に広がる
  • 発疹には痒みを伴う
  • 舌に赤く小さな発疹ができる(イチゴ舌)


手足口病

  • 水ぶくれのような発疹が口の中・手のひら・足や背中にできる
  • 口の中にできた水疱がつぶれた後に口内炎ができ、痛みを伴うことがある


ヘルパンギーナ

  • 水ぶくれのような発疹が口の中にできる
  • 口の中にできた水疱がつぶれた後に口内炎ができ、痛みを伴うことがある


発熱

高熱が出るものと出ないものがあります。

溶連菌感染症

38~39度くらいの高熱が出る。

手足口病

発熱はあってもさほど高熱にはならない。37~38度の熱が出ることもある。  

ヘルパンギーナ

39~40度くらいの高熱が出る。

違いがわからず困ったときは、早めの受診を

溶連菌、手足口病、ヘルパンギーナの症状は似ていますが、それぞれ発熱や発疹の出る部位などに違いがあります。とはいえ家庭で見分けてケアするのは難しいため、症状が見られたら早めに受診しましょう。受診にはオンライン診療を利用するのもひとつの手です。子どもの医療アプリ「キッズドクター」のオンライン診療なら、子どもに慣れた医師の診察が受けられます。石が必要と判断した場合は薬の処方も可能なので、困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 六郷由佳
日本小児科学会認定小児科専門医。2012年福島県立医科大学卒業。石巻赤十字病院で初期研修を行い、東北大学病院小児科に入局。仙台市や千葉県などの二次病院、三次病院で小児科後期研修を行う。小児科専門医を取得し、宮城県立こども病院循環器科で勤務。その後家族の仕事のため海外へ。2児の母。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

ホームケア