ヒトメタニューモウイルスに予防接種はあるの?

子どもの病気


比較的感染力が強く、保育園などで感染者が出始めるとあっという間に広がる「ヒトメタニューモウイルス感染症」。ヒトメタニューモウイルスの感染を防ぐための予防接種はあるのでしょうか?今回は、ヒトメタニューモウイルスに予防接種があるのかや、感染から子どもを守るための予防方法をご紹介します。

ヒトメタニューモウイルスとは?

ヒトメタニューモウイルス感染症は、1~3歳の子どもがかかりやすい呼吸器の感染症です。主な症状は発熱・咳・鼻水で、多くの場合は軽い風邪の症状が1週間程度続き落ち着いていきます。

ヒトメタニューモウイルスには有効な治療や薬はなく、感染すると対症療法で自然に治るのを待つことになります。

ヒトメタニューモウイルスに予防接種はある?

残念ながら、ヒトメタニューモウイルスに予防接種はありません。免疫をつけるには感染するしかなく、10歳頃までにほぼ全員が一度は感染します。ただ一度の感染では十分な免疫がつかないため、感染を繰り返します。繰り返し感染することで免疫がつき、年齢が上がるにつれて感染しにくくなっていきます。

ヒトメタニューモウイルスを予防するには?

ヒトメタニューモウイルスには予防接種がないため、予防するには基本的な感染対策を行うことが大切です。ここではヒトメタニューモウイルスに感染しないための予防方法をご紹介します。

こまめに手洗いする

外から帰ってきたとき、食事の前、トイレの後など、こまめに手洗いをしましょう。ヒトメタニューモウイルスは、ウイルスが含まれる飛沫がついた物に触れることで感染するので、手洗いは感染予防に大切です。石鹸で指先までしっかりと洗い、水で十分に流した後、清潔なタオルやペーパータオルでよく拭き取りましょう。

アルコール消毒

ヒトメタニューモウイルスにはアルコール消毒が有効です。アルコールの含まれている消毒剤で手指のすり込み消毒をしましょう。

また家庭内で兄弟などが感染している場合は、感染している人の飛沫がついたおもちゃなど物を介して感染が広がる可能性があります。おもちゃやドアノブなど、室内もこまめに消毒をするようにしましょう。

十分な睡眠をとる

ヒトメタニューモウイルスを予防するためには、体の免疫機能を高めることが大切です。睡眠不足になると免疫機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。十分な睡眠をとり免疫機能を高めることは、感染予防につながりますよ。

ヒトメタニューモウイルスの感染が疑われるときは…

どんなに感染対策をしていても、ヒトメタニューモウイルスに感染してしまうことはあります。子どもに風邪のような症状が表れたときは、早めに受診すると安心です。病院に連れて行くのが大変なときは、オンライン診療を利用するのもひとつの手です。子どもの医療に特化した「キッズドクター」なら、子どもに慣れた医師が診察してくれるので安心ですよ。困ったときは検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 黒川 剛史
日本外科学会認定外科専門医、日本救急医学会認定救急科専門医。2001年神戸大学医学部卒業。西神戸医療センターにて初期研修を修了。兵庫県災害医療センターにて3次救急に従事後2018年よりシンガポールでの日系クリニック勤務。シンガポール国立大学総合診療卒後教育コースにて総合診療研修を行い、現在子供から大人まで初期診療に従事中。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

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