窓やベランダからの子どもの転落事故に注意!防ぐための対策は?

子どものケガ


ニュースなどでときどき耳にする、窓やベランダからの子どもの転落事故。「うちは大丈夫!」と思っていても、子どもは大人の想像を超えるような行動をすることがあるため、注意しなくてはいけません。この記事では、窓やベランダからの転落事故について、実際に起きた事例や防ぐための対策などをご説明します。

窓やベランダからの子どもの転落事故は、どのように起きる?

消費者庁によると、子どもが自宅の窓やベランダから転落して怪我や死亡する事故が多く発生しています。そのほとんどは1〜5歳の幼児で、とくに好奇心旺盛で活発に動き回る3〜4歳が一番多いとされています。

それでは、どんなときにどのようにして転落事故が起きているのでしょうか?以下は、実際に起こった転落事故の事例です。

事例1:ソファによじ登って窓から転落

ソファに子どもがよじ登り、窓から網戸を突き破って3メートル下の芝生に網戸と一緒に転落した。

事例2:ベランダの室外機に乗って転落

マンション2階の部屋で遊んでいた子どもが、親が見ていない間にベランダに出て転落した。室外機の横に子どものスリッパがあったため、室外機に乗って手すりを越えて落ちた可能性が高い。

事例3:ベランダの手すりを登って転落

庭で大きな音がしたため見に行くと、2階のベランダから子どもが転落して泣いていた。ベランダには高さ90cmほどの手すりがあったが、床から50cmの位置に足場となる飾りがあり、子どもがよじ登ることができた。

これらの他にも、窓やベランダからの転落事故が起きたときの状況としてよくみられるのが下記の2点です。

  • 親が目を離した隙や子どもだけで部屋にいるときに事故が起きた
  • 窓やベランダの扉が開いた状態だった、または閉まっていたが鍵をかけていなかった


次からは、窓やベランダからの転落事故を防ぐための対策をご紹介します。

窓やベランダからの転落事故を防ぐための対策は?

ここからは、窓やベランダからの転落事故を防ぐための具体的な対策をご紹介します。

子どもだけを家に残して外出しない

大前提として、子どもだけを家の中に置いて外に出ないようにしましょう。子どもはママやパパがいないと気づくと家中を探し回り、窓の鍵を開けたりベランダに出て外の様子を確認したりすることがあります。

「ポストに郵便物を取りに行くだけ」「ゴミを出しに行くだけ」といった理由でも、絶対に子どもだけを家の中に残さないようにしてください。

窓やベランダの扉が開いている部屋で遊ばせない

空気の入れ替えなどで窓やベランダの扉が開いている部屋では、子どもだけで遊ばせないようにしましょう。必ず大人が近くで見守り、目を離さないようにしてください。

窓の近くに家具を配置しない

窓の近くにソファやベッドがあると、それを足場にして窓から転落する恐れがあります。窓に近い場所に家具や物を置かないように配置を工夫しましょう。

網戸の状態を定期的にチェックする

窓の網戸が劣化していると、子どもが軽く寄りかかっただけで外れたり突き破ったりして転落することがあります。定期的に状態を確認しましょう。

ベランダに物を置かない

ベランダに物を置いていると、それを踏み台にして手すりを越えて転落する危険性が高まります。プランター、段ボール、椅子などをベランダに置くのはやめましょう。エアコンの室外機は、手すりから60cm以上離して設置してください。

出窓や窓枠に座って遊ばせない

出窓や窓枠に座って遊んだり、網戸や窓に寄りかかったりしているときに、網戸が外れて転落することがあります。窓の近くでは遊ばせないようにしましょう。

扉や網戸に補助錠を付ける

窓やベランダの扉・網戸に鍵をかけていても、子どもの身長によっては一人であけることができてしまいます。子どもの手の届かない位置に補助錠を付け、換気や洗濯を干すことが終わったら必ず施錠しましょう。

窓やベランダから転落したとき救急車を呼ぶ目安は?

徹底的に対策をしてどんなに気をつけていても、子どもの転落事故が起こることはあります。万が一、子どもが転落したときは、まず落ち着いて状況判断をしましょう。

「何階以上から転落したら救急車を呼ぶ」といった基準はないため、以下の症状のうち一つでもあてはまったら速やかに救急車を呼んでください。

  • 出血が止まらない
  • 意識がない
  • 呼吸ができていない
  • 目を開けない
  • 体が動かない


1階など低い場所から転落し、目立った怪我がなく元気だったとしても、必ず小児科を受診をしましょう。休日や夜間の場合は、救急外来を受診してください。

窓やベランダからの子どもの転落事故に注意しよう

窓やベランダからの転落事故は、大人がほんの少し目を離した隙に起きることがほとんどです。今回ご紹介した対策を徹底して、危険な事故を防ぎましょう。転落事故だけに限らず、子どもは予期せぬタイミングで怪我をすることがあります。「このまま様子をみて大丈夫?」「すぐに受診したほうがいいのかな?」など迷ったら、看護師に無料で相談できる「キッズドクター」が便利です。小児科に詳しい看護師が対応するので安心ですよ。チャットでの相談なので、患部の写真を送ることもできます。困ったときは相談してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 倉田悟子
日本小児科学会認定小児科専門医。2008年鹿児島大学医学部卒業。久留米大学病院で初期臨床研修終了後、2010年から久留米大学小児科学教室に所属。一般小児科(感染症他・予防接種・乳幼児健診)、小児の腎臓病・泌尿器疾患を専門に診療を行う。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

事故