赤ちゃんの目のトラブルの受診目安は?

子どもの病気


赤ちゃんの目にトラブルがあると、痛くないのか、視力に影響はないのかなど心配になると思います。こちらの記事では、赤ちゃんの目のトラブルの種類や受診の目安についてご紹介します。

赤ちゃんの目のトラブルにはどんなものがあるの?

赤ちゃんの目のトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれ症状や原因などをご紹介します。

結膜炎

白目とまぶたの裏を覆う「結膜」という膜に炎症が起こり、白目が充血したり、目やにや涙が出たりする病気です。ウイルスや細菌、アレルギー物質によって引き起こされます。
咽頭結膜炎(プール熱)のようなウイルスが原因の結膜炎の場合、充血や目やにとともに発熱や喉の痛みなどの症状があらわれることがあります。

さかさまつげ

まつ毛が「角膜」(黒目部分)に触れている状態のことです。まつ毛の根元周りにできた傷や、下まぶたの皮膚・皮下脂肪が多いことが原因で、まつ毛の生える方向が変わったりまつ毛が眼球の方向に押し込まれたりして起こります。
さかさまつげになると涙が出たり充血が続いたりして、重症の場合は視力が低下する可能性もあります。

ものもらい

まぶたにある涙や汗の分泌腺に炎症が起こり、化膿している状態のことです。分泌腺に細菌が侵入して起こります。
まぶたの一部が腫れたり、目が充血したりして、痛みやかゆみを伴います。赤ちゃんは痛みやかゆみを言葉で説明できないため、不快感で不機嫌になることもあります。腫れた部分が自然と破れて、膿が出ることもあります。

先天性鼻涙管閉塞、新生児涙嚢炎

通常ママのお腹の中にいるときに開通する涙の通り道が詰まったままになっていることを先天性鼻涙管閉塞といいます。先天性鼻涙管閉塞の赤ちゃんは涙が下瞼に溜まって涙目になることが多いです。

また先天性鼻涙管閉塞によって通り道が詰まっていると、涙がうまく流れていかず「涙嚢」という器官に溜まってしまい、細菌感染を起こしやすくなります。細菌に感染して炎症を起こした状態を新生児涙嚢炎といいます。
新生児涙嚢炎になると、常に目が潤んでいる、目やにが多く出る、目頭から少し下の部分が腫れるといった症状が現れます。

斜視

ものを見ようとするときに、片目は正面を向いていても、もう片目が違う方向を向いてしまい、左右の視線が合わない状態です。ものが2つに見えたりずれた方の目で見るとボヤけたりすることから、ずれた方の目を無意識に使わなくなり、視力の発達が妨げられることがあります。
目を動かす筋肉や神経の異常、遠視、目や脳、全身の病気など、原因は様々です。

上記以外にも、風邪などの体調不良時に目が充血したり目やにがいつもより多く出たりすることがあります。
またまれではありますが、生まれつき瞳が白く濁っている先天白内障や、黒目が濁って大きく見える先天緑内障などの病気もあります。

赤ちゃんの目のトラブルの受診目安は?

赤ちゃんの目に下記のような症状が見られる場合は、診察時間内に早めに受診するようにしてください。

  • 目やにが多く出る
  • 白目部分が赤く充血している
  • 原因不明の涙が多く出る
  • まぶたが赤く腫れている
  • いつもまぶしそうにしている
  • 目がよっている、目つきに違和感がある
  • 瞳が白く濁って見える
  • 動くものを目で追わない
  • 目を細めたり近づいてものを見たりする
  • 頭を傾けたり横目で見たりする
  • 目に異物が入った


上記以外にも気になることがある場合は、一度受診して相談すると安心です。

赤ちゃんの目のトラブルは何科を受診する?

赤ちゃんに目のトラブルがあるときは、小児科や眼科で診てもらうことができます。目の症状以外に、発熱や喉の痛み、せき、くしゃみなど内科系の症状がある場合には、総合的に診てもらえる小児科を受診するのが良いでしょう。目だけにトラブルがある場合は、眼科を受診してもかまいません。

赤ちゃんの目のトラブルで困ったらオンライン診療でも

言葉で症状を説明できない赤ちゃんの目にトラブルがあると心配になりますよね。検査や治療の必要があるかどうかを自分で判断するのが難しいこともあるかと思います。そんなときは子どもの医療アプリ「キッズドクター」が便利です。スマホの画面で医師に診てもらうことができるので、家にいながら症状の不安や検査の必要性などについて相談できます。困ったときは利用を検討してみてくださいね。

監修者について

監修者 | 医師 所 陽香
日本小児科学会認定小児科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医。2011年卒業後、都内大学病院で初期研修。その後同大学病院小児科に入局し関連病院で勤務。入院患者から外来まで幅広く診療。現在二児の母。自身の子育ての経験も活かし、ご家族の不安に寄りそう医療の提供を心掛けています。

この記事について

執筆/編集
キッズドクターマガジン編集部

参考文献

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