春に保育園で流行しやすい感染症まとめ
春は冬に比べて感染症のイメージが少ないかもしれませんが、子どもたちが集団で生活する保育園では季節に関わらず感染症が流行しやすい傾向にあり、春も例外ではありません。そこでここからは、春に保育園で流行しやすい病気をご紹介します。
春に保育園で流行しやすい病気①
溶連菌感染症
溶連菌という細菌が喉に感染することで発症する病気です。舌にイチゴのようなぶつぶつができる「いちご舌」と呼ばれる症状が特徴的で、急な高熱や喉の痛み、腫れを伴います。
感染力が強く、患者の咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込むことで感染する「飛沫感染」と、菌がついた手で触ったおもちゃなどを介して感染する「接触感染」で感染します。手洗いやマスクの着用、おもちゃなどのこまめな消毒が予防の基本です。
保育園登園再開の目安
溶連菌感染症は、学校保健安全法で「第三種学校伝染病」に指定されています。保育園登園再開の目安は、「適正な抗菌剤治療開始後 24 時間を経て全身状態が良ければ」登園可能であると定められています。
病院で溶連菌感染症と診断されると、溶連菌に有効な抗菌薬が処方されます。この抗菌薬を飲むと24時間後には感染力がほとんどなくなるため、上記のような基準が設けられています。
春に保育園で流行しやすい病気②
水ぼうそう
水ぼうそうは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされます。水ぶくれを伴う赤い発疹が全身に出て、かゆみを伴います。
水ぼうそうは非常に感染力が強い病気で、空気感染でも感染が広がるため、感染者と同じ室内にいるだけでも感染する可能性があります。予防にはワクチンの接種が効果的です。定期接種として2回の接種が推奨されています。
保育園登園再開の目安
水ぼうそうは学校保健安全法で「第二種学校伝染病」に指定されています。保育園は「全ての発疹がかさぶたになるまで」はお休みするように定められています。かさぶたになる前の発疹にはウイルスが含まれていて、発疹を触った手を介して感染が広がる可能性があるためです。
保育園への登園を再開するときは、医師の診断書(登園許可証)が必要となるケースが多いです。通っている保育園に確認しておきましょう。
春に保育園で流行しやすい病気③
おたふく風邪
ムンプスウイルスというウイルスによって引き起こされる病気です。感染すると耳の下(耳下腺)やあごの下(顎下腺)の腫れて、発熱や頭痛などの風邪症状を伴うことがあります。
おたふく風邪の典型的な症状である「耳下腺の腫れ」が出る数日前からウイルスの排出が始まるため、症状が出る前に周囲に感染が広がってしまうこともあり、保育園や幼稚園で感染が広がりやすい傾向にあります。
予防のためには手洗いやマスクの着用など、風邪を予防するための基本的な感染症対策が大切です。任意接種なので自己判断になりますが、ムンプスウイルスのワクチンを接種することも効果的です。
保育園登園再開の目安
おたふく風邪は学校保健安全法で「第二種学校伝染病」に指定されています。保育園は「耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫れが現れてから5日が経過し、全身状態が良好になるまで」はお休みするように定められています。
上記のような基準になっているのは、耳下腺の腫れなどの症状が出てから5日感はウイルスの排出量が多いためです。また5日経っても風邪のような症状が続いている場合は、大事をとって保育園はお休みしたほうがいいでしょう。
春に保育園で流行しやすい病気④
ヒトメタニューモウイルス感染症
ヒトメタニューモウイルスはRSウイルスと似たウイルスで、10歳までにほぼ全員が感染するといわれています。感染すると発熱や咳など風邪のような症状があらわれ、悪化すると気管支炎や肺炎を引き起こすこともあります。
ヒトメタニューモウイルスには有効なワクチンがなく、何度も感染する可能性があります。手洗いやマスクの着用など、基本的な感染症対策が大切です。
保育園登園再開の目安
ヒトメタニューモウイルスには明確な出席停止期間が定められていません。体調が良くなって元気に過ごせるようになったら登園を再開しましょう。
保育園の登園許可証はオンライン診療でも発行できます
今回ご紹介した春に保育園で流行しやすい病気にかかると、登園再開時に医師からの登園許可証を提出するよう求められることがあります。登園許可証は、オンライン診療でも発行が可能です。子どもに特化したオンライン診療アプリ「キッズドクター」なら、子どもの診察に慣れた医師が対応します。登園許可証のためにわざわざ病院に行くのが大変…という場合は、オンライン診療の利用も検討してみてくださいね。