子どもがストレスで発熱することはある?心因性発熱とは?

子どもの発熱の多くはウイルスや細菌が原因で起こりますが、ストレスが原因で発熱することもあります。こちらの記事ではストレスが原因で発熱するときの特徴や対処法をご紹介します。
子どもがストレスで発熱することはある?心因性発熱とは?
発熱はウイルスや細菌だけでなく、ストレスが原因で起こることがあります。これは大人も子どもも同じです。ストレスで発熱することを一般的に「心因性発熱」と呼びます。
心因性発熱には、基本的に解熱鎮痛剤が効きません。特に子どもはストレスを自覚していなかったり、ストレスを言葉で説明するのが難しかったりして、周囲に理解されるのが難しいことがあります。
ちなみに医学的には、体に炎症が起こって体温が上がることを「発熱」といいます。ストレスで体温が上がる場合は、炎症ではなく脳の体温調節機能の不調が原因なので、厳密には発熱ではなく「高体温」といいます。そのため「心因性発熱」は「高体温機能症」と呼ばれることもあります。
心因性発熱はなぜ起こるの?
先の章でご説明した通り、心因性発熱は脳の体温調節機能の不調が原因で起こります。この不調は、自律神経の乱れによって起こると考えられています。
自律神経には体が活動するときに働く「交感神経」と、休息するときに働く「副交感神経」があります。心身にストレスがかかるとこれらのバランスが乱れて交感神経が過剰に働き、体温が上がるのです。
子どもの心因性発熱の特徴は?
ここからは子どもの心因性発熱の特徴をご説明します。
一時的に高熱になることが多い
心因性発熱には、ストレスに反応して一時的に高体温になるものと、慢性的にストレスを感じる環境で微熱程度の高体温が続くものの2種類があるといわれています。
子どもの場合は、前者の一時的に高体温になる場合が多いようです。例えば、決まった授業の時間に高体温になり、保健室に行くと熱が下がるというように、比較的原因がわかりやすい状況で体温が上がることが多いです。
通常の発熱時に、一緒に起こる症状が見られない
感染症や体調不良が原因で発熱した場合、眠気、だるさ、食欲不振、筋肉痛、悪寒などの症状が一緒に起こることが多いですが、ストレスが原因で発熱した場合はそのような症状があらわれません。体温の上昇のみが見られます。
心因性発熱の対処法は?
ここからは子どもが心因性発熱を発症したときの対処法をご紹介します。
かかりつけの小児科を受診する
子どもの原因不明の発熱が気になる場合は、小児科を受診しましょう。発熱の原因がストレスによるものなのか、それ以外なのかを診てもらうことが大切です。
まずはかかりつけを受診するのがおすすめです。慣れている先生に診てもらうことで、子どももリラックスして受診することができるかもしれません。体質や既往歴などもわかるので安心です。
ストレスの原因を取り除く
発熱のタイミングやその後の経過などを観察し、発熱の原因がわかった場合、環境を変えたり調整したりすることでストレスの原因を取り除けないか検討してみましょう。
ストレスを取り除くのが難しい場合は、ゆっくり話を聞いてあげる時間を作るなど、できることから少しずつ原因にアプローチできると良いですね。
発熱の不安を和らげる
子どもは発熱が続くと「良くならないのではないだろうか」「仮病と思われるのではないか」などの不安を感じ、さらに症状が悪化することがあります。
悪化を防ぐためにも、「心の疲れやストレスが原因で発熱することがある」「仮病ではないと周りもわかっている」など、身近な人が理解しているということや、なぜ発熱が起こっているかを伝えて、不安を和らげてあげましょう。
また園や学校の先生との密な連絡も必要です。先生に理解してもらえると、子どもも過ごしやすくなるでしょう。
自律神経を整える生活をする
心因性発熱は自律神経の乱れによって起こるため、自律神経を整えることが大切です。下記のようなことを意識してみましょう。
- 規則正しい生活を心がける
- 十分に睡眠をとる
- バランスの良い食事を摂る…特に朝起きれず朝食がしっかり摂れない子は、朝は早めに起こして、朝食をしっかり摂りましょう。
- 屋外で汗をかく運動をする…風邪をひいて発熱している際は、できるだけ安静にすることで回復させることが大切ですが、心因性発熱の場合はその必要はありません。自律神経の乱れによって体温が上がっているため、逆に運動をして自律神経を整えるのが良いケースもあります。
- 電子機器を長時間使わないようにする…特に夜間の電子機器の使用は、寝る30分~1時間前にはやめるようにしましょう。
子どもの発熱で困ったらオンライン診療でも
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